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ローマ大修復中!聖年Giubileo2025へ向け、ローマもバチカンも街そっくり丸ごと急ピッチで工事中🚧✨の話

7月に入り、2024年も下半期突入。
今年も残すところ半年。

いつもの7月ならのんびりバカンスモード⛱️ のイタリアだけど、
今年のローマはいつもと違う!!!

今年12月から始まる聖年ジュビレオに向け、
街は丸ごと、急ピッチで修復やら工事中やら、大わらわで準備中🚧💦

まるで一夜漬けでテスト勉強中の受験生。。。笑

「だから言ったじゃない。もっと早くから準備しとけばよかったのに」


・・・と言っても、

「Giubileo2025文化財の修復プログラム」の工事計画は、2023年に3億5900万相当で入札されたとか、Giubileo2025に費やされる予算は40億ユーロ😳!とも、ニュースになっていたので。。。昨日今日始まったわけじゃないんですけどね。そうだったらイタリアっぽくて話のネタにはなるけど、イタリア人はやるときゃやるんです!笑


「イタリアらしいな〜」とひとつ付け加えるなら🎵
西暦2000年、前々回の聖年ジュビレオの時に構想されてた道路工事プロジェクトがありまして(上の写真の場所)、それが25年の時を経て、再度開発中だとか・・・🚧✨

東京には及びませんが、
ローマの街も時代と共に変わっていきます🍂



Giubileo2025ってなに?

聖年Giubileoとは、カトリック教会が定める「ローマに巡礼者に特別の赦しを与える」とする年である。教皇ボニファティウス8世が1300年を聖年と定めたのが始まりで、以後おおよそ25年ごとに聖年とされた。

ミレニアムの節目に当たる2000年は、100年ごとに実施される大聖年と重なり、教皇ヨハネ・パウロ2世が存命中の式典となった。その後2016年には教皇フランシスコにより特別聖年Giubileo Straordinarioが実施された。

聖年の際にはローマ4大聖堂において、普段は聖堂内側から塗り固められている「聖なる扉 Porta Santa」が開放され、巡礼者はその扉を通り4つの大聖堂を参拝する。

ローマ4大聖堂に定められているのは、サン・ピエトロ大聖堂(聖年初日に開通の儀式が行われ、4大聖堂の中で最初に開放される)、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/聖年
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の『聖なる扉Porta Santa』


ちなみに私はこの優しい構図のサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の『聖なる扉Porta Santa』が一番好きなのです✨

というかサンタ・マリア・マッジョーレ全体が好きなんですけどね。
機会があればぜひ行かれてみてください♪

そして、
このサンタ・マリア・マッジョーレの『Porta Santa』には、信徒さんをキュンとさせる✨ある仕組みがあって・・・

「さてそれはなんでしょう?☺️」

聖年Giubileoにだけ開かれる
『聖なる扉 Porta Santa』の詳しい話はこちらをどうぞ




と言うわけで

今年のローマの夏は☀️🍉
どこもかしこも白と黄色の工事幕だらけ。。。

⚪️🟡はバチカン市国の国旗カラー🇻🇦


夏場は避けたいローマ中心部の観光地。
今年の夏は特にザワザワ・・・工事に人々の喧騒に、ただ街中を歩いてるだけでいつも以上に何だか気が急いてくるし、歩いてるローマっ子たちもなんか今年の夏はソワソワしてるように見える。

というより、
「あ〜またか〜💦」と言ううんざりのが近いのかも?

世界中からカトリック信者さんが詰めかけるし、参拝する信者さんを乗せた大型バスやら、迂回やら、通行規制やら、聖年ジュビレオの1年間はとにかく車と人で道が混む🚗💨

でも、
お祭り前の高揚感があってやっぱりワクワク!
で、すぐに訪れるイライラ。
感情の激しい高低差・・・笑




高低差といえばローマの街!
平坦な道かと思ったら、いつの間にかぐんぐん上り坂・・・💦

ローマ観光はちょっとした山登り。
7つの丘陵をめぐるハイキング🌳

そんな
【坂道の街ローマ〜双子と狼と7つの丘🌳トロイの木馬から始まるローマ国発祥の物語】
〜近日公開!(予定)

私が長年のアテンド経験で頭に詰め込んだローマの面白い話の数々です。
今年の夏中にまとめて書きあげたいと思います!




サン・ピエトロ大聖堂のキリスト像と12使徒


ちなみにこの聖年ジュビレオ、
私にとっては3回目・・・。

初めての聖年ジュビレオは西暦2000年の時。

100年に一度の祭典だって話だったので
「生きてるうちに体験できるなんて有難いこと✨」と、それはそれは感激した。

感激ついでに、
その時はシチリアからパパとマンマもローマまでわざわざやってきて、家族総出でバチカンのサン・ピエトロ大聖堂までお参りに行って、『聖なる扉』をくぐって神聖な気持ちになったもの。

その年は、
それこそ一人でも何度もサン・ピエトロ大聖堂に行った。

そしてその度
「一生のうちこれが最後かもな〜」と『聖なる扉』をくぐった。

それが
まさか3回も体験できるなんて・・・

ありがたいけど

でもまさか
この国にこんな長く居続けるとは思いもしなかった・・・💦


西暦2000年ってどんな年だった?


〜🇯🇵日本の2000年の流行や出来事〜
・2000円札の発行
・腰パンが学生の間で流行
・おっはー(香取慎吾)
・Qちゃん(高橋尚子)
・クイズ$ミリオネア
・サザンオールスターズの44枚目のシングル。TSUNAMI

『じぇね太郎の旅』さんより抜粋
https://generation-memory.com/generation/2000text.html

2千円札が西暦2000年にちなんで発行されたの初めて知った😳


ちなみに
その頃のイタリアはというと🇮🇹

〜イタリアの2000年の出来事 Che anno è stato il 2000?〜
ユーロ2000決勝でフランスに敗れる⚽️
・バレーボールイタリア代表ワールドリーグで優勝
・シドニーオリンピック
・フットサルワールドカップ開幕

サッカー、スポーツのことばっかりかい!⚽️


そういえば思い出す。
2000年の夏のちょうど今頃、
イタリア中が期待した『因縁の対決・対フランス戦⚽️』で辛辣を舐め、
フランス嫌悪が最高潮に達していた頃、なんとフランスのコンコルド機が墜落。。。😳
サッカーで熱くなって、負けて、勝ったフランスをこき下ろしてたら、あの夢の飛行機コンコルドが墜落して・・・。
その年のバカンス中はなんかイタリアもフランスも国葬みたいな雰囲気になってたのを何となく覚えてる。そして普段はフランスをあんなに僻んでるのに、おまけにサッカーにも負けたのに(苦笑)、そういう時には心から優しさをダダ漏れにさせて親身に哀悼できる素直なイタリア人たちが私は大好きだ!笑

NOKIA
2000年にイタリアで携帯といえば、みんなこれだった




そんな2000年、
ミレニアムイヤーに行われた記念すべき『聖年ジュビレオ』。

2000年元旦の新聞Corriere della sera
この子も今年は25歳!


とにかくその年は、西暦2000年というお祝いパワーの相乗効果で、
(サッカーは負けたけど・・・笑)
街ゆく人はみんなキラキラ目を輝かせて期待に満ちていた✨

「一緒にこの聖年ジュビレオを体験できてる幸せ感」が充満していたように思える。


西暦2000年の聖年ジュビレオの時は、
ほんともうみんな浮かれてた・・・✨

今でも嬉しく覚えてるのは、
みんな「聖なる扉 Porta Santa」をくぐると、気持ちが昂ってる人たちはそこで涙ぐみ抱き合い、ある人は扉に向かってお祈りを始め、ある人は心を込めて扉のレリーフをなぞり、扉に口づけたり、「一緒に通れて、この瞬間を共有できてありがとう」と言わんばかりに、知らない人同士も周りの人たちとしっかり握手を交わし、年配のご婦人なんかは私にもギュッとハグしてくれて挨拶のキスを交わしたり・・・鳥肌ものの特別感たっぷりだった✨

〜イタリアではミサの終わりに『Pace!』平和のキスを〜

カトリック教会のミサに参加したことがある人は経験あるでしょう
(プロテスタントもかな?どうでしょう?)
イタリアでもミサの最後に両隣前後の人と握手を交わす習わしがあります。

「Pace! 平和が共にありますように」と言いながらぎゅっと握手を交わしたり、親しい人同士ならハグして、両頬に挨拶のキスをしたり。なんとも心が温かくなる習わしがあります。

イタリアでハグする時、挨拶のキスの時、人によってはしっかり目を合わせてくれることがあります。
特に年配の人が多いかな。

照れくさいけど、日常でそんな間近で目を合わせることは皆無。
「言葉には出さない。出さなくて良い。でも大切に思ってますよ」と心が触れ合う瞬間で、私はそのジェスチャーがとても好き。

私もいつかおばあちゃんになったら、しっかりギュッと目を見て優しいハグの挨拶ができる人になるのが憧れであります。





そして時は2024年✨


すっかり聖年ジュビレオ2025 のことを忘れて、久々にナヴォーナ広場へお客様をアテンドしに行ったところ、、、

「四大河の噴水」

な!なんと!
ナヴォーナ広場の観光の目玉!
オベリスクそびえ立つ、ベルニーニの「四大河の噴水」にも『ジュビレオ2025修復工事中』の幕がぐるりと張られてしまっているでは、あ〜りまんせかー😭😭😭

ショックで写真撮るのも忘れた・・・

ちくしょー!
映画『天使と悪魔』より

ところで噴水の掃除ってどうやるのか知ってます?
デリケートな歴史的建造物✨
ケルヒャーなんて使いません✋

雨にも負けず、暑い日差しにも負けず、
何世紀も生き長られてきた歴史の生き証人の美術品。

丁寧に優しく箒を使って手作業で行います🧹
(このビデオを見るとくっちゃべりながら、結構、雑な感じで掃き掃除してるけどね。笑)

でもこれくらいの抜け感で大らかにやれば良いのだ!

ローマ・ナヴォーナ広場にある四大河の噴水が、若い世代の活動家たちによって襲撃を受けた。抗議のため活動家たちは噴水に植物性炭素を流し込んだ。市職員らによって最初に汚れた水を排出し、次に活動家が使用した木炭の黒い残留物を除去してその素晴らしさを取り戻した。

TG.7より抜粋

一生懸命ゴシゴシ洗う感じ、
『千と千尋』のお風呂掃除を思い出す♨️

千尋が掃除するお風呂が神様のためなのと同じく、
『四大河の噴水』の偶像も言わば神様の化身ですからね✨

ナヴォーナ広場『四大河の噴水』の西に位置する、
私たちアジアの象徴「ガンジス川」の像。

龍を従え、舵取りのオールを持ち、大きく蛇行する川をも軽々と悠々と超えていくような体躯とポージング!遥か遠くを見定める様子は4体の中で一番カッコいい!




サン・ピエトロ広場の回廊

と言うわけで、

来年2025年は
キリスト教の聖地ローマはお祝いの1年『聖年Giubileo』となります✨

聖年ジュビレオは、
2024年12月8日『マリア様の無原罪の御宿りImmacolata Concezione』のミサから始まり、

クリスマスイブ(キリスト生誕の日)、サン・ピエトロ大聖堂の「聖なる扉 Porta Santa」をローマ教皇が解放し、本格的に巡礼の年『聖年ジュビレオ』が始まります。そして翌年の12月まで1年間続きます。

「聖なる扉 Porta Santa」を開けるローマ教皇


この1年は、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂を中心に様々な宗教儀式やイベントが盛りだくさん!

只今、絶賛修復中のローマの歴史的建造物やモニュメント✨
経年の積もった汚れをきれいに洗い流し修復され、

来年、また本来のピカピカの状態に戻ってお披露目されるのはとても楽しみです♪


聖年ジュビレオのイベント日程

カトリック中央協議会
https://www.iubilaeum2025.va/en/pellegrinaggio/calendario-giubileo.html




それに伴い、
現在ローマの至るところで道の整備工事や、建造物や美術品など、大規模修復に入っています。

公式によると、3,200万人のカトリック教徒巡礼者が「聖なる扉 Porta Santa」をくぐる予定で準備してるそうな。。。どんだけッ!

そのため残念ながら2024年秋冬まで〜見学できない修復中のモニュメントや美術品がいくつかあります。

バチカン市国、サン・ピエトロ大聖堂
・ベルニーニ『バルダッキーノ大天蓋』〜丸屋根・クーポラに登れば、かろうじて上部から見れますが、全体的に幕が掛かっていて全体像は見えません。
・ミケランジェロ『ピエタ像』〜この像があった一角がそっくり幕が掛かっていて、実物は修復中でありません。

噴水
・ナヴォーナ広場 ベルニーニ「四大河の噴水」〜中が見えるように4面それぞれに小さな窓がある幕が掛かっています。でも水も抜かれています。

コロッセオ
・周辺は横断幕だらけなので、綺麗にコロッセオの全体写真を撮りたいなら高台へ!メトロ改札入口の右手に石畳の階段があります。そこから上に登るった場所が有名なセルフィー写真スポット。覚えておきましょう♪

パンテオン
・広場のオベリスク周りが工事中

などなど、などなど・・・
近々でローマ旅行を計画中の方はどうぞご留意ください。




日本でも『聖年Giubileo』を体感できるかも?!大阪万博のバチカンパビリオン

2025年日本国際博覧会へのバチカンの参加が公式に発表された。

バチカンは、イタリア館の協力のもとに、文化イベントや展覧会用のスペースを通して「大阪・関西万博」に参加する。

バチカンのパビリオンは、「美は希望をもたらす」をテーマに掲げる。

展示、芸術的な造形、独自の視点を通じて、精神的刷新を分かち合う未来へと歩む人々を結びながら、美がいかにして希望の触媒となりうるのかという考察へと招く。さらに、このテーマは、2025年の聖年のテーマ「希望の巡礼者」と融合し、両イベントを結ぶ橋としての役割も帯びている。

コロッセオがモチーフ?




さらに・・・

バチカンパビリオンの注目展示物決定!カラバッジョの「キリストの埋葬」が日本に来るよ!

ローマ教皇庁(バチカン)は19日までに、2025年の大阪・関西万博にバチカン美術館が所蔵するイタリア絵画の巨匠カラバッジョ(1571~1610年)の成熟期の代表作「キリストの埋葬」を出展すると発表した。バチカンの展示は「美は希望をもたらす」がテーマ。

毎日新聞2024/4/20


「キリストの埋葬 Deposizione」はコレ☟✨
まさにカラバッジョ!絵画のオペラ!なんてドラマティック!

カラヴァッジョ「キリストの埋葬」1602-1604
ローマ、バチカン美術館所蔵

ヴェルデさんお借りしました。ありがとうございます✨



「エキスポには行かないよ!」
「でももっとじっくり近くでこの絵を見たいよ!」
と言う方はバチカン美術館の公式サイトに行きましょう🎵
質感までかなりリアルに見れますよ。
 ☟☟☟

色合いと陰陽を用いて、三角に斜めに構図を取り奥行きを感じさせ、そこから自然と下方に描かれたキリストに目を惹きつけるバランス感の素晴らしいさ!そして上手く取り入れられミケランジェロへのオマージュ。キリストの足を持つ中年のニコデモ(このおじさんはミケランジェロを模している)とサン・ピエトロ大聖堂のミケランジェロ作の『ピエタ像』との繋がり・・・とかとか・・・全部が繋がってくるから・・・書きたいことが尽きない・・・けど、オタク熱はこの辺までにしておきます。それぞれのエピソード、ほんと面白いからいつか書いておきたいな。。。。。

Grazie! この作品を選ぶバチカン市国の心憎い演出🙏✨

大阪エキスポの目玉作品として、この作品を選んだバチカン市国。
演出が心憎い!『たった1枚の絵の出展』そこに意味を持たせるあたり!いや〜深い!ぜひ機会がある方はこの作品を見て、カラヴァッジョのミケランジェロへの畏敬の念を感じてください(作品の真ん中にニコデモ/ミケランジェロを描き込むあたりの演出、まさにミケ愛!)そしていつかサン・ピエトロ大聖堂のミケランジェロが作成した『ピエタ像』も実際に見に行ってみてくださいね。

サン・ピエトロ大聖堂、ミケランジェロの『ピエタ像』
分かるかな〜?
このカラヴァッジョのミケさんへのリスペクト❤️オタク愛
キリストのポージングを真似てるんですね!
同じくミケさんへのオタク愛を作品に残してるのはラファエロ・サンティ
ほらね、これもキリストの構図が同じでしょ?
イタリア美術はエピソードを掘れば掘るほど面白いのです✨

💁Grazie di essere venuti a leggere.
読んでくれてありがとう!
✨良い1日をお過ごしください✨


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