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お楽しみのサンジョヴェーゼ♪
フィレンツェの語学留学の時にお世話になったホストファミリーは大学生の兄妹(グイドとマリアンナ)、彼らのお母さん(エメレンツィアーナ)と伯父さん(フランコ)の 4 人家族だった。八百屋を営む彼らの家はサッカースタジアムのすぐ近くの大きな家で、常に複数人の留学生を受け入れていた。留学生といっても語学学校に通う生徒たちなので長くても半年、短期留学だと1~2週間という生徒も多く、私がいた半年間は入れ替わり立ち替わりで10人ぐらいとの出会いと別れを経験した。私がラッキーだったのは同じ時期に私と同じ半年留学組が 2 人いたことだ。フランチスカ(スイス人)とアリソン(アメリカ人)。
彼女たちとの思い出は書き出したら止まらなくなりそうなので、またの機会に。
ホームステイの食事の契約は基本的には朝食と夕食のみとなっており、八百屋の朝は早い為、私たちの朝食はセルフサービスだった。セルフサービスでも全然問題ないほどイタリアの朝食は気軽でフリースタイルなのだ。
夕食は家族揃って食べた。八百屋さんということもあり季節の野菜もふんだんに食卓にあがった。日本では当時馴染みのなかったイタリア野菜の多くをこのステイ先で教えてもらった。小さめのそら豆をフランコにすすめられるがまま生で食べたのも初めての経験だ。
そしてさすがイタリア!トマトの種類が豊富だ。中でも私が大好きだったのは、完熟の細長い品種のトマトを乱切りにして、ちぎったバジルと塩、オリーブオイルをざっくり混ぜて冷やしておき、食べる直前に紫玉ねぎを少量削り入れるという食べ方だ。それだけでも美味しいのだが染み出てきたトマトの汁をパンにつけて食べるのもくせになる。フィレンツェのパンは塩が入っていないため日本の白米感覚とでもいおうか、おかずの汁との相性がとても良い。
酒屋で生まれ育ったからというわけではないが、夕食の食卓にはアルコール類が欲しい。
彼らのお店には野菜や果物だけではなく、瓶詰などの加工品や洗剤などの日用品、飲料、アルコール類も売っていた。
そしてここはイタリア。
テーブルセッティングをみんなでお手伝いして席に着いた私の目の前にはサンジョヴェーゼのボトルが!そう、トスカーナ地方でよく作られているブドウの品種の赤ワインだ。
が、その頃の私はまだ品種も何も知らず赤ワインという認識しかしていなかったが、目が赤ワインのボトルにくぎ付けになっていたのだろう。多分ニヤニヤもしていたはずだ。お恥ずかしい・・・。
そして、多分初めて飲んだサンジョヴェーゼ・・・あ~美味しい♪
!!?!!と思ったのもつかの間、グイド、マリアンナそしてフランコまでもが自分たちのグラスの赤ワインに透明の何かを加えていた。
何事?
聞けば透明の液体はガソーザ(日本でいうサイダー)とのこと。サンジョヴェーゼは少し重めの赤ワインなので気分によってはこういう飲み方もするのだそうだ。
早速私も半信半疑で真似てみた。
なるほど~。これはこれでありだな♪
美味しく飲めれば飲み方は自由でいいんだよ!と教えてもらった家族団欒は毎晩の私のお楽しみの時間となったのでした。