ロンドンでの三回目のミュージカル鑑賞からひとつきが経った。日々色々なことがあるけれど、それでも毎日のようにミュージカルの余韻に浸る時間がある。改めて好きな歌を聴いたり、今までは聞き流していただけの歌の魅力を発見したり、様々な歌手(俳優?)による歌唱を比べて楽しんだり。
ミリエル司教について書き残しておきたいと思う。(1)で書いたように、私にとって「慈悲深さ」という価値観の礎になっている、レ・ミゼラブルの思い出の中で大きな部分を占めている登場人物。
「ファンチーヌ」の題がついた第一部は、ジャン・ヴァルジャンを救ったこのミリエル司教についての記述で始まり、彼がどんな人物なのかが詳しく書かれている。司教の言葉や彼についての描写から、ヴィクトル・ユーゴーの価値観がしっかり見えたり、ときに、見え隠れする。
以下、線を引いたりした部分を書き出してみようと思う。引用はすべて新潮文庫「レ・ミゼラブル」の第一巻からで、括弧書きや太字は私が付けたもの。書き出しに間違いがあるかもしれないが、ご容赦を。
この場面で司教役が歌う歌がいつも、何度聴いても心に響く。散歩しながら、運動しながら聴いていても、この部分にくるとどうしても目に涙がたまる。
7:44分あたりから
1:55分あたりから
ロンドンのミュージカルで最初にジャン・ヴァルジャンを演じたコルム・ウィルキンソンが、2012年の映画ではミリエル司教を演じている。
このように、ある役を演じた俳優が後で別の役を演じたりするのも「レ・ミゼラブル」の魅力の一つ。最初にマリユスを演じたマイケル・ボールが後にジャベールを演じたり。