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No.021 馬場 雄太郎(社会福祉協議会/コミュニティソーシャルワーカー)

※2019年10月時点の取材です。

【社会福祉士の専門性を生かせる仕事がしたい】

1.どうして福祉の仕事を選びましたか。
(法政現福に入学したきっかけは何ですか)

小さいころ少林寺を児童館で習っていたことが一つのきっかけで、児童館の先生(職員)になりたいと思っていました。

児童福祉に関心があり、保育士や学校の先生という選択肢も考えられましたが、広く福祉を学ぶことができる現福に決めました。


かつてお世話になった児童館の先生は、子どもたちのことをよく見て温かく支えてくれました。

年上のお兄さんお姉さんが年下の子たちの面倒を見るんだよと、そんな社会のルールを教えてくれた。

そんな児童館の先生の姿に憧れました。


児童館は中学生まで利用することができましたが、高校生になってからはボランティアとしてお祭りやイベントの手伝いをしながら、子どもたちを支える側に回りました。

児童館との関わりは、今も続いています。


実は、福祉系の大学に進むこと、福祉の仕事に就くことに、父は反対していました。福祉=介護というイメージがあり、賃金が安い等将来への不安が拭えなかったようです。

しかし父と色々話をする中で、また母が民生委員の役割を担うようになったこともあって、福祉とは介護だけを指すのではなく非常に領域が広いものであるという認識を持ってくれるようになりました。


福祉の仕事選んだ理由

児童館職員への憧れもあり、市の職員(公務員)を考えましたが、合格できませんでした。

そこで、大学卒業後1年間親戚の叔父の弁護士事務所でアルバイトを経験。そこで弁護士の仕事の忙しさと、専門性が持つ強さを感じました。

学生の時、社会福祉士の受験に落ちたのですが、改めて受験することに決めました。

社会福祉士に無事合格すると、資格の専門性を生かしソーシャルワークの仕事がしたいと思うようになった。

児童福祉に限らず、より広く地域福祉を支えるという社会福祉協議会を志望しました。生まれ育った八王子社協に縁あって入職することとなり、現在に至ります。

【個別相談から地域のニーズを見つける】

2.あなたの仕事について教えてください

肩書としては社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーです。

舘ヶ岡団地(八王子)でのコミュニティ再生の取り組みをモデルとしながら、より地域に密着した形で住民の相談場所、居場所づくり等を行っています。

そのために新たに社協事務所を地域の中に設置しましたが、その地域は自治会がとても熱心で、社協への警戒心も少なからずあり、初めのうちはやりずらさも感じてました。

しかし関係性ができる中で、個別の相談に対応してほしいというニーズが見えてきました。

隣接する地域包括支援センターとも連携し、地域住民の方の個別相談に力を入れています。


相談の例として、お盆の時期にはデイサービスが休みになってしまい困る。ほかに行くところはあるか、と聞かれたことがあります。

地域には、デイサービス以外にも高齢者サロンのような居場所は様々あります。しかし、それを知っている人は少ない。そこで、マップを作り見える化しました。


個別相談を通じて地域のニーズが見えてきます。

八王子社協では個別的な対応はコミュニティソーシャルワーカーが、地域のことは「生活支援コーディネーター」が担うとの役割分担がなされているとのことですが、相関するものなのだろうと思います。

【合意形成までの過程で大切なこと】


3.大学での学びが仕事に生きていると感じるのはどんなときですか

佐藤ゼミでの学びが大きいです。

ゼミでは、テーマ決めから学生主体で行い、チームでプレゼンテーションを作り上げる活動をしていました。様々なテーマをそこで考えることができたのは、今の仕事に大いに役立っていると感じます。

チームで1つのプレゼンを作る作業には、合意形成のために地道に話し合いを続ける力が必要だと考えます。

また、ゼミでは「家族会」(例えば精神障害をもつ人の親の会、のような)にお邪魔するプログラムがありました。

実際にその場に行って当事者の語り聞くという経験は、やはり大切だと思います。なぜその家族会ができたのかとか、あらゆる経緯をきちんと理解しなければなりません。


今の「地域に入っていく」仕事では、地域の方々と信頼関係を築くために、あらゆることに積極的に足を運び参加すること、地道に対話を続けること、その先の合意形成を目指すこと。

そして、その地域の歩んできた歴史、経緯をしっかりと知ること。

そんなことを大切にしていますが、これらは大学時代にゼミで学んだことです。

【少林寺と手話の研鑽】

4.いま興味を持っていることやテーマは何ですか

幼いころから研鑽を積んできた少林寺ですが、指導者の立場になり、門下生を持てるようになりました。

まだ若い自分がそのような立場になることに不安や戸惑いはありますが、頑張りたいと思っています。


また、地域のお祭り行事に社協として出店したとき、耳の不自由なお客さんが来られました。

その方は、社協なら当然手話ができるという認識だったようです。しかし自分には手話の心得がなく、悔しく、申し訳ない思いをしました。

なので、これから手話の勉強にも取り組んでいきたいと思っています。


【子どもたちにプラスのきっかけを与えられる人になりたい】


5.今後の目標を教えてください


やはりまずは少林寺のことです。

先述の通り、幼いころ児童館で少林寺の先生に出会い、多分の影響を受け、今の福祉の道を選びました。

自分が先生の立場になることは恐れ多くはありますが、かつての私がそうだったように、子どもたちの将来に何らかのプラスのきっかけが与えられるような人になりたい。

少林寺を通じてそれができたら本望だと思います。


仕事は今3年目ですが、今いる社協事務所に5年は勤めたいと思っています。

地域住民の方に顔を覚えてもらうために、そして、私を通じて社協との関わりを深めてもらいたいです。


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