本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎(LSP)のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
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「U理論」は、本書の日本語訳をはじめ、入門書もいくつか出版されている。
まずは、本編である。
本編がかなりのボリュームで、少し理論の骨格がわかりにくい方には、ポイントがよく整理されたエッセンシャル版がある。
著者以外による入門書では、翻訳にも携わっている中土井氏の著作がわかりやすい。
そして、こちらは、『U理論』の続編にあたる本でU理論を使ってどう世界を変えていけるかについて描いている。前著のU理論を読まずに、書いてあることを理解するのはなかなか難しい本である。
第2版の日本語訳が2017年に出て、絶版にならずに、日本でも販売が続いているということからも、一定数の支持があることは間違いないだろうが、その広がりはかなりゆっくりで、「U理論」の名前を知らないという人が多いというのは、日本でもあまり変わらないだろう。
現代が、ますます未来を創造することが求められる時代になっていることに賛同する人は多いだろう。
そして、ポイントは、過去の繰り返しから脱することにあるということも、賛同する人は多いのではないか。
知らずのうちに自分自身に染み込んだ考え(習慣的思考)に対する「観察」「内省」「テストと調整」という3つの段階は、それぞれレゴシリアスプレイによって促進される。
自分の考えについてのモデルを作ることによって「観察」がしやすくなり、参加者同士でモデルに問いかけることによって「内省」が深まる。
そして、その考えをどう変えれば新たな考えに至るかについてモデルを動かしてみるというプレイが「テストと調整」に重なる。うまくいかないこともあるが、机上のプレイにはトライし失敗できるという特権がある。
さらに、U理論では、これらの一連のプロセスのうち特に「観察」と「内省」は「瞑想状態」に近い感覚で進めることが望ましいとされる。これは、レゴシリアスプレイにおいてはファシリテーションのポイントである「フロー状態」に持っていくという点に重なる。
「フロー状態」については、以下に関連する記事を上げておく。
まとめると、レゴシリアスプレイメソッドのファシリテーションは、U理論のプロセスを意識することで、より変革の力をあげることができるといえよう。