暑い日には、怠け者のパンダにも優しい梅園先生を思う
こんにちは、ぱんだごろごろです。
毎日暑いですね。
暑いと集中して何かをするということが難しくなります。
私の場合、暑くなり過ぎると頭痛がするので、余計に人間らしい行動をするのが困難になるのです。
つまりは、家の中で水分補給をしながら、ゴロゴロする・・・パンダ。
理性では、
『こんなことではいけない!時間が無駄になる』
と自分を叱咤激励するのですが、本能が、
『そうは言っても、こう暑いと何もできないし、気ばかり焦っても、かえって体調を悪くするばかり。仕方がないと割り切って、じっとしていれば』
と自分に勧めるのです。
本能と理性の闘い、勝つのはどちらだ⁉
ここで思い出したのが、昔読んだ、本田済博士の、「三浦梅園のものの考え方」という講演の記録です。
本田済先生は、「易経」( 中国思想書の『四書五経』の「五経」のうちのひとつ ) の研究で有名な、中国思想家です。
三浦梅園の思想にも詳しく、1987年の梅園学会で、特別講演としてお話しになった内容が、「梅園学会報 第13号」に収録されていました。
そこで本田済先生が語っていたのは、三浦梅園の、人民に対する優しい眼差し。
あたたかくて、思いやりがあって、人の弱さを責めることなく、肯定してくれるのです。
農民はひたすら働け、なんて言わないんですよ、梅園先生は。
何と言っても、『豊後聖人』とまで讃えられた、慈悲深い人格者です。
人の弱さなんて、とっくのとうにお見通し。
元の職業がお医者さんですし、怠け者に無理をさせようなんて思わないんです。
そうそう、暑い日には、怠け者のパンダには、アイスクリームとスイカを食べさせて、アイスティーをたっぷり飲ませて、涼しい風の通る部屋で、お昼寝させなさい、
梅園先生ならこうおっしゃる筈。
梅園先生は、お殿様からも藩政に関して助言を求められるほどの知恵者です。
優れた学識の持ち主と言うだけでなく、実際の庶民の暮らしを見て知っているのです。
梅園先生の時代、江戸時代には、幕府の御用学者は、朱子学者でした。
(林羅山が有名ですよね)
朱子学には、禁欲的な面があります。
理性が情慾に勝つのです。
梅園先生の場合はちょっと違います。
『政治の務めは、民の情慾を塞ぐことなしに、これを保護し疎通してやるべきだ』と言うのです。
分かりやすく言えば、美味しいものをお腹いっぱい食べたい、なるべく苦労せずに毎日を過ごしたい、税金(年貢)は少ない方がいいし、つらい労働はしたくない、老人や幼な子は、温かい布団に寝かせ、ちゃんとした服を着せてやりたい。
人々のこういう望み、欲を、頭から抑え付けるのではなく、当然の欲求として、政治の力で何とか叶えられるように、為政者 (お殿様) は努力をするべきだ。
藩に暮らす、たった一人の人も飢えないように、飢饉の対策をすること。
庶民の暮らし振りを知っていた梅園先生だけに、何とか人民に、心配や不安のない、のびのびとした生活をさせてやりたいと願っていたことでしょう。
そうです。
この暑さにあえぐパンダには、無理に禁欲的にならず、のんびりゴロゴロ、クーラーをつけて好きな本でも読んでいなさいとおっしゃった筈。
遠い九州、大分の地に暮らしていた梅園先生を偲びながら、夕食後、コーヒーを飲み、バナナケーキとナッツを食べるパンダでありました。
*言うまでもありませんが、この記事は、今年2023年が、江戸時代中期の哲学者、三浦梅園生誕300年の記念すべき年であることを宣伝するために書いております。
今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
バナナケーキはルビアンで買いました。
ミックスナッツはカークランドのものです。