katiuitsamoa

在外二十五年。人道・開発支援の現場経験11カ国をへて、現在オランダでコーチ、ファシリテーションの個人事業主として活動する傍ら大学講師(国際法、人権、異文化コミュニケーション)をしています。現場経験を若い世代に伝えながら彼らと気候変動等の社会課題について話し合っています。

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在外二十五年。人道・開発支援の現場経験11カ国をへて、現在オランダでコーチ、ファシリテーションの個人事業主として活動する傍ら大学講師(国際法、人権、異文化コミュニケーション)をしています。現場経験を若い世代に伝えながら彼らと気候変動等の社会課題について話し合っています。

最近の記事

オランダで胃カメラ

気になる症状があり、ホームドクター(オランダ語でハウスアーツ huisarts)のところへ行った。症状や過去に受けた胃の内視鏡検査の結果等の話をするとドクターが、 「心配だったら内視鏡検査受ける?」 と言ってくれた。正直なところ、えー、こんなに簡単に受けさせてくれるの?と思った。 すぐに手配をすると近隣のクリニックで一ヶ月後の予約が取れた。それが今日。 検査前6−8時間は食事をしない、2時間は水も飲まない、ということでお腹を空かせて向かう。 クリニックに着くと、受付

    • レ・ミゼラブル 本とミュージカル(2)

      本を読むことにしてからまず考えたのは、全編版にするかそれとも物語部分だけに限った簡略版(?)にするか、ということ。ヴィクトル・ユーゴーの原作は「物語の筋とは直接関係のない歴史的事実の記述が多い」と言われていることを通説として知っていたから。 それぞれの翻訳本のレビューなどを色々と見比べた上で最終的には新潮文庫の全編訳に決めた。最初は「物語が好きなんだから本筋だけの本でいいんじゃないか?」とちらっと思ったりもしたが、「内容が削られていてはユーゴーの書いた本とは言えないだろう」

      • レ・ミゼラブル 本とミュージカル(1)

        先々週、ロンドンで「レ・ミゼラブル」のミュージカルを観た。三度目。 このミュージカルと、ヴィクトル・ユーゴーによる原作の日本語訳について何回かに分けて書いてみたいと思う。 ロンドンのミュージカルを最初に観たのは2001ー2005年頃だろうか。国際機関のフィールド勤務でロンドンとは全然違う環境で普段は生活していた時。何かの用事でロンドンに行く機会があったんだと思う。一人だった。 二度目は2019年の4月。すでにオランダで生活していた。まだ国際機関勤務で、その傍ら「本当に自

        • 世界に羽ばたくあなたへのエンパワメント・コーチング

          私のコーチングのクライアントさんは、大きく括って二つのグループがあると前回書きました。今日は、もう一つのグループについて書いてみます。   2.グローバルな舞台で、社会的なインパクトを目指している日本人の主に女性たち   自分のホームページやリンクトインといったソーシャルメディアやでは、 「世界をより平和で、より健やかにしたいと熱望している人道・開発援助の現場で働く方、また、気候変動や環境保護に携わったり、人権の保護に携わる活動家の方々、またはそのような道を目指している学生

        マガジン

        • 読書の記録
          5本
        • オランダ在住コーチのコーチング
          4本

        記事

          人道・開発援助の現場で活躍するあなたへのコーチング

          今回と次回の二回に分けて、私がどんな方を対象に、どんなコーチングをしているかについて書きたいと思います。 コーチングを始めて丸五年になろうとしています。いくつかの記事ですでに触れたように、始めてから今に至るまで、いくつかの草鞋(わらじ)を履いており、コーチングはそのうちの一足です。 私のコーチングのクライアントさんは、大きく括って二つのグループがあるのでは、と最近感じています。 1.  人道・開発援助の現場で働く方々 私自身、世界の十一カ国ほどに暮らしながら、最初はボ

          人道・開発援助の現場で活躍するあなたへのコーチング

          積読解消ーカラマーゾフの兄弟(3) オランダ人はこの傑作を知っているのか?

          先週、大学での仕事が再開した。オランダでも学校は9月始まりなので新学年度の始まり。とは言え授業開始は今週からで、先週はいわゆるキックオフのための講師のミーティングや、一年生のためのウェルカム行事などがあった。 火曜日の講師ミーティングはいつもと違うキャンパスで行われたため、夏前に燃え尽き気味のために「あと何度あそこにいく必要がある?」と不安を持って思っていた場所とは別のところ。 この場所に行くのにトラムに乗っていったのだが、そのトラムはいつも下車する大学の駅と同じ路線。そ

          積読解消ーカラマーゾフの兄弟(3) オランダ人はこの傑作を知っているのか?

          積読解消ーカラマーゾフの兄弟(2)

          今回の夏の旅行はオランダの自宅から車でドイツのニュルンブルグ、スロベニアのルブリヤナを経由してクロアチアのプラで過ごし、帰りはチェコのプラハを通って帰ってくる、というものでした。 最初の日は、夫の運転する車の中で去年の夏にフランスへの旅行中に読んだ「語学の天才まで1億光年」をキンドルで流し読み(二度目なので)し、改めてフランス語やスペイン語を勉強し(直しーフランス語)たい!「レミゼラブル」や「百年の孤独」を読みたい!と熱を上げていました。後者は英語訳を自宅に持っているので(

          積読解消ーカラマーゾフの兄弟(2)

          積読解消ーカラマーゾフの兄弟(1)

          今回は二週間の旅行中に読了した本と、その本にまつわる思い出について書きたいと思います。 ドストエフスキーの他の作品は高校生か大学生の時に読みました。「罪と罰」、「貧しき人々」は確実に。「白痴」は定かではないのですが。一方、なぜ大作「カラマーゾフの兄弟」を読まなかったのかは自分でも謎です。 覚えているのは、大学二年生の時の出来事。 「ラテン語」のクラスを覗いたことがあったんです。「覗いた」というのは、ラテン語を取ることが必須でもなんでもなかったので、「無理そうだったらいつ

          積読解消ーカラマーゾフの兄弟(1)

          国際コーチング連盟からPCC認定🥳

          PCC、Professional Certified Coach レベルの要件の一つであるコーチング経験500時間に達したことは前回書いた。達した直後に国際コーチング連盟のサイトからPCC認定審査の申請をしたのが二週間の旅行に出る直前。旅行に行っている間に試験の連絡が来るといいなあ、そうすれば八月後半に本格的に大学の仕事が再開する前に試験を受けられるなあ、と思いながら出かけた。 前回書いたバーンアウトのこともあってこの旅行中は大学の仕事のメールはもちろんのこと、自分の仕事関

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          燃え尽き状態のコーチがコーチングする

          先日、コーチング実施500時間に到達した!   この数字の意味については少し前に書いた。   この半年(というのは本格的に500時間を目指し始めたのが一月下旬なので)、結構自分を追い詰めていたことが今になって良く分かる。二週間前に大学の一年が終わって仕事が夏休みに入り、日々コーチングに集中できるようになって感じるのは「コーチングだけやってるのにそれでもこんなにも時間がないのか」だ。一日数回のセッション、それぞれ前後に振り返りをしたり、コーチー(クライアント)さんのことを考えて

          燃え尽き状態のコーチがコーチングする

          コーチング500時間への道のり

          国際コーチング連盟(International Coaching Federation - ICF)によるコーチの認定レベル三つのうち、私にとって次のレベルに当たるのがプロフェッショナル・サーティファイド・コーチ(Professional Certified Coach - PCC)というレベル。 現在のレベルであるアソシエイト・サーティファイド・コーチ(Associate Certified Coach - ACC)は100時間のコーチング経験を有していることが条件の一つ

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          パレスチナ人の思い出

          二週間くらい前のこと。しばらく心が「ざわざわ」しているなあと感じていました。 ヨルダンに住んでいた二十年前の写真を急に見たい気がして引っ張り出し、キング・フセイン・ブリッジという国境を越えてイェルサレムに行った時の写真も含めてながめていたら、心臓がドキドキし、胸が苦しいような感じになりました。 中東で起きていることが「ざわざわ」の理由の一つだということが自分にはっきりと分かった瞬間でした。 時をほぼ同じくして咳風邪をひき、しばらく喉の調子をわるくしていたのですが、心のざ

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          人道支援者のメンタル・ウェルビーイングって

          「心の健康状態」などと訳せる言葉でしょうか。英語のままだと、なんだか大袈裟にも聞こえるかもしれませんが・・・。 最近、リンクトインにこんな記事を書きました。ニュー・ヒューマニタリアンというニュースメディアのポッドキャストに感化され、人道援助のフィールドワークをしていた時代に経験したことに照らし合わせて書いてみました。 上のどれも英語なので日本語でかいつまんでお話しすると、こういうことなのです。 私は開発・人道援助の「現場」に合計で十五年くらい勤務したのですが、中には後で

          人道支援者のメンタル・ウェルビーイングって

          オランダはデン・ハーグから

          その昔、「ザ・ヘイグ(The Hague)で仕事している、なんて言えるようになったらかっこいい!」と言っていた友人がいました。もう二十五年以上前のこと。イギリスで人権の勉強をしていた頃のことです。 オランダ語で Den Haag ('s-Gravenhage) というこの街には、国際司法裁判所をはじめとして幾つかの国際司法機関があり(当時はなかった国際刑事裁判所も)、国際人権を勉強している学生にとってはある意味で憧れの場所だったのでしょう。 友人が何かのきっかけでそう言う

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