「ちょっと」の累乗
若い先生をサポートする仕事に就く私には、2学期も、初任者研修の一環として勤務校へ訪問に行く機会があります。
訪問先の学校で、初任の先生だけでなく、校長先生や教頭先生、校内で初任者の指導にあたる先生方ともお出会いします。そして、面談だけでなく、初任の先生の授業も見せていただきます。
先日も、3人の初任の先生の授業を参観させていただく機会がありました。
3人は、ここまで講師の経験があったりなかったりで、その経験値はそれぞれ異なりますが、今できる精一杯の授業の公開に臨まれ、積極的・主体的な向き合い方に共通するものがありました。とてもうれしい気持ちに、そして、とても頼もしい気持ちになりました。
さて、
この3人の先生方の授業に共通していたチャレンジ点があります。
それは、授業における子らへの「見せ方」の工夫です。
いかに子らに見せるか、視覚的なわかりやすさをどう高めるかへの工夫です。
子らへの「見せ方」の工夫は、言い換えると、子らの顔をあげさせる工夫です。そして、それは、学習への関心や意欲を高める工夫でもあります。また、視覚的なわかりやすさは、子らの確かな思考を促す工夫にもなります。利用がすすむタブレットPCも、これを目的として活用していきます。同僚の先輩先生方にも、ぜひ見てもらいたかったチャレンジでした。
参観の中で、教室にある掲示物が目にとまりました。
数学科の授業で使用する少人数教室にかかげられているものです。
「数学の教室」らしい確かなメッセージが、そこにはあります。
紹介しましょう。
そして、その下には、
これも、子らへの「見せ方」の工夫のひとつですね。
数学の学習への臨み方を、数学的に端的に示していて、とてもいいです。
子らのちょっとした日々の努力。
そして、若い先生方のちょっとした努力。
成果は、日々のこの「ちょっと」の累乗にかかっているのです。