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ネーミングセンスについて。

東北通を車で走っていた。

この道は札幌市内の白石しろいし区から豊平とよひら区を南北に縦断する道だ。この道と並行するように国道36号線が走っているのだが、今日はこっちを通ることにした。理由はない。気分である。

走っていると気づいたのは「あれ? 俺って東北通を車で走ったことないな」ということで、生まれてこのかたほとんどの時間を札幌で過ごしているのだが、私は北区の出身であるからそれ以外の区の道には詳しくない。そういうことってあるでしょう。

東北通は片側一車線。知らない道。車通りはスムーズ。道沿いに様々な店、会社がある。

ん?

焼肉屋さんが目に入った。

店名は「焼肉の店『蘭豆』」とある。

蘭豆? らんまめ? え、「よし、焼肉屋さんをやるぞ!」と創業して店名に「蘭豆」ってつけるかね。



また少し走っていると、床屋が目に入った。

「カットステージZoro」と書いてある。「カットステージZoro」? ゾロ? ONE PIECEが好きなのだろうか。それともマスク・オブ・ゾロが好きなのか? その店の前には「大人カット1000円、中学生カット900円、小学生カット800円」とある。もうちょい差別化がほしいところ。


また車を走らせると、美容室があった。

「ヘアステージJBOY」と書いてある。ジェイボーイ? なるほど、店主は浜田省吾のファンに違いない。ハマショーの名曲「J.BOY」が好きなんだ。そうだそうだ。あの曲は私も好きだ。


病院があった。クリニックだ。

「タニダ動物病院」とある。院長は「タニダ」さんなのだろう。すぐ近くに「かわさき整骨院」と書いてあった。院長は「かわさき」さんなのだろう。病院には名前をつけがちなんだな。

ニヤニヤして車を直進させていると、角に「公文式」があった。あの青色の看板に「KUMON」と書いてある。公文式はたしか創業者の名前が「公文さん」だったはずだ。創業者の教育メソッドがあまりによすぎて、これは広めよう、みたいな感じだったはず。すごいなぁ。


と思ったら、黄色くて可愛らしい看板の店の前を通り過ぎた。

「こだわり卵のクレープ屋SWEETS GORILLAスイーツゴリラ」とある。スイーツゴリラ? なぜだ? スイーツ屋さんになぜゴリラと命名するんだ? ゴリラは卵生ではなく胎生だ。ゴリラ並みのパワーあるスイーツなのか? 店名に「ゴリラ」とつけていいのはジムだけだ。いったいどんな経緯があったら「......よし、スイーツゴリラでいきましょかい」となるのだろう。誰か止める人はいなかったのか。ますますニヤつく。



店名、会社名には創業者の思想、理念、経験が反映される。Google、Apple、Amazon、Meta、Open AI。世界のメガテック企業はシンプルで洗練されており、どことなく「やったる感」を感じる。また、ソニー、任天堂、キャノンなども同様。シンプルな中に少しの気概が混じっている。


ネーミングってむずいなぁと思いながらさらに車を進めると、交差点に差しかかった。


大きな倉庫にデカデカとこう書いてある。

「総合レンタル 株式会社スーパーサブ」


困ったときに大活躍してくれるのだろうか。


これも気概ということにしておく。


〈あとがき〉
豊平区にお住まい、もしくは東北通をよく通る札幌市民の方々ならば「あ、その店知ってる!」となるようなラインナップです。ネーミングってめちゃくちゃセンスが問われるよなぁと思うドライブでございました。今日も最後までありがとうございました。

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