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バーローって言ってる人、工藤新一以外に見たことない。

バーロー。

漫画『名探偵コナン』の主人公、江戸川コナン(工藤新一)が、ことあるごとに口にするセリフである。

おそらく「バカ野郎」を略しての「バーロー」なんだろうけど、私はこのセリフを工藤新一以外の一般の誰からも聞いたことがない。


そこで、


「ねぇ、バーローってさ、工藤新一以外の誰からも聞いたことなくない?」と妻に確認した。すると妻は「たしかにないかも」という返答だった。





先日、あまりにもヒマだったので「あ、あれを見るか」と思った私は、妻がスマホをシャカシャカしている横で、ある映画を見た。


名探偵コナン映画シリーズ、記念すべき第1作目『時計じかけの摩天楼』である。そのクライマックス、目の前の時限爆弾を解除するためのシーンで、工藤新一(コナン)と毛利蘭の間で、こんな会話が展開される。


私はゴクリとツバを飲み込みながら、
2人の会話を聞くのだ。

毛利蘭
「新一。黒いコード切ったけど、止まんないよタイマー。それにコードは、まだ2本残ってるよ。赤いのと青いのと」
工藤新一
「…」
毛利蘭
「新一……ハッピーバースデー、新一。だって……もう……もう言えないかもしれないから……」
工藤新一
「切れよ……好きな色を切れ」
毛利蘭
「でも、もし外れてたら?」
工藤新一
「構いやしねえよ。どうせ時間がきたらおだぶつだ。だったら、おめえの好きな色。心配すんな。おめえが切り終わるまで、ずーっとここにいてやっからよ。死ぬ時は一緒だぜ」
毛利蘭
「さようなら、新一……」
『時計じかけの摩天楼』


なんやかんや、毛利蘭はのコードを切って、無事に爆弾の解除に成功。コナンも蘭も無事に脱出する。


そのあとでコナンは、蘭姉ちゃんにこう聞く。

コナン(工藤新一)
「そういえば、新一兄ちゃんが不思議がってたよ。蘭なら絶対赤いコードを選ぶと思ってたのに、なんで青いコードを切ったんだろうって?」
毛利蘭
「だって、切りたくなかったんだもん。赤い糸は新一と……つながってるかもしれないでしょ?」


……


イトーダーキ
「…ったく、バーローめ」

思わず、バーローが出た。

私の口から。


約2時間、たまにテレビに目をやりながらも、
スマホをいじっていた妻にはこう言われた。



「工藤新一以外からのバーロー、初めて聞いたわ」


それはそれは大きな声で笑った。


<あとがき>
コナンの罪深さったらないですよね。いくら子どもの姿をしているとはいえ、あの蘭姉ちゃんと、ひとつ屋根の下で共同生活を送ってるんですよ。あれから我が家では一時期「バーロー」がプチブームになりました。ほかに天然で言ってる人、きっとどこかにいるんでしょうね。今日もありがとうございました。

◾️バーロー、明日はライブ配信だっつーの!

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