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「視写」のすすめ

子らの「書く力」を高めていくための具体的な取り組みのひとつが、「視写」です。「視写」とは、書いてあるものを目でたしかめて、そのとおりに書き写すことです。

授業で使用する学習プリントの実際を、まず見ていただいたほうがわかりやすいでしょう。

「視写」を活かす教材開発の視点は、次の3つです。

1、論理的な思考の流れを持つ優れた文章を取り上げること

2、書き写させる前に「課題」をはさみ、その文章そのものの理解を引き上げること

3、子らが集中してていねいに書き写すことのできる文量に配慮すること

まず、視点の「1」で示した「優れた文章」を手に入れることが必要ですね。子らが思わず書き写したくなる文章、出会えてよかったなぁと思える内容を持つ文章。実は、これがなかなかないものなのです。常日頃から「よい文章」へのアンテナをはり、教材となるものをさぐる姿勢が必要です。このことが国語科の教師としての力量アップにもつながります。場合によっては、説明的な文章を読む授業で使用した教材から優れた箇所をピックアップするのもいいでしょう。

すぐには書き写させません。視点の「2」で示したように、書き写させる前に「課題」をはさみます。上記の教材では、文章に登場する言葉の意味を確かめる課題をはさみ、文脈の中でその意味の理解を深めさせます。この課題づくりも国語科の教師としての力量アップのトレーニングのひとつです。

上記の教材では、筆者の「思考」の流れを接続詞をあてはめることによって確かめる「課題」をはさんでいます。書き写すまえに、筆者の文章設計を確かめさせているのです。

そのまま書き写す。
これを、単なる「作業」にさせてはなりません。
中学校における「視写」は、筆者の思考をなぞらせ、お手本にできる優れた文章とはどんなものなのかを体感・体験させる活動にします。
これによって、書くことが苦手な生徒も、「手本」に触れながら自らの表現に役立てられるところにまでしたいですね。

視写教材を指導者自ら作成し、継続的に取り組むとよいでしょう。
教師自身の教材研究力・教材開発力のアップの修行のひとつとしてチャレンジしてみましょう。この視写プリントを子らにファイリングさせれば、よい教材集にもなりますね。



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