全裸でクソする背徳感。
本来あるべき過程をすっ飛ばして、特定の行為をする、ということには形容しがたい背徳感を感じてしまうものだ。
少し前に北海道のとある小さな町に行った。札幌から車で約3時間。訪問の目的は、ある企業との打ち合わせのためであった。
その町は人口が5,000人を割っており、本当にコンパクトな作りで、訪問先の企業はその町を代表するような主要企業。私の会社ができたばかりの頃からお取引先である。
その会社の役員は私と同い年の男性で、仕事を一緒にしている中でも敬語とタメ口が入り混じる絶妙な関係性。
平日の日中に彼と仕事のことを熱心に話していたのだが、話の最中に私のお腹がグゥっと鳴った。お昼どきだったのだ。
というわけで、人口5,000人を切る町の中心街の食堂に行った。2人で行ったのだがその食堂にはたくさんの人がいて、お取引先の役員からすれば地元中の地元。中でご飯を食べているすべての人が知り合いのようで「うっす」と挨拶を交わしている。
なるほど〜と話しながら、この町の特産品で作られた定食を食べて「んまい!」と言う。しばし談笑しながらご飯を食べ終わり「じゃあ出ますか」と言われ、私も彼の後に続く。
普通ならばこの後はレジに行って伝票を出し、お会計をするという流れが原則だ。が、役員の方はお会計もせず、そそくさと店の外に出ていった。
と聞くと、彼は少し照れくさそうに、
なるほど〜! と反応してご馳走になったことにお礼を言いつつ、私はすぐに「会計なしで店の外出るって、まるでamazon goじゃないですか!」とツッコむ。彼は大いに笑っており「言われてみればそうですね」と、これまた照れくさそうだった。
本来あるべき過程をすっ飛ばして、特定の行為をする、ということには形容しがたい背徳感を感じてしまうものだ。
この場合は、定食屋さんでランチを食べ終え、本来するべき「お会計」という過程をすっ飛ばして退店する、ということになるが、なんだか不思議な感覚であった。
日常にはまだまだ、
「当たり前」が潜んでいるものだ。
…
一昨日と昨日は出張で福岡に行っていた。
ビジネスホテルに泊まることになる。
仕事を終え、会食を終えた私はホテルの部屋に戻りシャワーを浴びた。あー、疲れたなぁと言いながらシャワーを浴びる。シャワーを浴びるときは当然全裸である。まさしく産まれたままの姿。
シャワーを浴び終えて思ったのは「あ、うんこがしたい」であった。
しまったなぁ、せっかくシャワーを浴びたのにうんこをするなんて。でもまぁそういうこともあるよね、いいさいいさ。
と思って、シャワーを終えたままの姿、つまりは全裸でトイレの便器に座ろうとした。
この全裸でうんこをするときのなんとも言えない背徳感。おそらくこれをお読みのみなさまにもご経験があるかと思う。
通常は洋服を着て、下着も履いているわけだから、うんこをするためにトイレに入ってまず最初にすることは、下着を下におろす作業であるかと思う。
が、全裸でうんこをする場合、この「下着をおろす」という過程をすっ飛ばし、いきなり便座に座って踏ん張ることになる。プロセスの1個飛ばしだ。
本来あるべき過程をすっ飛ばして、特定の行為をする、ということには形容しがたい背徳感を感じてしまう。
福岡のビジネスホテルにて、全裸でうんこをした私は、そんなことを考えながら、うんこをし終えてスマホを起動。
noteの下書きに「全裸でクソする背徳感」と打ち込み思った。
俺は一体なにやってんだろうなぁ。
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