【俳句】冬/2018-2022
冬来る猫ども知らぬまだ知らぬ
人並もやる気も要らぬ冬銀河
猫ハウス夜な夜な懐炉入れたまへ
日向ぼこ猫の半生十二年
まほろばの大根様は美なる哉
木枯や猫には猫の世間あり
湯ざめして百年の恋奔り出す
山中の炭焼竃に棲む何か
ちびの烏猫夜の中に消えた
おでんが好きなチビ太くん猫も好き
雑魚寝から半世紀だね冬座敷
月冴ゆる猫と鼠とアルルカン
外猫の水入れ凍る骨枯る
猫水の氷割る我フランシスコ
かまいたち闇のまん中そこにゐる
短日や拡大自殺5分前
猫殺す外道が的だ人間狩
夢でしか会えぬ錆毛の竈猫
寒月が漱石の『猫』聴いてゐる
夜食ごと過食に泣いて馬謖を斬る!
咳をしても一人……と二匹
熊を抱く刑罰こそありやなしや
払暁の鮫に総身を喰はれけり
冬の蝿おれも畢竟その一匹
また来たね死んだ猫らが春を待つ
猫と人猫人猫の焚火かな
※最後の句は2021年1月24日に逝去された加藤直美さん、直美さんの夫のゆーたん、河川敷の住人だったカトウさん、今も川端で暮らす福ちゃん、私、そして猫たちと焚き火を囲んだ思い出を詠みました。
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