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【ほぼ毎日レビュー】★★★★☆国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」感想/なんじゃこりゃー!こんなモネ見たことない! 見どころ3選

世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館から、日本初公開作品を含む、厳選されたおよそ50点が来日! 日本国内に所蔵される作品も加え、計64点の「睡蓮」関連の名画が集結。と聞いてワクワクしながらでかけた。

木々の緑と空や湖面の水色、睡蓮のピンクの世界をオシャレに満喫! と思って出かけたらおっと( ゚Д゚)びっくり!

「なんじゃこりゃー!」こんなモネ見たことない! という骨太の展覧会!

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総合評価/★★★★☆/なんじゃこりゃー見どころ3選! 国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」展感想

国立西洋美術館の常設展や元のブリヂストン美術館、ひろしま美術館で見慣れた作品もちらほらみられてまた会ったね! とニマニマしながら展示がスタート!

モネ「睡蓮のとき」なんじゃこりゃー!!見どころ3選

  1. 意外と社会性ありありなモネのイメージが変わって「コレなんだ⁉」

  2. ハゲハゲ「睡蓮」に「コレなんだ⁉」

  3. 真っ赤が渦巻くモネの庭に「コレなんだ⁉」

まわりはじめると、「そりゃあ『睡蓮』だけどコレなんじゃー⁉」そして、「モネってあんなポエミーな絵を描いているから、狭い世界で生きているぼーっとした人かと思っていたら、社会性とありありの人じゃない!」という発見もあった。

もちろん一部屋だけ写真撮影がOKの部屋があるのもうれしい

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並ばずに見る攻略法/平日でも大行列!事前オンラインチケット購入が◎/国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」展感想

平日の午後でも入口からの大行列にびっくり! 行列はチケット購入の列とショップ購入の2列。開催開始したばかりの10月の前半でもこの勢いなので、会期後半に向かうにつれてどれだけ人が増えるんだろう?

少しでも並ばずに観るためにチケットはでかける電車の中でオンラインでサクッと購入がおすすめ。行列に並ばずにまっすぐフロアに入れる。チケットに並ぶ時間は削減して絵を観るのに体力を温存したい。

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モネの「睡蓮」コレなんじゃ見どころ(1)意外と社会性ありあり?モネのイメージが変わってこれなんだ⁉/国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」展感想

石田ゆり子さんの音声ガイドと、音声ガイド横の解説動画を見て、早速展示会場へ。

第1章 セーヌ河から睡蓮の池へ

最初の1点は国立西洋美術館の(松方コレクション)「舟遊び」から。モネが浮気した相手と言われるアリスの娘2人が、後にモネが庭を作るジヴェルニー近くのセーヌ川の支流のエプト川で舟遊びをする様子を描いた作品。

これまで何度も見た絵からのスタート。何回見ても気持ちがよさそう。

モネの浮気については女性としては「キー」という気持ちになるからか、20代ぐらいのモネファンの方たちがひそひそと話している。その話、私も上記の山田五郎のYoutube解説で聞いて、キーってなった! と思う。

Youtube のタイトルは「日傘をさす女」ですがそこから派生して睡蓮への興味深い解説が行われている。

続いて、「睡蓮」に全集中以前、セーヌ河にいくつものキャンバスを並べて日がな湖面を描いた作品が並ぶ。

朝、昼、夕方、いろいろな時間のセーヌ河の湖面がどれも気持ちがいい絵ばかりで、あーセーヌ川のほとりをのんびり散歩したいなーと思う。

マルモッタン・モネ美術館収蔵のロンドンへ旅行に出かけたときの「チャーリングクロス橋」を走る鉄道を描いた、連作に見惚れる。

モネが自然だけじゃなくて工業化の象徴のような鉄道も熱心に描いていたのは知らなかった。「ボー!」と音が聞こえそうで、絵を見てそっと目を閉じて聞こえない音を聞くようにしてみた。

ジュベルニーやフランスはともかく、ロンドンのチャーリングクロス橋がこんなエメラルドグリーンにみえるはずがない! 

いや、こんな瞬間があったんだろうか? モネだからこんな風に見えたんだろうか? など思うし、モネは光を描いたって言うけれど、音も描いているんだなー。

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第2章 水と花々の装飾

第2章はモネが庭を拡張、充実させながら植え、描いた植物たちの作品を見る。

自分の美術館の高い場所に飾ろうと描いた藤だなは圧巻。

他にはアガバンサス、アイリス、柳。。。

音声ガイドからはセーヌ川から水を引くために地元と交渉し、何人もの庭師を雇い、自ら花市場へ出向いて仕入れたりとアグレッシブに活動するモネの様子が流れてくる。

また、藤棚などの解説に「1918年に休戦を迎えると、時の首相にして旧友のジョルジュ・クレマンソーに対し、戦勝記念として大装飾画の一部を国家へ寄贈することを申し出ます」というようなことが何度か見られる。

そりゃあ美しい。モネの藤棚。

頼まれたからしぶしぶ自分の絵を国家へ寄贈するとかの美学ではなく、「俺の絵で国民の戦争への悲しみが癒せるはずだ」という方向のメンタルが底に垣間見られてニヤッとする。

そりゃあ、パトロンの奧さんと浮気もして子供も作るだろう。パトロンが貧しくなり6人だかの子供(含むモネの浮気でできたと言われる子供)を連れてやってきた奧さんと愛する妻との奇妙な同居生活もできるだろう。

隣の東京都美術館で超控えめだけれど俺スゴイメンタルを死ぬまで自分の中で隠しただろう田中一水展が見られるので、なおさら、モネ_| ̄|○。という気持ちとこれぐらい空気読まない人が最終的に家庭もお金も名声も全部手に入れて天寿を全うするんだなと。

わたしたちも、そろそろ空気読まないで自分の欲望に忠実に行きましょう!

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モネの「睡蓮」コレなんじゃ見どころ(2)ハゲハゲ「睡蓮」にこれなんだ⁉/国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」展感想

第3章は撮影が可能な部屋。

第3章 大装飾画への道

部屋の様子はぜひ動画を見て欲しい。

白く明るくオーランジュリー美術館のあの楕円の部屋を思い出すけどあそこの白い光はもう少し控えめだったきもする。

入って右手には異様を放つハゲハゲの睡蓮。

美術手帖の解説では「縦199.3×横424.4センチという巨大な油彩画で、パリのオランジュリー美術館にある全長90メートルの「睡蓮」の大装飾画の一部、《木々の繁栄》に関連づく習作のうちのひとつ。柳の木が逆さまに映り込んでいる睡蓮の池の水面を荒々しい筆致で描いたものだ

とある。

ここではすぐ左隣りにはマルモッタン美術館の破損していない柳の反映があり、離れて見ると破損した方にも太い柳の木が湖面に映り込んでいるのが見えた。

普段は隣り合うことのない2作品を並べてみる。

企画展だからの贅沢。

ここがこの展覧会の1つのハイライトだ。

なぜこの絵はハゲハゲに破損しているのか?

美術手帖には「そもそもの欠損理由として考えられているのは、この作品が上下逆さまに保管されていたからだという。「水や湿気で被害を受けたのではないかと考えられます。農家の家に疎開されていたので、ほかの作品が重なっていたのではないかとも推測されます」とある。

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松方コレクションならではの理由だ。

ハゲハゲの作品は自身の美術館を作ることを夢見るモネの元を日本に最高の美術館を作る夢を持つ松方幸次郎が訪れたときに唯一販売された。

俺がすごい美術館をつくってやる!」という同じ夢への共鳴なんだろうか?

松方コレクションについては上記のインスタ投稿を。

国立西洋美術館の展示は企画展も常設展も松方コレクションの成り立ちを知っていると何倍も楽しめる。

上記のハゲハゲの絵が「農家に疎開していた」というのは、NHKオンデマンドで紹介されていた、松方幸次郎が自身の美術館のために西洋で買い集めた絵が戦争中、農家の納屋に疎開し、戦火を逃れたという奇跡のような話のことだろう。

下記の番組に詳しい。

展示可能な第3章最後の作品が展覧会のチラシにもあるこちら。

一際カラフルで明るくて、山田五郎YouTubeで東洋思想に傾倒していたモネは蓮が極楽の花であることを知り、亡き妻の鎮魂のために睡蓮を描き続けたという説と、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のお釈迦が湖面を覗き込む場面がオーバーラップして、極楽の蓮池ってこんな風かな? と思う。

男性は男性の浮気に寛容すぎる。リベラルな山田五郎といえどもそうだなと。鎮魂で絵を描き続けてもらうよりも、生きているときに立った1人の女だと大切にしてくれない男を支えるのは本当にばかばかしい。

自分でも自分の娘にもこれから生きるすべての女性にそういう生き方を美しいという文脈では1ミリも語りたくないと思う。

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モネの「睡蓮」コレなんじゃ見どころ(3)真っ赤が渦巻くモネの庭にこれなんだ⁉/国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」展感想

最後は、モネといえば淡い色彩とイメージからかけ離れた真っ赤がうずまく「バラの小径」の連作。

この土色に赤いバラの小道が何枚も連続して展示されている。

目を患った最高晩年の作品だけれど色はともかく弱々しさは微塵もない。

赤が土色に見え、
緑や青は黒に見えていたと手紙に残している

フォルムから解き放たれた自由な心。

この絵は合っているのですか?

と聞いた日本から来た人の問いを笑い飛ばして、「わたしが描いてきて、今では人気になっている絵もすべて最初は『この絵はあっているのですか?』と聞かれた。この絵もそうかもしれないよ

目がうまく見えないんですよとは決して言わない。弱みを見せない豪傑ジジイ画家の魂というか、メンタルの強さや太さに触れられる。

これだ、このメンタルだ! この空気を読まないメンタルこそモネだ!

抗がん剤治療中の私にも太い魂をください。 

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\モネと↓言えば↓こちらも読んでおきたい/

  • 展覧会名:モネ 睡蓮のとき

  • 会期:2024年10月5日[土]-2025年2月11日[火・祝]

  • 開館時間:9:30–17:30(金・土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで

  • 休館日:月曜日、10月15日[火]、11月5日[火]、12月28日[土]-2025年1月1日[水・祝]、1月14日[火](ただし、10月14日[月・祝]、11月4日[月・休]、2025年1月13日[月・祝]、2月10日[月]、2月11日[火・祝]は開館)

  • 会場:国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)

  • 巡回:京都市京セラ美術館 2025年3月7日[金]-6月8日[日] 豊田市美術館 2025年6月21日[土]-9月15日[月・祝]

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