キッドおじさん
今いる部屋のベランダからは、中学校が見える。 かつて、僕も通っていた学校だ。 一応母校になるのだろうが、 ほとんど愛着はない。 その頃の友達とはほとんど誰ともつながっていない。 地元に愛着を感じないのはそのせいかもしれない。 2年生の冬、僕はアメリカから帰国した。 自分の意見を持ち主張することが当たり前の感覚で教育を受けた僕に、クラスメートの不思議な反応の意図を汲むことは容易ではなかった。 ある日クラスの悪ガキ大将みたいなデブに呼び出され、みぞおちに膝蹴りを受けた