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きいち
2019年11月29日 03:30
ふと目覚めると消したはずのテレビが狭い部屋を照らしていた。薄型テレビが普及した今では珍しいブラウン管だ。煌々と光るその箱からは、抑揚のない電子的な声でまるで意味の無い言葉が永遠と流れている。「……ーーー父親も母親も、醜悪な悪代官に操られているのだ。土の中の螻蛄(オケラ)や蛙(カエル)こそ、この世の何にも代え難い偉大な存在である。彼らに清き一票を。清き一票を。」…何一つわからな