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磨くことをやめると老害化する。

仕事では最新の情報を追いかけるクセに、そのほかの分野では最新を追いかけていない自分がいることに気づいた。代表格は「音楽」である。

音楽ほど、その時代おりおりの空気感が反映されるものはない気がする。


これまでの私は、大川さんからVaundyをおすすめされても「あぁ、でんがんね」と一蹴し、

森井さんからUNISON SQUARE GARDEN(JAPAN)が良いと言われても「なるほど、オリオンのベルトね」と言い、

テレビ番組でどれだけ乃木坂が良いと言われても「所詮日本レベルだろ」と見向きもせず、

日テレがいくらAdoを取り上げても「叫んでる人だよね」と聴きもしない。

こうして、おっさんが完成するのである。


私が高校・大学のころ、テレビ番組を見ていた父が「最近の若い人たちは、どれも同じ顔で区別がつかん」と言っているのを見て、そんなんじゃ時代に置いてかれるよ、と言っていたのだが、今の私がそうなっている。

Youtuberはどれも同じことをやっていて、TikTokerも訳のわからない名前やグループ名ばかりでよくわからない。


それよりかは、昔から知っているビートルズを聴いて、たまにミスチルを聴いて、夏になったらサザンを聴いて、冬になったら広瀬香美と山下達郎にお世話になり、カラオケでは歌いやすい槇原敬之でポイントを稼ぐ。現状維持バイアスだ。

「いいか、イトーくん、昭和世代とカラオケに行ったときには昭和の曲を5曲歌うといい。おじさんたちは大喜びだ」

と言う人がいたけれど、そんな気遣いをされて喜んでいるおっさんと一緒に仕事なんてしたくない。どうせ今の私と同じように思考停止している連中に違いないのだ。


つまり、いつまでも感性を磨かねばなるまい。

肉体としての全盛期をとうにすぎ、心の中も全盛期をすぎゆくいま、私がやれることは、10代、20代の話題についていくことだ。

こういった話題についていくための努力……という考え方がそもそもして、おじさんぽいんだけど。


「いやぁ、おれのころはミスチルでねぇ。『抱きしめたい』とか知ってるかな?」

「あ、わかりますよ、母が聴いてたので! なんなら歌えます!」

「おっ! わかってるねぇ! いよっ!」

こういうおっさんには、顔面にウーロン茶をかけよう。



と、いうわけであるから、何度も言うが、感性を磨いていたい。たとえ50代になったとしても最新の話題についていき「あぁ、あいつらね、あの曲がいいよね」と言えるような、奇妙な、捉えどころのない人間でいたい。

若者の芽を潰すような老害になるのは、おそらくいやなのだと思う。


さて、ミスチルの『蘇生』でも聴くか。

ありゃ名曲だからなぁ。


<あとがき>
あの頃を懐かしむ青春ソングみたいなものが誰にでもあって、だからこそMステでは80年代特集とか90年代特集とかをやるんだと思います。視聴者層がその世代ですからね。文化を作るのはいつだって若者なのに、それを揶揄して「最近の若者は何を考えてるのかわからん」という奴にはなりたくないのです。今日も最後までありがとうございました。

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