どうしても使いたくなかった注射薬、それでも試した結果は……
先月の受診で、すべての数値が平常値になりました。
現在の血糖値は5.8です。
ただし、これは薬を飲んで得た結果、決して「治った」わけではありません。
私は、次回の受診までに体重を減らすという課題を抱えていました。
それができなければ、先生が提案してくださった注射薬を使う約束をしていたのです。
しかし、結果は全く体重が減らず。
先生との約束通り、飲み薬の「DPP-4阻害薬」を中止し、皮下注射薬である「GLP-1受容体作動薬」を使うことになりました。
注射薬を始める日、私の心の中は不安と不満でいっぱいでした。
注射薬を使って感じたこと
注射薬を使い始めて最初に感じたのは、「確かに食欲が湧かない」という変化でした。
それまでアプリで栄養管理をして、バランスの取れた食事を心がけていた私にとって、この変化は一見するとプラスに思えました。
ですが、空腹感がなくなることで、次第に自分の体との付き合い方が分からなくなっていきました。
こんなことを感じました:
「お腹が空いた」という自然な感覚が消える。
食事が楽しみではなく、ただの義務になる。
何を食べても「おいしい」と感じなくなる。
私はもともと「食べること」が大好き。
好きだからこそ、食べ過ぎたときには反省し、「次は気をつけよう」と自分で調整する。
糖尿病になってからは、空腹は野菜サラダで満たし、コントロールもうまくいっていました。
食べたいものは、きちんと計量し、ローカロリーなレシピで作る。
それが自分のやり方でした。
でも、注射薬を使ってからは、その感覚すら失われてしまったのです。
心がバグを起こした日々
注射薬による「食欲が抑えられる状態」は、私にとって逆にストレスでした。
空腹感がないのに食べてしまう。
何を食べても満たされない。
おなかが減らないので作ろうという気も起きません。
そんな自分にイライラし、気づけば爆食していました。
食べていれば、もしかしたら、頑張っていた時の充足感が戻ってくるのかもしれない、そう思ったのです。
お昼に食べ過ぎても、「だから夜は控えよう」という考えが浮かばない。
気持ちと体がバグを起こしているような感覚。
これでは、治療どころではありません。
結果として、体重は2週間で3kg増加。
このとき初めて、「このままではいけない」という気持ちになりました。
受診までに帳尻を合わせるよう努力し、最終的に前月より400g増で何とか収めましたが、これは単なる数字合わせ。
自分で本当に納得できるものではありませんでした。
自分で治療を管理するという選択
1か月後の受診時、私は先生に正直に話しました。
「反抗期みたいになってしまいました。でも、それは、自分の体を痛めつけていることに気づいて戻しました」と。
すると先生はこう言いました。
「僕らは治療に協力をしているだけで、病気を治すのは自分自身なんですよ。」
この言葉は私の心に刺さりました。
食事や体重管理を、薬に任せるのではなく、自分の感覚でコントロールしたい。
空腹感を感じ、それをきっかけにして食事を選びたい。
それが私にとっての「治療」だと強く思ったのです。
先生に注射薬の中止を申し出ました。
そして、その提案は受け入れられ、皮下注射は中止となり、治療法を元に戻すことに。
数値自体は安定していたので、今は「ヒグアナイド薬」だけで治療を進めています。
自分に合った治療法を選ぶ大切さ
「GLP-1受容体作動薬」は、食欲抑制やダイエット効果が注目される薬です。
実際、この薬を使いたいと思う人もいると聞きます。
でも、私には合いませんでした。
それまで数値改善に成功していた私にとって、この薬は「自分で努力したい」という気持ちを削ぐものでした。
治療は、医師や薬剤師との相談で進めるもの。
でも、最終的には自分が納得できる治療法を選ぶことが大切だと感じました。
私は自分のペースで、空腹感を感じながら治療を進めていきたい。
だからこそ、注射薬をやめる選択をしました。
この記事を読んでくださっているあなたへ
糖尿病治療は、自分自身の心と体を理解しながら進める旅です。
どんな薬が合うのか、何が自分にとって心地よいのか――迷い、悩むことがあって当然です。
でも、自分の体の声に耳を傾ければ、きっと自分に合った治療法や生活方法にたどり着けるはずです。
私は何事にも気持ちを優先してしまう性格のため、高い点数が必要な注射にするということが受け入れられなかったことも、気持ちが沈んでしまった要因だと考えています。
まずは、減量に薬が必要だと思われないよう体重を落とすことが一番!
私もまだ道半ばですが、「自分で管理する」という選択をして、少しずつ進んでいこうと思っています。
あなたも、自分のペースで、自分に合った治療法を見つけて、進んでいけますように。