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わが校の図書室
学校の図書室にとって、学校司書の配置は、とてもありがたいことです。
12学級以上ある学校には、必ず1人はいるのが「司書教諭」。教員の中で司書教諭の免許を持つ先生があたります。これに対して、「学校司書」は、学校に必ず1人はいるわけではなく、自治体によって配置されていたりされていなかったりで、配置があっても、〇曜日だけ〇〇学校に、△曜日は△△学校に行く、というような配置もあります。
私が校長を務めていた中学校では、この学校司書さんの配置が曜日を限ってありました。それはそれはありがたかったです。
学校司書さんには、蔵書の管理、図書室だよりの発行、図書室の環境整備、図書委員の生徒による貸出等のサービスの補助、レファレンスなど、司書教諭の先生と連携しながら図書室の中でお仕事をしていただきました。
当時の「学校だより」にも、その充実のようすを次のように掲載しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728620894-ieG6ILtowNDz14Puj7sFkqx3.png?width=1200)
ごらんのように、新着図書や今月のお薦めの本が、目を引くPOP(読書へのいざないカード)とともに示されています。学校司書さんの手づくりです。学校司書さんのセンスが光ります。
学校司書さんによる図書室だよりは、さすがの出来で、紹介されている本を「読んでみたい!」という気持ちが高まります。
また、生徒会の図書委員とともにちょっとしたイベントも行われるようになります。例えば、先生方それぞれがお薦めする本の紹介活動。また、1月には、図書室にやってきた生徒に「図書みくじ」なるものをそれぞれ引いてもらい、図書との縁を結ぶ楽しい企画の発案もしていただきました。
日に日に充実していく図書室ですから、生徒らも昼食が終わると、わんさか図書室にやってくるようになります。来室者数も前年度からグンと伸びます。
子らがすすんで本を手にし、読書を楽しむことのできる学校づくりに尽力していただきました。学校によっては、図書ボランティアの方がこれに加わることもありますね。人の手がたしかに入ることで、たしかな充実があるのです。
こうしたご協力のもとに、どんな図書室をつくるか?
学校の図書室を、公共施設の図書館と同じようにする必要はありません。「うちの学校の図書室にはたくさんの本が整備され、日本一です」と自慢できるようなものにする必要はないということです。蔵書数が多いにこしたことはありませんが、私は、むしろその違いをこそ意識して学校の図書室をつくっていくべきだと考えます。めざすのは、オンリーワンです。
では、どうするか。
学校の図書室のあり方として、次の4点が大事です。
➀子らの学習の際にまさに必要とされる分野の図書資料やその地域・郷土に係る図書資料を重点的に整備する。
➁図書資料に限らず、タブレットPCが自由に使えたり、DVDやCDなどの多彩な情報と出会えたりできるように整備する。
➂子らが読書を楽しめる居心地のよさを追求する。
➃総合的な学習の時間などでの子らの成果をファイリングして残し、それを図書資料のひとつとして常に閲覧・活用できるように整備する。
とりわけ、「➃」に示したことについては、「わが校でしかできえなかった学びの足跡」の活用であり、後輩たちに引き継がれていくわが校にしかないお手製の図書資料を図書室におくことになります。これこそが、公共施設の図書館にはないもの、オンリーワンの「わが校の図書室」となっていくキーポイントになるのです。
読者の皆さんの中に、小・中学生のお子さんを持つ方がおられましたら、授業参観などで学校を訪れた際に、わが子の学校の図書室を見せていただいてはどうでしょうか。今、子らはどんな本を手にしようとしていますか?確かめてみてください。