「私書箱110号の郵便物」(イ・ドウ)
韓国で2004年に出版された小説で、邦訳が2023年に出版されました。
読み終わってから数日経ち、余韻が薄れつつあるのが残念なくらい、主人公たちに感情移入して、彼らになって生きてみたいと思わせてくれる小説でした。
主人公たちの恋愛模様がメインテーマではあるものの、彼らが働くことや人を愛することについてどんなことを考えて生きているかを、丁寧に追った小説だと感じます。
この小説の好き嫌いについては、作者の丁寧な心理描写と柔らかな文体を除くと、主人公のコン・ジンソル(31歳・ラジオ番組作家)とイ・ゴン(33歳・ラジオ番組ディレクター)のキャラクターに共感または魅力を感じるか、というところで分かれるかと思います。
私はどちらのキャラクターの中にも自分自身と重なる部分があったので、少しずつ大事に読みたいのに、先が気になりすぎてほぼ1日で読み切ってしまいました。
で、訳者あとがきにもあるのですが、この小説は韓国で43万部売り上げるベストセラーで、20年間も人気でありながら実写化されておらず、「誰が適役か」という話題でしばしば盛り上がるようです。
この小説の登場人物は、サブキャラのソヌやエリ、ヒヨンについては外見の描写がある程度あって、大体こんな見た目かなーと読者がそれぞれ何となく想像できると思うのですが、肝心の主人公たちジンソルとゴンについては、容貌や身体的特徴がほぼ描写されていません。
そこで、訳者さんや韓国の読者間で主に挙げられた俳優陣をチェックしてみたのですが、私にはどなたもまったくぴんと来ず。
何故かと考えてみると、ジンソルもゴンも私の中では芸能人のような華のある見た目であってほしくなく、あくまでそこらへんに実在していてほしいイメージだからという気がしました。
とは言えゴンは優秀で、どうやら女性にもてそうな人物(しかも詩人)であるため、10人中6人が「どちらかと言えばイケメン」と評するタイプなのかなと思います。
対してジンソルは地味で化粧っ気もほぼないようだし、あえて外見で目立たないようにしている女性なのかなと。
そんなジンソルの、ゴンに対する思いにぴったりだと思った曲がこちら。
このMVを観てあれ?と思ったこと。
…HANROROさん、私の中のコン・ジンソルのイメージにぴったり。
小柄なところとか、お顔の造作が小造りで小動物ぽいところとか。
あと、何となくジンソルは声が低めだけどかわいいんじゃないか(イ・ゴンは彼女と会話する中で、そこにも惹かれたんじゃないか)と想像していたので、そこもぴったり。
…こんな外見で、一生懸命鉛筆削ってて欲しい。
そう思って同曲のパフォーマンス映像も観てみたら、さらに髪型も服装も私がイメージするジンソルそのもののHANROROさんがいました。
HANROROさんにより私の思うジンソルが具現化されて、すっきりしたというか、非常に満足感を得ました。笑
いつかゴンな人も見つけられるだろうか。もし見つけたら、こちらに追記します。
ということで、もしこの小説が実写化されるのなら、私はこの"자처 (Even if you leave)"をOSTに、かつHANROROさんにジンソルをやってほしいです。