【俳句】夏/2018-2022
美女はよい筋肉匂ふ立夏かな
生あらば裸鍛えよただ狂え
逞しき二の腕光る木下闇
日に焼けた腕うつくしき猫娘
夕焼けて万霊塔まで駆け上がる
炎昼の猫 天国への階段
炎天や猫とわたしと El Dorado
(※ El Dorado はスペイン語で「黄金郷」)
炎昼はひつそり閑と狂つてゐる
万緑は焼き尽くされよ星の墓
剽悍な猫と女の木下闇
海ゆかぬふたりは水着読書会
緑陰に横たわる猫……生きてゐた
大暑なり猫は小樽で丸くなる
熱帯夜ねこはいづこで寝ゐるやら
わけはある酒精は抜きの暑気払
夏真昼ゾンビの膝で寝ゐるねこ
甘藍汝を玉とす甘露なり
短夜や囁く影は濃い淡い
野良猫と野宿者めぐる走馬灯
こゑは絶え死都東京の油照
夏の果「地雷」を踏んでサヨウナラ
夏の果ゾンビ大戦死か生か
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