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【素粒子】未来って現在に干渉してね?

私の解釈が合っていれば、漫画『進撃の巨人』は物語の最終盤、主人公エレンの能力で未来から現在に干渉してくるというタネが明かされる。

漫画内でのすべての行動は実は未来のエレンが意図してすべてをある終着点に導くために操っており、進行中の物語のすべての行動は操作されてのものだった、みたいな、なんかそんな感じ。

進撃の巨人を読んでいると、現実世界にいる私たち読者は「そんなことありえない」と思いつつ、作者の諫山創さんに対して、最初からそこまで想定して作っていたのか! と舌を巻くようなものなんだけども。


この発想になぜ読者が驚くのかというと「未来のある地点の自分が現在の自分に干渉してくる、ということが起こり得なさそう」という前提を持っているから、ということになる。

なのだが、その前提って間違ってるんじゃないか? と思うのである。



つまり、未来は現在に干渉してるのではないか? という話がしたい。



たとえばある日の午後にどこかで誰かと会う、という予定があったとする。これは予定なので未来に起こることである。その未来を実現させるために私たちは朝起きて準備をし、どんな洋服を着ていこうかと悩み、どんな移動手段でいけばいいかを考え、考えた通りに行動をおこなう。


もうおわかりかと思うが、これって未来の予定が現在の自分を動かしていることになる。未来に起こることに対していまの自分の行動の辻褄が合うように調整しているわけだ。


となると未来は現在に干渉しているといえるのではないか。

バックトゥザフューチャーも
未来の自分が過去に干渉してる?


逆に、その日は何も用事がないとする。すると私たちは特に行動を起こすこともなく、もしかしたら怠惰な1日を過ごすことになるかもしれない。未来に起こることが特に決まっていないので現在の自分はそれに合わせた怠惰な行動を取る。

いまの例は「今日起こること」という短期的な未来の話だったが、ではこれが中長期の話になるとどうなるだろう。


イメージしやすいものとして「大学受験」を挙げたい。

大学合格を目指して勉強する。受験当日というのは1年先とか2年先とかの先の未来である。よく「未来はどうなるかわからない」という人がいるが、この場合は「1年後に大学を受験する」という未来は確定している。

てことは未来がどうなるかはわかっていることになる。

未来の自分が困らないように今の自分が勉強する。大学受験が目的化しているとうまくいかない。さらにその先の未来を確定させる必要がある。大学に合格し、素敵なキャンパスライフを送るという未来を確定させる。そうすると今の自分の行動が変わる。

ということはやっぱり未来は現在に干渉している。


現在の自分に対して漠然とした悩みを持っている人、何か行動に移せない人というのは未来からの干渉がないからそうなっている。未来からの干渉がないからどうすればいいか悩んでいる。


なので未来を確定させれば、かつその未来が色濃く具体的であればあるほど干渉力は強くなる。干渉力が強くなれば、現在の行動も変容する。なぜ夢や希望や目標を持たなければならないかというと、干渉力を強めるためだ、とも言い換えられる。

わかりやすいのは大谷翔平くんだ。

花巻東高校のときに彼が作った目標設定シートは、もうみんなが腐るほどに見てきた。最大目標は「ドラフト1位で8球団から指名」である。これを叶えるために必要な行動は何かを細分化して考えるやつだ。


もうひとつ大谷くんの目標シートには「ドジャースに移籍」「子どもが生まれる」「サイ・ヤング賞を獲る」「MVPになる」「引退して岩手に帰る」という夢が書いてある。何歳でそれを実現するかも書いてある。

ニュースではこの目標設定シートを指して「だから大谷はすごい」という論調があるが、本当に優れているのはそこではない。なぜなら花巻東高校でこの目標設定シートを使ったのは大谷だけではないからだ。ほかの同級生、先輩、後輩も確実にこれをやっている。なのに大谷だけがそれを叶えている。


大谷の何が優れているか。

未来からの干渉力が人より大きい、という点が優れている。

おそらく未来をイメージする力が人並み外れて強い。その未来が確定しているからこそ現在時点のトレーニングなどを怠らない。


未来の自分は現在の自分に影響を与えている。プチタイムトラベルであり、もしかするとこれは時間の概念・素粒子・量子論の世界の話にもつながりそうな気がする。


年末、NHKの量子論のドキュメンタリーを見て「マジで?」と声が出るほど驚いた。

この宇宙はホログラムであるという奇天烈な学説が、先端科学者の一致した意見だというのである。いや「この宇宙はホログラムである」というと言い切りすぎだ。正しくは「この宇宙はホログラムである、という前提に立った方が計算の辻褄が合う」ということらしい。

ホログラムがよくわからない。

私たちが現実だと思っているこの世界は、どこかに映されている世界である、という考え方らしい。別の宇宙的な二次元の世界から、この三次元世界にホログラムのように投影されているのがこの世界だ、というものらしい。

映画も2次元平面のフィルムが投影されて世界を写しているような。さながら映画「マトリックス」の世界観である。まるでゲームだ。すごいのは今から2500年前のブッダが同じような結論に至っているらしい、というからあんぐりである(厳密には少し違うが)。



加えて年末年始に見た、ある文章。

「地球が普通に回ってるだけなのに、時間、年末年始という概念を勝手に作って行動を変えてる人類」

そうだな。たしかに時間ってただの概念で、目に見えて存在するものじゃないよな、と妙な納得感があった。時間がないのなら過去・現在・未来もなくて、すべてがひと繋がりだとも言える。常に過去改変をし続けながら生きているわけだ。

じゃあ仮にこの世界が本当にゲームだったとして。これがゲームだと認めたうえで、その攻略法がなんなのか? 


「未来は現在に干渉している」ということを受け入れ、その前提に立って行動を変容させる。

これをひとつの結論にしたい。



よくある自己啓発本のような話だが、未来の自分が現在の自分に干渉しているということを受け入れられたら、それを理解した上で行動できるようになるはずだ。


つまり、この世界は過去も現在も未来もぜんぶひと繋がり。私たちはみんな『進撃の巨人』のエレンと同じ能力を持っているのである。

だからいま未来を確定させよう。

未来の私たちは1人残らず大成功しているよ。


<あとがき>
時間の概念についてもっと深掘りしたかったのですが、ちょっと知識が足りませんでした。なんかこの世界ってマジでゲームなんじゃね? と思ってきて切なくなっています。それを事実と認めた上でこのゲームを最大限楽しむためにはどんなことを考えればいいだろう? と思ってこれを書きました。今日も最後までありがとうございました。

【関連】ぜんぶシステムなんじゃね? という話

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