見出し画像

【癌日記77日目】メンタルカウンセリング がん患者親子に必要なポイント/ママががんになったとき/卵巣癌・子宮体癌/9月14日

今週は手術前から予約を入れておいたカウンセリングを受けた。予約を入れた時点では、抗がん剤をするとすぐにどんどん体が弱ってすぐにお空に行ってしまうと思っていたから、どうやって私自身をクロージングしていくことと向き合うのか。そのための助けが欲しくて予約を入れた。

この日記のマガジンは私が49歳で卵巣癌と子宮体癌に罹患した日々の自分と家族の記録。娘(高1)娘(中2)夫&猫の4人と1匹ぐらし。ワーママ。他の日記はマガジンにまとめています。


【メンタルカウンセリング予約の理由】自分自身の人生を急遽クロージングするための助けが欲しかった

手術前に最初のカウンセリングを予約していたけれど、カウンセリングの日に術前検査が突然追加になりリスケしたため、最初のカウンセリングは手術後4週間をすぎたこのタイミングになった。

術前の通院回数はとても多い。頻度や回数は以下の記事をチェック

【メンタルカウンセリング状況認識の変化】人生がすぐに終わらないらしい気配が出てきた

手術と抗がん剤の治療は今のところ、死を迎えるほど体が衰弱するような気配はなく、ゆっくりと着々と進んでいて、どうやら「今すぐ」ということはないらしいという気配を感じる。

手術後、主治医に「先生、私はあと何年生きられますか?」と震えながら聞いた。

先生の答えは「わからない」

そして「5年と10年は視野に入れて目指すよね。それができたらまた10年の追加を目指すよね」と続いた。

あの時、先生が「わからない」と言ったことも「まずは5年」それができたら「10年をめざす」と言ったことも、あのときは混乱してよくわからなかったけれど、癌の余命のグラフを示すことはできるけれど、癌の進行や突然の体調の変化は突然で個人差が大きく、個人のこととなると「わからない」としか言えないということなのだと理解した。

そして癌の民間療法ではなく標準治療を選択して正面からのぞんでいる以上、癌は死を待つ病気というよりも、持病のように向き合って、再発がないことを願い、再発があれば都度対処して寿命まで精いっぱい生きながらえていく病気だと認識しはじめている。

私自身もカラダの感覚として抗がん剤で衰弱してすぐにお空にいくことはなく、多分2年は絶対にある。5年ももしかしたらある。万が一10年もあるかもしれない。神様の采配で新薬が発見されて超絶ラッキーならば20年もあるかもしれない。

少しそういう気持ちもするようになってきた。

それにしても自分の特性として、主治医がまずは「5年めざすよね」と言っているのに私が勝手にもっと最悪を予測して「2年」と言っているのもなんだか我ながらおかしい。

ちなみに最近、私をこれほど絶望させ主治医のいうことが信じさせなかったのは、癌で5年、10年、20年生き生きと命を繋いでいる人に出会ったことがないからだと気づいた。

知識のなさは人を絶望させる。

以下の記事は癌で生きている人が確かにいるんだ! とわたし何感じられた探し方についての現時点の私の結論

【メンタルカウンセリング相談内容の変化】長期と短期の時間軸の混乱を一緒に整理してほしい

私が今回カウンセリングをお願いしたクリニックは、病気でメンタルを病んだ人に対応するクリニックではなく、親子関係や家族関係に問題を抱える人に強みのある保険適応外のクリニックだ。

私の突然の終活のクロージングの最優先事項は、2人の子供のことだったから、子供のことと向き合うことを考えて選んだ。

勝手にあと、半年ぐらいでお空に行くのだと思っていたから、母親の死を2人の娘たちが受け入れ立ち向かっていけるように私がまず自分自身をを整理し、子供たちにもそれぞれカウンセリングを受けさせていこうと考えて選んだ。

そんな気持ちだった私が今一番混乱しているのが、そんな覚悟と反対の「あれっ? 抗がん剤の副反応はほとんどないし、仕事復帰もできたし、なんだか元気で、その上、主治医が言っていた5年もリアリティを感じられるようになった」という時間軸の変化の混乱。

死に向かって突っ走る手術後の半年と勝手に思い込んでいたところから、数年、10年といった幅が出てきて、短期と長期とどっちをどう考えたらいいのか、とても頭がぐるぐるしている。

そして考えようとするとどう考えたらいいかわからなくてただ悲しい。

カウンセリングで「何を相談したいですか?」と聞かれたときに、この状況を素直に伝えた。

【メンタルカウンセリングの1時間半に起こったこと】

最初のカウンセリングは1時間半。以降は30分と50分か選んで継続していく。

最初のカウンセリングは、私の家族、実家の家族、夫の実家の家族の家族関係の把握をカウンセラーがするところから始まるから時間がかかる。

また、癌の主治医から「診療情報紹介書」という病気の状況を伝える書類をカウンセラーに書いてもらいあらかじめ送付して医療情報も共有して行われた。

カウンセラーの質問に聞かれるがままに答えて、癌が発覚してからカウンセリングの日までに起こったことを話した。

カウンセラーは終始メモをとりながら、話を聞き、時折質問を挟む。

私のほうはメモをとらない。録音もしない。ただ話す。95%私が話していて、カウンセラーが話したのは5%ぐらいの印象だけれど、いくつかのやりとりが記憶に残っている。

カウンセラー「今一番ストレスを感じていることは何ですか?」

私「母親が癌になったとわかっても、子供たちは『どうせ治るんでしょう』という感じて、わたしが癌になる前と生活がまったく変わらず、朝起きてこなかったり、勉強しなかったり、約束のお手伝いをしなかったりすることで。母親は癌になっても労わられないと感じて悲しくなります。自分が育てた最愛の娘たちで、決してやさしくないとかそういうことではないということも理解しています。だけどただただ悲しいと感じるときがあります。

カウンセラーが正確になんと言ったかは覚えていないけれど、カウンセラーがよく面談をするAC(アダルトチルドレン)傾向がある子供は、自分の役割に過剰に適応することがあって、それが大人になってから大きな問題となってでてくる。

そういったAC傾向がある子供は、親が病気になったり大変なことになると、自分を押し殺して親のために親が望む行動をしてしまう。

一方で我が家の子供達が今の状況でも私が癌になる前と変わらないでいられるということは、父(夫)と母(私)が二人で協力して子供が安心していられる家庭を築いてきたと言えるかもしれない。

「私は自分なら、母親を全力で支えるのに」と思ってしまって、一方でうちの子供達はそんな気配がなくて私とは違うのはなんで? という気持ちになってしまうんですと続けて言うと、カウンセラーは、私が子供2人にとってそうやって過剰適応してわがままを言えない親ではなく、安心していられる堤防になれる母親だったんですよ。というような答えが返ってきた。

アダルトチルドレンという言葉は久しぶりに聞いたし、そういうことが起きるのかどうか正直よくわからないけれど、なんだか心がすーっと軽くなる気がした。

私自身にはアダルトチルドレン味があり、子供達にはアダルトチルドレン味がないのかな?

カウンセラー「ぐるぐると1つのことを考えてしまうときはありますか?」

私「一つのことを考え続ける時間が物理的にないです。朝起きてお弁当を作って起きない子供を起こして何とか遅刻しないように学校に行かせる。行かせたら腸閉塞予防の散歩に行って、帰宅するとすぐに仕事を始める。仕事中はひっきりなしに色々な連絡が入り、子供が帰ってくると、いろんな声をかけられて、何を考えているのか忘れるぐらい、一つのことをぐるぐると考えられない」

コレに対してカウンセラーは、ストレスがかかる状態にあることは事実で、そういう時はまずは目の前のことに対応していくという生活はいいと思いますよ。あまり先のことを考えすぎてぐるぐる考えすぎないというのは、メンタルを病まない大切なポイントですというようなことを言っていた。

お散歩に出る時も、歩くことを目的に1点を見ながら歩くということをしているのに気づいたときは、遠くを見ながら歩くようにしてみる。風や匂いを感じながら歩くようにしてみる。

そんなことが随分助けてくれます。そんなことも言ってもらった。

カウンセラー「もう一度見たい幸せの景色がありますか?」

私「子供とバリ島のサイクリングキャンプで見た、青田波の中の真っ白な細い道を走る経験をもう一度してみたいです」

カウンセラー「目をつぶって想像してみてください。どこまでも続く青田波の中をくねくねと走るバリ島の白いサイクリングロードを、子供とツアーメンバーと笑顔で自転車で走っています。道端にバナナの揚げ物の屋台があり、バナナの甘い香りも漂います、、、」

言われるがままに、目を閉じてあの時の風や感覚を想像すると、混乱とか悲しみとかから解放されて、自分の心の奥底が温かくなる。

カウンセリングの後に、自分でも寝る前に同じようにやってみると、あの時に戻りたいという気持ちと、あの時の心地良さが心に幸せな風を起こしてくれる。

【メンタルカウンセリング感想】私が癌であることに全く動じない人と素直に話せるすごさ

カウンセラーと話していて、一番感じたのが、「この人、私が癌であることを知ってもびくともしない」という安心感。

そして、仕事でこの人は今ここで私の話を聞いて、私と一緒に私を整理してくれているだけなので、私の方でカウンセラーに対して「この人、こういう立場だからこういうことを私に言ってるんじゃない?」と全く思わなくていい。という私にとっての精神的安全性が確保されている存在の希少さを感じた。

そう感じることで、私は癌であることを周囲に伝えることによって、安心感と解放感のある普通の会話がもうできなくなっていて、これに飢えていたんだと気づいた。

一方でカウンセラーに対しては、この人「会社の同僚だから」この人「友達だから」、この人「夫だから」そういうことを言ってるんじゃない? と相手の立場を私が忖度しないでいい。

だからこそ話の合間に「それは、大変だったんですね」「それは、辛かったんですね」「それは、頑張ったんですね」と、カウンセラー本人の人間性から素直に出てくる反応の言葉は、私自身ものすごく素直に聞けた。

求めていたのは、私を憐れむのでも、可哀そうがるのでもない、こういう素直な会話の安心感だったと気づいた。

ちなみに、精神安定剤や睡眠薬などの薬は処方されていない。

カウンセリングは人生で初めて受けた。今の私には、必要なものだと感じた。

今のような状況では私にも子供にもコーチングでもなくカウンセリングが必要だと思った。

また、癌サバイバーの先輩たちのコメントを読んでいると病院の主治医は転勤や退職などで、生涯を通じて同じ先生に担当していただける期間は意外と短いようだ。

一方で私と癌との付き合いは生涯続く。

自分より数年年上の転勤がないクリニックのカウンセラーは主治医よりも長くつきあって、病気と一緒に伴走してもらえる。今この時点の一番混乱している私を知っている人を自分のために確保していくという意味でも続けていこうと思った。

とても忙しい先生で、9月の頭に受けたカウンセリングの次回は10月の後半だ。

少しずつ、自分を整理して向き合っていこうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?