レゴ®︎シリアスプレイ®︎が100年時代の行動戦略に寄与できること
前作に続きベストセラーになった『LIFE SHIFT2』では、人生100年時代の到来を見据え、これからの成人の学びのあり方とポイントが語られている。
これまでの社会における教育の中心であった社会に出る前の若年層向け教育とは異なり、成人の学びのあり方においては考慮すべき事柄が増えてくる。より具体的には、それまでの経験(職歴)、置かれている人間関係、生活状況、年齢(生物学的な変化)などが絡んでくる。これに、その時代や社会ごとに求められている仕事やそのベースになるテクノロジーが考慮すべき要素として加わってくる。
こうしたことを考慮するということは、さまざまな要因を長期的な視野のなかで考えるという意味で『LIFE SHIFT2』の副題にあるように「キャリアの戦略化(行動戦略)」が起こっているともいえる。
戦略となるということは同時に、学びの個別化が進むということになる。簡単に言えば自分に最適な学びを設計できるかどうかが、成功へと至るための最初の関門になる。
自分に最適な学びを考えるために考慮すべき事柄が多いということは、先ほどにも指摘した。そして単に考慮事項が多いだけでなく、組み合わせにくい異なる観点を同時に考慮して決めるということでもある。自らの職歴と生活と年齢と技術変化などを同時に考えていくなかで、何が学びたいのか、どう自分がありたいのかへと昇華させていかねばならない。
レゴ®︎シリアスプレイ®︎にできそうなこと
レゴ®︎シリアスプレイ®︎では、多様な属性の概念を同じブロックという表現の中に反映させることができる。感情や価値観や行動や障害や制約条件や他者などを一つの作品の中に同居させ、それらの関係性を比較的容易に表現することができることに長所がある。以下のような複数の問いに合わせてモデルをつくり、作品にまとめてみてそれを眺めながらお互いに対話をしてみるというのは一つの方法である。
①これまで私が職歴の中で積み上げてきたことは何か
②これまで私はどのような人々と関係を築いてきたか
③〇〇年に私が抱える生活上の制約とは何か
④〇〇年には私が注目する業界や企業の求める人材像はどうなっているか
⑤〇〇年にはどのようなテクノロジーが影響を与えてきそうか
⑥〇〇年ごろに重要視される社会問題とは何か
実際に上記の問いに合わせてモデルをつくってみると、以下のような作品ができた。上記の⑤の問いのモデルは作ってみると④や⑥に表現が重なったので除外した。
次に、これらの配置を探ってみる。①〜⑥のそれぞれの「問い」が相互に関係性をもっているので、それが反映される感じでもある。
配置を探っていく中で、なんとなく私が学ぶべきものが浮かんできたのでブロックに意味を込めておいてみた。下の写真の青枠のところである。
実際にここから具体的な行動に移れるかどうかはまた別であるが、大きな学びの方向性を見出すように思考を持って行くことはできた。
あとはワークシートなどでアクションの具体的な計画に落としていくのが良いだろう。レゴ®︎シリアスプレイ®︎は、数値や日数などが絡む具体的な計画を表現するのにはあまり向かないので組み合わせが重要だ。
また、未来のテクノロジーや予想される社会問題などの先行きに関する情報の事前のインプットが重要だということも改めて感じた。複数名でお互いに話を聞いて質問し合うことがレゴ®︎シリアスプレイ®︎のパワーを倍増させるので、そのようにするときには、さらに参加者同士で手分けをしてこれからの時代についての本を読んできてもらうのも良いだろう。
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