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サッカーボールを豪速球で投げていたら、野球というゲームを教えてあげたらいい。

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廊下は、もはやランニングコースなのではないだろうか。

学校でよく言われる「廊下は走りません!」は、少し難しい。なぜなら、廊下は走るために出来ているって、言っても過言ではないからだ。

・休み時間は10分。
・1秒でもたくさん遊びたい子ども。
・チャイムという「よぉーいどん!」が鳴る。
・廊下は、細長く見通しがいい。

走るための条件が、たくさん揃っている。’’その子‘‘が走っているのではなく、’’システム’’がその子を走らせているという発想もできる。

そして、私たちは、よく注意する。「走ってはいけません!」と。しかし、‘’先生‘’が注意をしているのではなく、‘’システム‘’が先生を注意させているという発想もできる。

私が見学に行ったあるオランダのイエナプランスクールでは、子どもたちが廊下で走っている様子は、ほとんど見かけなかった。一つの理由として、休み時間が、1時間以上あることだと思う。※

外遊びの時間が1時間もある生活を、6年も続けば、廊下も落ち着いて歩けるのではないだろうか。

私が子どもに言っている’’注意’’は、私が作り出したシステムによって、引き起こされてないだろうか?

(※イエナプランスクールでは、‘’遊び‘’を大切にされています。なので、イエナプランスクールでは休み時間はなく、遊びという学習時間があります。)

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きのこ帝国のような夜。

私は散歩が好きだ。オレンジのライトに包まれて歩くのが好き。しかし、これは私が歩いているのか。それとも、夜が私を歩かせているのか分からない。

そんなことを思いながら、最近の児童ホームの日々を振り返る。

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「まてー!」「ぎゃー!!」

ドドドドッ。

児童ホームに、足音が鳴り響く。走り回っているようだ。

しかし、私はすぐに注意をしない。まずは、走り回っている背景を考える。「走ることで何を求めているのかな?」「体を動かしたいのかな?」「室内の環境は、どんな感じかな?」

そして、環境を変えてみる提案をする。「外にでも行こうか?」と。すると、問題行動が、ポジティブな見え方となる。例えば、室内で走り回る問題行動も、外で走り回ったら逆に健康で良い行動となる。注意をする前に、適切な環境かを吟味する必要がありそうだ。

サッカーボールを豪速球で投げていたら、野球というゲームを教えてあげたらいい。

また、室内は走りにくいように、机を引き詰めたり、走り回りにくそうな机配置にしたりする。すると、大幅に走ることが少なくなる。

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「〜しなさい」
「〜したあかんで」
「ダメでしょ」
私はよく言ってしまう。

しかし、言ってしまった同時に、心では「そんな状況を作り出したのは、私なんだ、ごめん」ってなる。

‘’何度も言う注意‘’は「私は、あなたを信頼していないよ」「あなたはできないんだ」というメッセージになりかねない。だから、少しでも言う回数を減らせれたらと思う。そして、楽しいことをいっぱいしたい。

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サッカーボールを豪速球で投げたとき、「ルール違反やーーーー!!!」「投げたあかんやろ!!!」って注意するより、野球というゲームを教えて、一緒に楽しめばいい。

環境が変われば、その子の願いが叶うかもしれない。

あなたの「やりたい」を全て応えるよ。それが私の仕事なんだから。

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