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全力を振り絞るということ。

私は札幌に住んでいるから地上波テレビではローカル番組が放送されていることが多い。

全国各地のテレビ局にはローマ字3文字の名前がつけられている。最強のテレビ局は「日本放送協会」つまりNHKだろう。

北海道の場合は札幌テレビがSTV、北海道放送がHBC、北海道文化放送はUHB、北海道テレビはHTB、テレビ北海道をTVHと呼ぶ。

まあ細かい話はどうでもいいんだけど、テレビを見ているとローカル番組に全国的知名度のある有名人がゲストで出てくることがまれにある。

北海道ローカルの「どさんこワイド」や「イチモニ」ではローカル芸能人が全国顔負けのテンションでがんばってるんだけど、この記事では「巨人」ともいうべき全国区の芸能人が出てきたときの挙動に着目したい。


全国的な知名度を持つ芸能人が、ローカルテレビに出演したときの挙動は2つのタイプに分かれる。

ひとつは「力を抜いている系」の芸能人。お笑い芸人や女性アイドルなどに多い気がする。普段は全国ネットでがんばっている芸能人たちが、北海道の地方ローカル番組に出演すると、妙に脱力している。手を抜いているというわけではないのだけど、力を抜いている芸能人は視聴者に伝わる。

もうひとつは「全力系」の芸能人。全国ネットと変わらないテンションで番組に挑んでいる。あわよくば地方で仕事を獲得したい、みたいな心があるのかもしれないが、リアクションもテンションも全力投球。視聴者としては後者の「全力系」に好感を持たざるをえない。

繰り返すが、地方ローカル番組にゲスト出演している芸能人の挙動を見ていると、彼ら彼女らがどんな心意気で番組に挑んでいるのか、ということが視聴者にきちんと伝わる。


最近すばらしかったのは、UHBのローカル番組「発見! タカトシランド」にゲストで出ていた「ハンバーグ師匠」ことスピードワゴンの井戸田さんだ。

先日は珍しく生放送で、番組は大通公園から放送されていたのだが、ハンバーグ師匠は全力投球の「ハンバーグ!」をあのビブラスラップをこれでもかと打ち鳴らし、その場を盛り上げていた。

一方で、明らかに手を抜いている芸能人を見ることもある。地方遠征とか修学旅行程度にしか考えていないのだろうかと、邪推をしてしまうのだけど。妙なこなれ感ともいうべき動きに若干の薄ら寒さを感じることもあるわけだ。


同じような構図をドラマや映画の番宣でも感じることがある。

俳優が自身の出演ドラマの番宣のために5秒くらいのあいさつをするCM的な映像が流れることがある。「UHBをご覧のみなさん!」とか「STVをご覧のみなさんこんばんは、このあと9時から〜!」とかそういうやつだ。

おそらくドラマ完成披露発表みたいな場に我が北海道のローカルテレビ局も行っていてそこで頼むのだろう。「『UHBをご覧のみなさん』でお願いします」みたいな指示をして、そうしゃべってもらう形である。

ここでも先ほどと同じ「力を抜いている系」と「全力系」の2派に分かれる。

そして統計的に、大女優、大物俳優であればあるほど「全力系」であることが多い。綾瀬はるか、吉高由里子、橋本環奈、長澤まさみあたりは全力の笑顔、もしくはその人らしいテンションで「UHBをご覧のみなさん!」と言ってくれる。

逆に、アイドルあがりなどで俳優業をやられている芸能人の方や、お笑い系の俳優の方は「力を抜いている系」であることが多い。

おそらく北海道以外のローカルテレビ局にも同じようなあいさつ動画を何度も撮らされているのだろう。視聴者はその俳優から少しの「手抜き」「作業感」を感じるわけである。


なにが言いたいかというと、どんな仕事でも、全力で取り組む姿勢は他者に好感を与えるということで。逆に、手を抜いているとその意図はすぐに伝わってしまうわけで。

特に視聴者、つまり「顧客」はその態度や努力の違いに敏感であり、結果としてその仕事に対する評価や信頼感に大きく影響を与える。

プロフェッショナルとしての心意気や姿勢は常に問われており、たとえ衆人環視の芸能人じゃなくたって、仕事をするすべての人は他者からの視線を意識したほうがよさそうな気がする、

のであります。


<あとがき>
地方のローカル番組や番宣で見せる芸能人の姿勢は、視聴者に意外なほど伝わるものです。全力で挑む人と力を抜いている人の違いは、一見小さなことのように見えますが、視聴者にはすぐにわかっちゃうんですよね。仕事に対する真摯な態度やプロ意識がその人の評価を左右します。私たちも日常の小さなことにこそ全力で向き合うことが大切です。今日も最後までありがとうございました。

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