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【栄養士さんに聞いてみた! 〜栄養素編〜】第5回:子どもの集中力の低下は、ビタミンB1不足のせい?

こんにちは。KIDS SNACK LABです。KIDS SNACK LABは、子どもの食生活のあり方について、日々研究を重ねています。本企画は、KIDS SNACK LABの研究員が、子どもに必要な栄養素について栄養士さんにお話をうかがい、子どもの健やかな食生活のヒントを得ていく連載です。
第5回目では、子どもの集中力とビタミンB1とのかかわりについて、栄養士の川田麻実さんにお話を聞きました。

【プロフィール】栄養士 川田麻実さん
Mommymate代表 資格認定オンラインスクール運営 栄養士/幼児食アドバイザー /オーガニックコーディネーター/フードコーディネーター
賢い栄養の取り入れ方と食の品質の上手な選び方を提案。
HP:https://www.themommymate.com/
Instagram:https://www.instagram.com/asami_kawata/

子どもの集中力の低下は、ビタミンB1不足のせい?

――日々、保護者の方が子どもと接するなかで、「子どもが前よりも集中力がなくなっている」「ぼーっとしていることが増えている」と感じる場面があるようです。集中力の低下には、どういったことが関係しているのでしょうか。

川田さん:わたしも二児の母なのですが、自分の子どもたちが、朝なかなかご飯を食べないことがあるんです。体がまだだるい状態なのか、 ちょっとグズグズしていたり。そういった体のだるさや集中力の低下に関係しているのが、「糖質分解不足」です。

――糖質分解不足、ですか。

川田さん:集中力不足の原因を「子どもの性格によるものなのかな」とか「やる気がないだけなんじゃないか」と考えるかもしれませんが、実はご家庭の食事管理によって、子どもの集中力不足の対策を練ることができるんです。そこで意識するポイントが、「糖質分解不足」を解消すること。そのためには、ビタミンB1を積極的に摂ることが重要です。

ビタミンB1の働き


――子どもの集中力の改善とビタミンB1はどのようなかかわりがあるのでしょうか。

川田さん:ビタミンB1には、糖質の分解をサポートする働きがあります。よって、ビタミンB1が不足すると、米やパンなどの食事から摂取した糖質をうまくエネルギーに変換できなくなってしまうんです。さらに、ビタミンB1不足の状態が続くことで、集中力がなくなってしまったり、頭がぼーっとしてしまったりしてしまったり……。身体症状として、乳酸が溜まることで疲れやすくなったり、食欲の低下が見られることもあります。

――たしかに大人でも、昼食に糖質を摂りすぎて、午後の仕事に集中できない、という経験をしている人は多いと思います。

川田さん:そうですよね。大人はそういった不調に対して、どうして調子が悪いのか原因を考えたり、周囲に説明する言葉を持っています。しかしながら、子どもの場合は、まだ自分の身体の変化をうまくお父さんお母さんに伝えられないこともあるはずです。なので、もし「いつもよりも子どもの集中力がないな」「なんだかだるそうだな」と感じることが続いたら、日頃の食事の中にビタミンB1を取り入れるよう意識してみてください。

子どものビタミンB1不足を防ぐために


――子どものビタミンB1不足を防ぐためには、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?

川田さん:まずは、炭水化物中心の食生活にならないようにすることですね。先ほどもお話した通り、糖質を分解するために、ビタミンB1は欠かせない存在です。つまり、炭水化物を摂取すればするほど、その分の糖質量に応じたビタミンB1が必要になるんです。もちろん、炭水化物は子どものエネルギー源として必要なものですが、ごはんや麺だけでお腹いっぱいにならないよう、バランスのとれた食事を心がけることが大切です。

――なるほど。糖質を摂ったら、その分ビタミンB1の摂取も必要になるのですね。

川田さん:また、清涼飲料水やインスタント食品、甘いお菓子など、糖分がたくさん含まれていて、ビタミンB1が入っていない食品は極力避けた方がいいですね。これらも、分解できない糖質を、身体にどんどん溜めてしまうので。

日常的にビタミンB1をうまく取り入れる方法


――糖質とビタミンB1、それぞれの摂取量のバランスがとれている食生活を意識することが大切なのですね。では、日常的にビタミンB1を摂るためにはどうしたらよいのでしょうか。

川田さん:ビタミンB1は、豚肉や大豆製品、 海苔、ぬか漬け、卵、にんじんなどに多く含まれています。まず一食の中のどれか一品に、これらの食材を加えるようにしてみるといいですよ。また、ビタミンB1が含まれた食材は、体内にビタミンB1をストックしてくれるアリシンを含む食材と一緒に食べるのもおすすめです。

ただし、アリシンは、ニラやねぎといったツンとする食材に多く含まれるもので、これらの野菜が苦手なお子さんも少なくありません。そういった場合は、たまねぎを活用してみてください。たまねぎは炒めれば甘みが出て子どもも食べやすいですし、カレーやお味噌汁など幅広い料理に使えます。

川田さん:あと、海苔もビタミンB1が豊富で、子どもへ手軽に与えられる食材のひとつですね。うちの娘も息子も、海苔が大好きで。海苔をそのまま渡すと、自分でぱりぱりちぎって食べるんです。もし毎日の料理でどうしてもビタミンB1が不足してしまうときは、おやつに海苔を与えるだけでも全然違いますよ!

ビタミンB1をおいしく取り入れられるおやつのレシピ

 
――海苔のほかに、川田さんのおうちでは、普段のおやつでどのようにビタミンB1を取り入れていますか?

川田さん:簡単なものだと、プレーンヨーグルトに、きな粉とオートミール、レーズンやフルーツを入れて、はちみつかメープルシロップかけて混ぜたものをよく食べています。大豆食品と言うと、納豆や豆腐を食べなきゃ、と考えてしまうようなのですが、きな粉なら子どもも食べやすい食材なので、おすすめです。また、ビタミンB1を多く含むにんじんを使った、お菓子のレシピもご紹介しますね。

キャロットケーキ

〈材料〉
米粉 50g
ベーキングパウダー 小さじ¼
卵 1個
にんじん 20g
ケール 5g(なくてもOK)
てんさい糖 15g
油 大さじ1
塩 適量

川田さん:最初に、オーブンを予熱で160℃にしておきます。米粉、ベーキングパウダーを混ぜたところに、すりおろしたにんじん、細かく切ったケール、卵、てんさい糖、油、塩を入れ、混ぜ合わせます(なお、てんさい糖は、アガベシュガーやラカントなどの低GIの砂糖でも代用可能です)。次に、型へ生地を流し入れ、オーブンで20分ほど焼いたら、粗熱をとって完成です! 甘くしたい方は、はちみつやメープルシロップをかけてくださいね。

川田さんのお子さんも大好きなキャロットケーキ


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子どもが疲れやすくなっていたり、集中力がなくなっている姿を見ても、その原因を特定するのは難しいもの。ただ、もしかするとその一部は食生活によって改善できるかもしれません。ビタミンB1を料理で補うのが大変なときは、ぜひおやつの時間に上記のレシピや海苔などをうまく取り入れてみてください。

次回は、子どもとビタミンB6のかかわりについて、引き続き栄養士の川田麻実さんにうかがいます。


取材・文=ひらいめぐみ 編集=KIDS SNACK LAB編集部


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