中村 順(なかむら じゅん)

猫道楽・生存・フェミニズム・反差別・物語・詩・俳句・映画・演劇・写真・絵画・漫画・音楽・筋トレ・スロージョギング・ぼっち・路上・公園・河川敷・山中・周縁・境界・夢幻・無縁・無形・無碍無窮

中村 順(なかむら じゅん)

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最近の記事

【俳句】夏/2018-2022

美女はよい筋肉匂ふ立夏かな 生あらば裸鍛えよただ狂え 逞しき二の腕光る木下闇 日に焼けた腕うつくしき猫娘 夕焼けて万霊塔まで駆け上がる 炎昼の猫 天国への階段 炎天や猫とわたしと El Dorado (※ El Dorado はスペイン語で「黄金郷」) 炎昼はひつそり閑と狂つてゐる 万緑は焼き尽くされよ星の墓 剽悍な猫と女の木下闇 海ゆかぬふたりは水着読書会 緑陰に横たわる猫……生きてゐた 大暑なり猫は小樽で丸くなる 熱帯夜ねこはいづこで寝ゐるやら

    • 【俳句】春/2018-2022

      永遠の中二病者ぞ春吹雪 春に逝くたった十七しっぽの子 春の宵戦争熱に浮かれまい 三月の烽火鎮めよウクライナ 春うらら苦しいときの聖書読み 反戦に潜む好戦杉の花 猫は待つ水爆戦の翌朝も 風光る鉄の夢見し226 春一番ネコと数学チェスと美女 春暁や羅刹ハザード屍が喰らう 各々が匕首を呑んでる花見かな feminism 知らなかった祖母にミモザ 春寒し命蹙む猫と母 かざこしのみねのつゞきでうまつてゐる 『かげろふ戦隊 あかつきの血斗』 逝春や高く昇って

      • 【詩】ない

        名刺ない スマホない クルマない 恋人いない 常識ない 教養ない おとなげない がんばらない 人生は長くない 誰かを 見くだしたり あざけったり 殺したり そんなことをしている 暇はない はずれることを 笑われることを 恐れない 無縁と無形 無碍無窮

        • 【俳句】冬/2018-2022

          冬来る猫ども知らぬまだ知らぬ 人並もやる気も要らぬ冬銀河 猫ハウス夜な夜な懐炉入れたまへ 日向ぼこ猫の半生十二年 まほろばの大根様は美なる哉 木枯や猫には猫の世間あり 湯ざめして百年の恋奔り出す 山中の炭焼竃に棲む何か ちびの烏猫夜の中に消えた おでんが好きなチビ太くん猫も好き 雑魚寝から半世紀だね冬座敷 月冴ゆる猫と鼠とアルルカン 外猫の水入れ凍る骨枯る 猫水の氷割る我フランシスコ かまいたち闇のまん中そこにゐる 短日や拡大自殺5分前 猫殺す

          【俳句】秋/2018-2021

          豊年や要らない命はありますか? 鰯雲ほうれい線も美しい 紺碧に唄うとんとん唐辛子 颱風がゴシックメタルとやつて來た 秋風や地底アイドル卒業す 秋の夜ぼっちとぼっち猫もいる 星月夜顔のない子が缶を蹴る ざくろむし闇に蠢く亂歩城 LUNATIC シリアルキラーほくそ笑む 立秋の能楽者ですにゃんこです 廃園のモノノケ句会残暑かな 新涼の朝あたふた猫を踏む 九月尽地獄の沙汰も猫次第 いなびかり魔女の双眸そこびかり 行く秋や今日で世界はさようなら 黄落や高

          【詩】ぼっち

          ひとりぼっちの だいだらぼっち ぼっちでめしくい くそひりねむる ぼんやりぼうずの さみしんぼっち みやまでけものと ぼうぼうほえて ぼちぼちあゆんで ちのはてめざせ ぼかぼかぼこぼこ おこりんぼっち さけびといのりで あめつちゆるぎ ことのはつむげば もろびとむせぶ まなびとたくみで せかいをかえろ ひとりぼっちは だいだらぼっち つきぬけてるやつ だれでもぼっち ざこだらむれるぞ ぼっちはよい!

          【詩】偽りの言葉

          「特攻」は自爆攻撃。 「散華」は戦死。 「玉砕」は全滅。 「転進」は退却。 「疎開」は避難。 「神風」は台風。 「慰安婦」は性奴隷。 ("comfort women" という英訳は最低だ) 「思いやり予算」は心の底から恥ずかしい。 「終戦」ではなく敗戦の日に死者たちを偲ぶ。 偽りの言葉で現実を隠蔽する者は同じ過ちを繰り返す。

          【詩】奇跡

          昨日「さようなら」と別れた君に「こんにちは」とまた会えたことが奇跡だ。 「さよならを言うのはちょっとずつ死ぬこと」 いつかどこかで目にした言葉。 君にひとたびの別れを告げるとき、僕はいつも死を連想してしまう。 「生きる」とは畢竟「死」に近づきつつある状態を指すのだけれども。 時間と空間の隔たりを超えて君と僕は巡りあった──奇跡的な邂逅だった。 空間の隔たりは、それがアルゼンチンのフエゴ島とノルウェイのスピッツ・ベルゲン島の間であっても、今の時代ならどうにかなるだろう。 時

          【詩】ねこはつ

          はつちゃん はつこう はつのしん ねこのこ ころころ はつこう つきよに ねらうは こねずみ はりこみ つめとぎ はつちゃん はつこう はつのしん ねずこう こずるく はつちゃん つたなく ねころび こうさん はなはだ つかれて はつちゃん はつこう はつのしん

          【詩】墓標(ぼひょう)

          一匹の蟻が高層ビルの垂直壁面 243m を完登して天辺で息絶えた。

          【詩】墓標(ぼひょう)

          【詩】赫赫(かくかく)たる

          詩を書く 絵を描く 汗をかく 義理欠く 恥かく ネコババ隠す 才覚品格 さらさら欠くも 死角と失格 覚悟の前で 赫赫たるは 架空の楼閣 高くも赤くも 時代を画す 覚醒する者 刺客の資格 撹乱格闘 革命近く! などは錯覚 高くくり 不覚は深く スカ喰らう とにかくともかく 馬鹿臭く かくなる上は 胡坐をかく かくかくしかじか △△△△ □□□

          【詩】赫赫(かくかく)たる

          【詩】夢の中

          早春 陽だまり 猫だまり いつだって夢の中を 生きてきた 猫たちも わたしも (写真は2018年3月1日撮影)

          【詩】いろは練習帖

          ※谷川俊太郎『いろは練習』のオマージュ い 石の上にも一生 ろ 老獪に籠絡 は はぐれて花盛り に にんげん社会は虹色に ほ 微笑みにほだされる へ 平和を偏愛する と 突然トラバサミ ち 地球人は沈黙しない り 悋気凛々 ぬ ぬくぬく温泉ヌートリア る 流刑者ルシファー を 大蛇と踊り子 わ 渡る世間はワシばかり か 神はいない核戦争後の世界 よ よんどころなくよこしま た 正しさばかりがたんとある れ レッツ・ゴー煉獄 そ 壮麗ソメイヨ