こどもに戻ればストレスは消えるのか?〜舞台『こどもの一生』を観て
先日観た舞台『こどもの一生』。1週間以上経っても、観劇中の不気味な感覚が抜けない。
要するに、ストレスを解消するため、現実世界の社会的地位などをすべて忘れて、みんな平等で無邪気な「こども」になりきろう、という話だ。
本劇を観て、「こどもになりきる」というストレス解消方法、あながち間違いではないな〜と思った(劇中では、患者をストレスから救いたいという想いではなく、さまざまな思惑があってこどもに戻そうとするのだが)。
大人にあって、こどもにないものは「経験」だ。
「経験」がないから、こどもたちは相手の気持ちを想像できないし(しようがない)、他人と比べないし(比べようがない)、善悪の判断がつかないし、無限に想像(挑戦)できる。
言い換えれば、こどもになれば、他者への気遣いがなくなり、自分のやりたいことに無邪気に挑戦できる。
他者への気遣いができない世界って、無遠慮な人が増えて生きにくそう感じてしまうかもしれない。だがむしろ、他者への気遣いが前提となっている今って実はかなり生きづらい社会なのではないかと思う。
何をするにも他者の顔色を窺って自由に行動できない今より、他人に構わず、自分のやりたいことに一直線になれたあの頃の方が、数倍生きやすかった。
他者への想像力は欠ける分、自分に対する想像力はものすごく持っていたので、一瞬でプリキュアになれたし、ポケモンマスターになれた。
今の社会を上手く生きるためには、「こども」のままい続けることは難しい。だが、心の中に「こども」を住ませて、しんどい時は「こども」として生きたい。
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以下、劇を観て感じたことをバーっとまとめてみる。
観劇してから1週間半経った今でも、『こどもの一生』のことを時々思い出してしまう。こどもについて、ごっこ遊びについて、「存在する」意味について。
しばらく、この余韻と向き合っていたい。