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思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(19)「赤信号・黄信号」
今回はこの本の中で紹介されている「赤信号・黄信号」という思考ルーチンをとりあげる。
この思考ルーチンの狙いは、主張・アイデア・結論・一般化などに対して真偽を求める姿勢を育てるためにある。
ここでいう「赤信号」は立ち止まって真偽を確かめるという行動の暗喩であり、「黄信号」は少しゆっくり考えたり、時間をおいて意見を吟味するという行動の暗喩である。
進め方の一例は以下のような感じになる。
(1)ある題材について何らかの資料を与えて目を通させる。
(2)「赤信号は何か?黄信号は何か?」と問いかけ、資料などに色(赤・黄)でマーキングさせる。「青信号(問題なしの暗喩)」も設け、その部分に青でマーキングさせるのもよい。ここは、個人で行っても、ペアで行ってもよい。
(3)赤信号と黄信号のリストをグループでリスト化させる。赤や黄をつけた理由について話させる。
(4)全体で赤や黄のリストを共有し、そこからどのようなことが言えるかどうか考えさせる。
この思考ルーチンの導入の際には、なんでも「赤信号」「黄信号」としてしまうような、極端な懐疑主義的態度に子供が落ち込まないように注意する。あらゆることは疑うことができるため、子供によっては、疑うこと=いいこと、のように単純にとらえて、逆に思考が固くなってしまいやすいという。
このような場合には1か所ずつなど、信号を付けることのできる場所を大きく限定させることが有効である。これによって、重要なのは何かを疑うことではなく、「何についての真偽を確認することが最も価値があることなのか」を考えることだということに気づかせやすくなる。
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「赤信号・黄信号」
レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのワークにおいては、そこに出てくる意見などは基本的に否定しないで受け止めることを大事にする。
その点からみて、モデルとそのストーリーを聞いたのち、あなたの主張は「赤信号」だとか「黄信号」だということを直接、ぶつけるのはそぐわない。
ただし、相手の主張をすべて「そうですね」としてしまって、そこから話が深まらないというのでは、対話の場になっていかない。
対話の場で本当に重要なことは「そうですね」ではなく、相手の話のどこが最も重要だと感じたか、どこをもっとじっくりと聞いてみたいかを積極的に示すことにある。
そのような観点でいえば、「あなたの話のこれについてそう考えた根拠をさらに聞いてみたい!」というところに赤ブロック、「あなたの話をさらにじっくり聞いてみたいのでもう一度説明して!」というところに黄ブロックを置く、というのがこの「赤信号・黄信号」の狙いを反映した一つの工夫として考えることができる。