誤解を生む 曖昧表現 「考えてみます」
「翻訳ソフトやAIの手助けを借りれば、英語を学ぶ必要はない」といった極論が話題になっていたりしますが、本当にそうでしょうか?
確かに便利ですよね!でも、全て頼り切るということはきっとないでしょうね。
一方、「補助」としてソフトやAIを使っている英語学習者は、ミスを犯しがちなポイントを知ることで、円滑なコミュニケーションが図れると思います。
今回は、日本語特有の曖昧表現をサクッと取り上げてみます。
次の会話(Aはアメリカ人、Bは日本人)を読んで、何が曖昧表現なのかを少し考えてみてください。
A: Could you do me a favor?
B: Sure, how can I help you? [OR what is it?]
A: I am wondering if you would help me make presentation slides for my group project by ….
B: [Well, I am not good at making slides, but] I will think about it.
そうです! Bさんはどのような意図で、最後の "I will think about it." を
発したかがポイントです。
「考えてみます」「少し考えてみます」を翻訳ソフト等で英訳すると、確かにI will think about it. という表現が出てきます。でも、この表現のニュアンスを知らずに、ビジネスの場面で使ってしまうと、相手を怒らせて交渉決裂?などということになりかねません。よく使われる表現ですが、実は注意が必要です!
上の会話表現では、[ ]内のWell,…. があることにより、「プレゼンの資料を作るのは得意でない」ので、少々否定的に I will think about it. を使っていると理解することもできますが、「やんわりと断りの意味」を込めてこの表現を使っているなら、きっと伝わりません。
とりわけ、I will think about it. 単独では、「建設的に考えてみる」というニュアンスになり、Aさんは「手伝ってくれる」と期待することになってしまいます。
「少し考えてみます」とか「善処します」等の表現は、日本語をベースとする話者の間では、「否定のニュアンス」を汲み取ることができますが、翻訳ソフト等の「直訳」では失敗する可能性が高いのです。
同様に、よく native が使う "I will sleep on it." も「建設的に考えてみる」という積極的なニュアンスなので、日本語で「夜に考えてみるね」という「軽い」感じで(英語らしい表現で好き!)、サクッと使うのは控えたほうがいいかもです。
最後に、上の会話に続けて、What do you mean by that? や When are you going to tell me if you could help me? 等の follow-up questions が、Aさんからあれば、誤解をさけることができます。
また日本の文化に少し明るいAさんなら、Is that JAPANESE "I will think about it" or AMERICAN meaning? と聞き返してくれるので、"JAPANESE" と回答すると、「やんわりと断る意図」が伝わってしまいますが、誤解は回避できます。ただし、ビジネス場面では、「真摯さを欠く」とジャッジされてしまうので、注意が必要です。
翻訳ソフトやAIはとても役立ちますが、微妙なニュアンスを知らずに「直訳」をそのまま使っていると、失敗することがあります。
Thank you for reading through this post. I will talk more about such mistakes in our daily and business conversations! See you in a bit.
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