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管理職としての葛藤が生んだビジネス―女性リーダー特化メンターサービスへの挑戦
當間 奈津子(とうま なつこ)さん
東京都在住
40代
株式会社リクルートに契約社員として中途入社。営業経験を積み、リーダーを経て、正社員登用と同時にマネージャーに。副業に関する相談を細野にしたのをきっかけに、2023年Fukusenに加入。現在は独立し、フリーランスとして活動中。自身の経験から女性管理職の成長と活躍を支援したいと、女性リーダーのためのメンターサービス、Empower_HERを起案。現在、複数社にサービスを展開中。
女性管理職として、もがき苦しんだリクルート時代
25歳の時、契約社員としてリクルートの営業職に中途入社しました。頑張れば頑張るほどお客様は喜んでくれて、会社でも褒められ、仲間との絆も強くなる。働く楽しさに目覚めた、私にとって初めての成功体験でした。
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その後、リーダーとしてメンバーを7−10人ほど見るようなり、30代になってすぐにマネージャー職への打診がありました。正直、管理職への興味はゼロ。周りはプロパーのエリートばかりだし、契約社員で入社している自分にできるわけがないと思っていました。でも上司の期待を裏切りたくないという理由で、覚悟もないままマネージャーになりました。
ちょうどこの頃、プライベートでも人生を揺るがす出来事が起こりました。定年退職を目前に控えた父が、末期がんで余命宣告を受けたのです。一刻も早く父に孫の顔を見せたい。夫と相談して不妊治療を決めました。
仕事ではマネージャーとして大きな営業目標を抱えながら、プライベートでは辛く苦しい不妊治療がスタートしました。この状況を誰かに話したくても、周りの管理職は男性ばかりで言い辛く、きっと話しても理解されないだろうと思っていました。上司にも、がっかりされるのではないかという不安もあって、相談できずにいました。
早く成果を出さないと、上司の期待に値する人間であることを証明しないと。プレッシャーとストレス、不安におしつぶされそうな毎日でした。
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「こうあるべき」から「こうありたい」へ。思考を変えたら、仕事と人生が好転
それでもなんとか一歩、また一歩と試行錯誤を繰り返すなかで、成功体験も生まれてきました。
これまでの私は、完璧な理想のマネージャー像に縛られていました。でも、大切なのは、自分がどういう組織を作りたいか。顧客や仲間に何を価値として返すのか、そのために何に挑戦すべきかを考えました。
私が作りたいのは、絶対的な心理的安全性がベースにあって、みんなで同じ景色をみて冒険し、自分と周りを愛せるチーム。そういうチームへと成熟できれば、顧客にも必ず価値を提供できるはず。
そこで、自分の考えをみんなに話しました。隠していた不妊治療のことも打ち明けました。すると思ってもいなかった反応や声がけをもらい、それが原動力になってチームが一つになっていきました。
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次第に、自分なりのマネジメントスタイルも見えてきました。当時の営業部の共通認識は、「数字をあげるにはマネージャーの営業同行が必須」。でも私は、営業同行をしないことに決めました。
それよりも、メンバーひとりひとりの強みをベースに役割を振り分け、任せることに注力しました。マネージャーの私が前に出なくとも、みんなが同じ営業の仕事でも、それぞれの弱みを補填しあえる状態を目指してチームビルディングをました。
結果、業績はあがり、チームの一体感は高まりました。自分のマネジメントの強みが、前に出て大きな商談を取り率いていくリーダーではなく、個々の強みをじっくり観察し、その相乗効果を狙うことができる「コーチ」にあることを発見しました。
仕事がうまく回り始めると、プライベートの悩みもだんだんと吹っ切れていきました。子供ができないならできないでいい。父にもそう伝えようと決めて、不妊治療を辞めました。
結局、自分を苦しめていたのは「こうあるべき」という思考でした。ありたいゴールに向けて、目の前の課題解決に集中したら、仕事も人生も好転し始めました。
その後、奇跡的に子供を授かり今では二児の母に。父が亡くなる数ヶ月前に孫の顔を見せることもできました。
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こうした経験から、管理職になりたがらない女性たちの代表として、戸惑いながらリーダーの役割を引き受け、立ち上がりに苦戦している管理職の助けになりたいと感じるようになりました。
リクルート時代、副業の相談をしていた細野さんが主催するFukusenに加入し、週次ライブに案件を持ち込みました。
女性リーダーの内省スピードを早め、活躍を支援するEmpower_HER
Fukusenでは女性リーダーを支援するtoC向けのビジネスを起案し、SNSでの情報発信をスタートしました。私自身の失敗談を中心に、スキル面とマインド面での情報発信を行いました。余裕の作り方、プレッシャーの受け止め方、上司やメンバーとの関係性構築やコミュニケーション、マネジメントのイロハに関する情報です。
発信から4ヶ月が経った頃、複数のリーダーやマネージャーを対象に壁打ちをするようになりました。
一緒に課題を整理したり、解決策を練ったり。目の前に立ちはだかる壁の受け止め方や乗り越え方を、1on1セッションという形でお伝えし、伴走しました。かつての私が欲しかったのも、まさにこうした「メンター」の存在でした。自分の味方になって、何でも話せる話し相手です。
セッションを通じて思考が整理され、その人が持つ本来の力を発揮できるようになる姿を見て、確かな手応えを感じました。でも、拡販は思うように進まず……。
週次LIVEで相談すると、細野さんから「toB向けのビジネスにしてはどうか?」とアドバイスをもらいました。確かに女性管理職の問題は、個人の問題であると同時に、企業が向き合うべき問題でもあります。企業からお金をいただくのは理にかなっています。
そこで、企業と女性管理職20名を対象にインタビューを実施。ニーズを確認したところ、「本音を語れる相手がいない」という管理職の抱える孤独感が浮き彫りになりました。
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本音で何でも相談できるメンターの存在で、救われる人がいる。サービスのコンセプトが固まりました。女性管理職の日々の悩みや業務の壁打ちを1on1で行い、思考のバイアスを取り除く。たくさんの失敗をしてきた私を等身大のモデルとしてもらいつつ、課題解決のスピードアップを支援し、内省サイクルを早める。結果としてその人が本来持つ力を発揮できるようになる、女性に特化した管理職の成長支援サービスです。
サービス名称をEmpower_HERとして、今年(2024年)の5月から、本格的にサービスをスタートしました。20代から50代までの女性リーダー、部長、役員に月2回の1on1セッションを実施していますが、サービスはそれだけには留まりません。
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本人はもちろん、上司や経営・人事にも働きかけて女性管理職を支援
Empower_HERが目指すのは、女性たちが持つ本来の力を取り戻すこと。自分らしくリーダーとして活躍すること。そして、様々な女性リーダー像を作ること。そのために必要だと判断した場合は、組織への働きかけも行っていきます。
例えば、メンティの上司に「最近いつ彼女を褒めましたか?どんなふうに褒めましたか?」「その伝え方では、伝わらないかもしれません。こんなふうに伝えたらどうですか?」と、アドバイスをしています。
私という第三者の存在を通じて、彼女たちを取り巻く上司や組織も、少しずつ変わっていく手応えを感じています。
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1on1セッションを受けたメンティからは、嬉しい声をたくさんもらっています。一番嬉しかったのは、「同じことを相談しても、男性上司からは得られないアドバイスをもらえて、本当に勇気が湧いた」と言ってもらえたこと。メンティたちが私との時間を次のアクションのヒントにして、小さな成功体験を積み重ねながら自信を取り戻していく様子に、過去の自分に伴走しているような気持ちがしています。
女性たちの持つ力は偉大です。Empower_HERでは単なる社外メンターサービスではなく、女性が持つ本来の力を引き出し、彼女たちの成長とともに会社や日本を元気にしていくことを目指しています。
今後は発信力をさらに高めながら、Empower_HERをより多くの企業に展開していきたいです。
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自立のための、魚の釣り方を教えてくれるのがFukusen
Fukusenに加入して1年が経過しました。まず、大きな変化は新しい友達ができたこと。大人になると生活が会社に閉じてしまうので、新しい友達はそう簡単にできませんよね。でもFukusenでは、自分の事業をつくりたいという「同じ価値観」を持つ人が集まっているから、大人になってからの本当の友達ができる。
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そして毎週開催される週次LIVEでは、友人たちと細野さんの壁打ちを見ることができます。これ自体が、大きな学びの場です。起案する案件が思い浮かばなかったり、本業が忙しかったりという理由でFukusenを退会する人もいますが、すごく勿体ない。たとえ自分の案件がなくても、毎週聞き続けることで案件の筋はいいのか、細野さんならどう突っ込むのか、だんだんわかるようになってくるんです。
「わかる」と何でも楽しいですよね。老子の格言で言うところの「魚を与えれば一日で食べてしまうけれど、釣り方を教えれば一生食べていける」というイメージです。毎週毎週、週次LIVEを聞きながらじんわりと確実に自分の身になっていくような感覚があります。そして、これこそがFukusenの一番の価値だと感じています。
Fukusenに入って、10年後の自分が楽しみになった
昨年、40歳のタイミングでリクルートを退職しました。これからの10年で、1000万規模の事業を複数生み出したいと考えています。
細野さんの壁打ちを聞いていると、「お金儲けのためのビジネス」ではなく、「自分が生きていることを実感できるビジネス」を創ろうと教えてくれているような気がします。私自身が幸せになるために、自分らしいビジネスを立ち上げるために、邪魔をしている思考の癖を指摘してくれる貴重な存在です。
「事業を立ち上げる」ということは、自分自身の物事の捉え方やクセ、弱さと思いっきり向き合うことでもあります。どれだけ頭が良くても、どれだけ知識があっても、どれだけの強みがあっても、自分と向き合えなければ継続はできないし、うまくいかないんだろうなとわかってきました。
0から1つの事業を立ち上げるとなると、そんなに多くを生み出すのは難しいかもしれません。それでも、どれだけの事業を立ち上げられるか、その中からいくつ年商1000万規模のビジネスを生み出せるかに挑戦したい。そして1000万円の売上を細野さんに還元したいし、Fukusenの実績も作りたい。
10年前、管理職を打診された時「Will(=やりたいこと)なんてありません」と言っていた私が、今は大小問わず、いくつもの大切なWillがあります。10年後の自分はどうなっているのかなと想像して、今とてもワクワクしています。
お誘い
Fukusenファームでは「手触り感のあるビジネスがしたい」「副業で年商1000万稼ぎたい」「ビジネスは最初の一回しが大変」…。こんな思いを抱えている方に向けて、スモールグッドビジネスの立ち上げサポートをしています。ビジネスの種を着想するための基礎講座や、立ち上げ期の迷いを壁打ちする、ビジネスデザイナーによるサポート体制も充実しています。興味がある方は是非、30日無料のFukusenファームにご登録ください。
(取材・文/藤井恵)