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団体活動記録_2025/01/26


まえがき

 4回目となる今日の集会は、北参道付近にあるレンタルスペースを借りて実施した。毎回なかなか人数が集まらないことに課題を抱いていたが、今回は総勢11人が集まった。しかもそのうちの4人はゲスト。思わずテンションが上がってしまった。

 今回集まったメンバーのうち大学生は10人。全員教育について興味を持っているという共通点はあるが、大学で専攻している学問、教育学、科学、経済学、哲学などさまざまであった。また、残りの一人は小学校教員で、今年1年だけ大学院に通っているというメンバーであった。

テーマ共有

 進め方としては、初めに自己紹介を行った後、話したいテーマを共有。その後二手に分かれて対話を行い、チームを入れ替えてもう一度対話を行う、という形にした。なお、各グループで扱うテーマは、共有したものを起点としつつ、自由に広げてもいいようにした。ちなみに、各自が持ち寄ったテーマを簡潔にまとめると以下のようになった。

  • 2025年の目標

  • ICT機器の各教科および自主学習への活用方法

  • バーコード決済と金融教育

  • 左利きの不便さと学校におけるユニバーサルデザイン

  • 子どものやりたいことをやらせてあげたい

  • 自己形成に関わる原体験

対話1回目

 1回目の対話では、主に「子どものやりたいことをやらせてあげたい」というものを起点として始めた。このテーマを挙げたメンバーは、学校が子供の長所短所を伸ばし切れていないのではないかとした上で、子どもがやりたいこと、やっていることをいかに勉強に繋げるかというところが大事なのではないかと言っていた。

 その中で課題として挙げられたのが、探究、特にキャリア探究の内容についてであった。我々が受けてきたキャリア探究は、いわば職業調べに近いものであったが、そうではなく、自分が今興味を持っているものに対して探究させることが求められるのではないかというのである。また、今の学校で行われる授業はどれも教科にとらわれすぎていて、子どもの興味関心にかける時間を奪っているのではないかという話も出ていた。

 これらを踏まえて、探究の時間は誰かによって与えられるものではなく、自分で探究する姿勢そのものが重要になっているのではないかという話をしたところで時間となった。

 1回目の対話でキーワードとなっていたのは「子どものやりたいこと」であった。話をするうえで、子どもの中でやりたいことが明確になっていることが前提となっていたが、この点については慎重さが求められるのではないかと思っている。

 私が塾講師のアルバイトを始めて3年になる。これまでに見てきた生徒たちがみんなやりたいことを明確にしたうえで進路選択をしているかというと、必ずしもそうとは言えないのではないかと感じている。そうした子どもたちに対して「やりたいこと」を主軸に置いた活動を行わせるのは、一種の圧として捉えられかねないと思うところもある。

 一方で、「なんとなくやりたいことはあるが、明確に言語化できない」という生徒も見てきた。そうした子どもたちにとっては、今までの経験を振り返り、「なんとなくやりたいこと」を深めていくという時間は、その後の進路選択においてとても意義のある活動であるとも感じた。

対話2回目

 2回目の対話では、学校におけるICT機器の利用をテーマの主軸においた。というのも、11月に文科省から出された新たな指針において、今後の学校教育はICT機器の利用を前提とするという旨の内容が記載されていたというのである。こうした現状を踏まえて、今まで各々が経験してきた学校体験を踏まえつつ、今後学校内でますます活用が求められるICT機器との向き合い方について話し合った。

 話の中で出てきたのは、今後学校でICT機器の利用が前提となることで、苦手としている子どもが除外の対象になってしまうのではないかということや、生徒がICT機器を使って何をしているかが見えなくなってしまうことの問題性などについてであった。

 この点について、ちょうどICT機器の利用について研究をしている院生のメンバーから、ICT機器という新たな道具を得たということが重要であるという言葉が出た。これまでは文字を書ける・読める、話すこと・聞くことができるというのが入出力の主な方法であり、それらが困難な子どもたちはできない子として見られていたが、そうした子どもたちが新たな方法としてICT機器が使えるようになったというだけであり、ICT機器の利用が苦手な子は従来のようにアナログな方法を使えばいいだけなのだということである。

 確かに、私も大学でICT機器の利用に関する講義を受けた時、「ICT機器はあくまで道具であり、その利用が目的となってはいけない」と常々言われた。今回の点に関しても、あくまで手段の1つであるという意識をすることを忘れてはならないのだということを改めて認識した。

総括

 今回の集会で強く感じたのは、学生主体の対話の中に1人研究者や現職の教員が入っているだけで、話のクオリティが格段に上がるということである。これまでも学生同士で対話する機会は幾度となくあったが、乏しい知識の中で話を進めると、疑問が疑問のまま終わってしまうということが多々あった。しかし、その場に現場を知っている者やより深い知識を持っているものがいるだけで、疑問がその場で解消され、その先の話に進むことができる。

 そう考えると、やはりもっと研究者や実際に教育に携わっている人を交えたうえでの対話の場というものをつくっていく必要がある。これも今後の団体運営の方針として大切にしなければならないと再認識して、今回の集会(名称未定)は終了した。

あとがき

 ちなみに、今日ゲストとして来てくれた4人は正式にPENの一員となってくれた。こうして少しずつ輪が広がっていくのを見るのは、このハコをつくった身としてうれしい限りである。

 さて、次回は何人集まるだろうか……

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