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階段怖い

私は階段が怖い。

上りも下りも、どちらも怖い。

自覚したのは、確か24歳ぐらい。

それまでは皆のように、難なく階段をこなしていた。

ボクサーがトレーニングで階段を素早くスタスタと駆け上がるように。

スノーボードで階段をリズミカルに下っていくかのように。

特に学生時代なんかは、階段に対して特別な感情を持ったことすら無かった。(当たり前)

しかし、いつの間にか、私にとって階段は。恐怖の対象となっていたのだ。


生活に支障はきたしている。めちゃくちゃ、きたしている。

1番は、駅のホームである。

私の場合は、手摺があれば、基本無敵だと思ってもらって良い。上り下り、変幻自在だ。

ところが、手摺が無ければ、何も出来ない。出来たとしても、この世でもっともノロマと化す。鈍重の極み。

隣を見れば、小さな子供が滑り落ちるかのように、スムーズに階段を下っている。本当に羨ましい。
携帯に夢中で足元なんか全く確認することなく、階段を下っている人もよく見かける。本当に本当に羨ましい。

駅のホームで手摺側に入りそびれた時。まじで残酷。上りはまだ希望があるのだが、下る行為は絶望的すぎる。

足が疼くのです。多分、いや、ほぼ絶対に、この感覚を理解してもらうのは不可能に近い。し、理解してもらうつもりは、特にない。

何故なら、足が疼くのは事実なので。

念のために補足しておくと(念のために?)、下りでは、手摺はガッツリ掴まずとも、指先がほんの少し手摺りに触れる程度で構わない。
誰かと居る時であれば、階段の真ん中だとしても、連れの腕を持してもらえれば。大丈夫になる。

上りでは、一段飛ばしをすれば、余裕。

この感覚が自分でも謎。めっちゃ謎。

話は戻って。
階段が怖いと自覚してからは、手摺がある端に入り込むことが、すこぶる得意になった。通勤で混んでいる時でも、スッと手摺側へ、体が勝手に溶けていく。


この恐怖がいつまで続くのか、克服する術はあるのか。以前ネットで調べたりも、した。すると、この現象が、「イップス」と呼ばれていることを。まず知る。
恥ずかしながら、イップスとは初めましてだった。知らない単語だった。

一応説明しておくと、、、

イップスはメンタルが原因で、自分の意思とは関係なく手足が震えたり、固まってしまったりしてパフォーマンスができなくなる症状のこと

らしい。これやん。私、これやん。でも、メンタル?って感じだった。ちなみに、階段から落ちて怪我をした経験などは全く無い。

イップス 階段 で、調べると、更に色々な検索結果が出てきた。そもそも、この現象は、「階段イップス」と名付けられているみたいで。

身体的や心理的な要因がトリガーとなり、階段の上り下りが困難になる運動障害

らしい。まだ20代であるため、体の衰え系は関係なしと思いたい。全然健康やし。
となると、心理的要因?思い当たる節が無い。昔からわりと心配性ではあるけれども、それ関係あるのか?今まで出来ていたことが、出来なくなる不可解さに、やっぱり私は頭を抱える。

それらの記事を掲載していたサイトには、改善策も丁寧に添えてあった。うーん。どれもピンと来ず。

よくよく原因を考えてみた。デスクワークで太腿が張っているせい?足に筋肉がないせい?
では、試しに、足を念入りにマッサージしてみよう。足の筋トレもしてみよう。しばらく続けたが、どちらも関係なかったっぽい。

となると、Yahoo知恵袋で、同じような現象に悩んでいる人が居ないのかを調べた。

すると、
料理が好きなのに、鶏肉だけがどうしても切れない。鶏肉を切ろうとすると手が震えて包丁を持てない。
鶏肉イップスさんを見かけた。

皆、人の数だけ、悩みがあるんだな、と思った。自分が階段を怖いと思い、それについて調べなければ、知ることのない世界があった。それで、なんだか、私は少し楽になった。


今のところは、階段対策を自己流で生み出せたり、なんとかギリやっていけている。ので、良しとする。

以前のように、難なく階段をこなせる日が待ち遠しい。


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