#6 愛の感染 Infection d'amour 桑の実の泡パフェ
今回は、
桑の実のための
桑の実による
桑の実の
泡パフェの誕生です。
桑の実、あなたの家の近くに生えてたりしませんか?
コンクリートの道路が何故だか真っ赤に染まっていて
、アレレと思って上を見ると桑の木がそびえ立っていたり。
小学生のころ、学校帰りにたべたり。
野性味あふれるこの時期だけの特別な果実。
まずは、90秒ほどお時間をいただき
短い動画をご覧ください ♡
ある液体を泡にスポイトでかけるとピンク色に染まっていく。
愛の感染 Infection d'amour
今回は、動画を貼り付けたかったので、先に動画をつくりました。
レシピは簡単なメモ書き程度だったので、
今から詳しく書いていきます。
そうだ。
この動画を見て思い出しました。
桑の実エキスに1gのゼラチンを入れ。
それを
メレンゲに加えていったんでした。
あまりはそのまま柔らかなジュレとなりますので
泡・桑の実とともに、カップにいれていきます。
’桑の実’
旬は6月
こんな果実です、
桑の実とは
英 mulberry マルベリー
仏 mule ミュール
桑の実とはクワ科クワ属の落葉樹になる果実の総称です。
日本では、かつて養蚕が盛んだったこともあり、各地に桑畑の名残があります。通常桑の木は接木で繁殖させるため、各地域で、独自の品種が選抜、育成された事から、地方ごとに様々な品種が生まれ栽培されてきました。また、もともと山に自生しているヤマグワなどもあり、桑の品種はものすごく沢山あります。
英語ではマルベリー(Mulberry)フランス語ではミュール(Mure)といいます。
〜foods linkさんより
私が桑の実をはじめて知ったのは、はじめて就職したケーキ屋さんでのことでした。
そこには'ベリーのタルト'という名前の、店内で売り上げ1.2を争う人気のケーキがあり、(ちなみに1位はいちごタルトかフルーツタルト)
※ここでちょっぴりケーキ屋豆知識
なぜだか、ケーキ屋さんでは赤い苺ののったケーキから、基本売れるんですよ。定番のショートケーキはもちろん、人間って赤い食べ物に目が行くのかな?・・・・いやいや、私は違うというそこのあなた。
苺ののったケーキを選ばないあなたは通ですね。
当時、厨房になかなか入れず、売り子だった私は、一生懸命、それぞれのケーキに使われている素材や成り立ちを、お客様にお伝えするため覚えたものでした。
そのベリーのタルトには、・・・・5種類のベリーが使われていました。
●いちご
●ブルーベリー
●フランボワーズ=ラズベリー
●グロゼイユ=赤すぐり
そして、この
●桑の実=ミュール
という感じで、当時は呪文のように
お客様にこの説明をお話していました。
タルト生地は、フォンセ生地
サワークリームに少々のシナモンをふり
焼き上げてあります。
いちご以外のベリーは、冷凍のものを使っていて、どんなに上掛けゼリーで固めても、とにかく解凍後の赤い水分が凄く出てくる…
途中、改良がなされ、タルトの上にジェノワーズというスポンジが敷かれて、水分は少しだけ受け止められることに。
それでも、
ショーケースのお皿の上が真っ赤になっていて、売り場に立ちながら、キッチンペーパーで吸い取り拭く、ということも日課のひとつでした。
ただ、このケーキは、どんなに汁が溢れても
本当に美味しかった。
今も、忘れられない大好きなお菓子のひとつです。
個人的には、この5つのベリーの中で
1番'もっさり'感じるフルーツが、桑の実でした。
何というか、、
ベリーなのに、フレッシュ感はあまりなく
どっしり、ガサガサすらしていて…
種の繊維をしっかり感じ、水分量も、他のベリーに比べて少ないベリーです。
フランス産の冷凍の桑の実はかなり大粒の印象でしたが今回の日本の桑の実は、少し小ぶりなもの。
今年、この実が赤らむ(正確には真っ黒になる、の表現が正しい)のを見つけて、何かデザートがつくりたいと、しばらく考えていました。
とにかく、紫色の泡を私は作りたかった
フルーツの美しい色を生かすのは
私は重要視する点です。
例えばムースを作るとき。
ゼラチンを溶かしたくて必要以上にフルーツのピューレの温度を上げすぎると、たちまちくすんでしまいます。フランボワーズなんかは特に。
、、、というわけで
今回、まずはエキスを取り出します。
本当は、何キロも桑の実が取れるならば、まとめてミキサーにかけ、ピューレにしてから細かめのザル、シノワで濾せばかなりキレイなピューレがとれます。
しかし、私が今回つくるのは
ほんの少しの量。
倍量くらいのひたひたのお水に桑の実をいれ
少しだけ鍋で温めながらスプーンで潰してみました。
とても美しい赤紫色のエキスです。
スプーンでぎゅうぎゅう押して
エキスを取り出します。
次にやることは、メレンゲづくり。
生クリームの入らない
ムースのようなものを作りたかったけれど
甘くしすぎるつもりはない。
奥の深いメレンゲと砂糖の関係。
ツヤツヤできめ細やかで、時間が経っても離水しない。そんなフワフワのメレンゲが作りたいなら、
イタリアンメレンゲやスイスメレンゲ
のように、卵白の2倍ほど砂糖を入れたら間違いがない。
これは、しかし
とっても甘い。単体で使うというより
ムースに軽さを出すために加えたり
レモンタルトの尖った酸味に釣り合うように
上に乗せたりする。
砂糖とメレンゲは仲良しだから
砂糖があることで、メレンゲが綺麗にできる。
だけど、あまり早く入れすぎると
砂糖の重みでふっくら泡立たない。
砂糖って、卵白の泡を繋ぐロープのようなもの。
だから、よくメレンゲを加えるときにきく、
'3回に分けて'の
3回のタイミングは、
はじめに、卵白に対する砂糖の量をよく見極めるといい。
今回は、卵白に対して半分よりも少ないぐらいのグラニュー糖を加えてみる。
比率の量として、多いわけではないので
早い段階で加える。
そうしないと卵白がポロポロしやすい。
なるべく滑らかにしたい。
程よい甘みのメレンゲができたところで、
先ほどの桑の実エキス+少量のゼラチンを溶かして加えておいたものを加える。
キレイな紫色が
スモーキーピンクになり、、
さらに時間が経つと、
灰色に…
アレレ
私の好きな紫色のはずなのに…
でも、通常黒いお菓子と言えば、竹墨などを入れることが多いのに、ベリーでこのアンティークのような絶妙なピンクグレーになるのが、かえって愛しく感じる、
そんな色味。
こんなことは、以前にも時々感じていて
ブルーベリーやカシスなんかのピューレを
生クリームにそのまま混ぜたりしてもかなり黒っぽくなる。
これの対策は、レモンなどの酸を加えること、
酸性反応で明るい色に変わる。
・・・そのとき私は閃いた!
これは、あとから色を変える仕掛けの
デザートにしようと。
ところで、この砂糖の少なさに加えて
さらに桑の実エキスの水分が加えられたこのメレンゲ
となると、離水してしまうかも、、ということで
桑の実エキスにゼラチンを入れたものをメレンゲに入れてみたのだが、、すぐ使うなら入れなくても良いと思う。
(どうしても翌日~使うなら、このエキスには、ゼラチンを3〜5%くらい加えてもよいのかもしれない。というのも、桑の実エキス入りメレンゲ2日あとには離水が見られたので)
今回、私はその離水やゼラチンのかたまり具合をみたかったので、2日後に仕上げましたが、ある程度の保形性を保っていたので、すぐ仕上げない場合には
ゼラチンは入れて良かった気がしています。
recette
桑の実 20g
水 40g
砂糖 お好みで。
ゼラチン 1g
⭐︎卵白 2個分
⭐︎グラニュー糖 35g
ミニグラスに入れる飾り用桑の実 適宜
適量のクエン酸を溶いた水 適宜
薄紫色の菊の花びら
スポイト
クエン酸がない場合は、レモンなどで代用できます。
●レシピに書きましたが
考え方はこうです。桑の実エキスが取れるくらいの水を少し加え、砂糖とともに潰してエキスをとりだす→柔らかく固まるぐらいのゼラチンをとかしておく。液体の約2%
卵白の重量に対し、約半量のグラニュー糖でメレンゲに。ゼラチンエキスを入れて色付け。
作り方
1.小鍋に桑の実と水を入れ、少しだけ温めながら
スプーンで潰す。細かいザルで越して、砂糖をお好みで加え、再び軽く温めてからゼラチンを溶かしておく。
2.メレンゲをつくる。
グラニュー糖はきもち早めに3回に分けて加える。
3.ツヤっとしてツノが立ったら(動画参照)
1で作ったエキスをメレンゲに加え、さっくり混ぜる。入れるエキスは好みの色になるまで。
あまりのエキスは、そのままゼリーとして固め
デコレーション時に使用
仕上げ
ミニグラスカップの底に、桑の実とエキスゼリーを入れておく。泡をすくい入れ、桑の実とエキスゼリーを上にも飾る。
スポイトでクエン酸溶液を吸いあげ、
皿に添えてサーブする。
いただく際に、泡にスポイトで液をかけ
ピンク色の変化〜
愛の感染 Infection d'amour を
楽しみながら
いただきましょう、、♡
召し上がれ ♡
こちらは、徒然レシピのため
書き漏れなどがありましたらお知らせください。
なるべく、あなたの味をお作りいただけるよう
ポイントだけお伝えするようにしています。
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シークレットパティシエ kia
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