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大河ドラマ『べらぼう』スタート! 横浜流星が演じるカラッとした明るい“The・主人公”

これまで、大河ドラマはどうにも苦手意識があり、チャレンジしてみるも完走できなかった。

唯一完走できたのは吉沢亮さん主演の『青天を衝け』のみ。2025年の大河は横浜流星さん主演の『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』。横浜さんの演技が見たいという気持ちと、主人公の蔦屋重三郎が「ポップカルチャーの礎を築き、面白さを追求した人物」、そして脚本が大好きなドラマ『JIN-仁-』を手掛けた森下佳子さんということで興味が湧いた。

これなら完走できるかもしれない!したい!という気持ちで、その気持ちを持ち続けたいという自分への期待も込めて、これから毎週感想を連載形式で書いていきたいと思う。

私は大河に詳しいわけでも歴史に詳しいわけでもない。長い日もあれば極端に短くなる日もあると思うし、感じたことを素直に書いていくつもりだ。

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く、笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマ。

“蔦屋”といえば、思い浮かぶのはレンタル事業や書店などを手掛ける「TSUTAYA」ではないだろうか。TSUTAYAは、創業者の祖父が営んでいた屋号が「蔦屋」だったことに加え、蔦屋重三郎にあやかって名付けられたともいわれているそうだ。

奇しくも、私は本日TSUTAYA巡りをしていた。配信されていない映画を仕事で見る必要があったため、DVDをレンタルしようと昔から使っていたTSUTAYAへ足を運んだ。

しかし、私が昔通ったTSUTAYAは現在レンタルを行っておらず、もうひとつの場所に足を運ぶと閉店していた。確かに配信サービスが主流となっている今、レンタルを行っている店舗はかなり少なくなっている。近くにレンタル事業を行っているTSUTAYAがなかったため、ネットでレンタルできるTSUTAYAディスカスに登録をして事なきを得た。

時代が変わったなぁと思いながら歩いていた帰り道、そういえば今日は大河ドラマのスタート日だと思い出した。楽しみに帰宅して、リアルタイムで見ようとワクワクしながらテレビの前にスタンバイした。仕事でもなく、絶対リアルタイムで見たい!と思う番組は久しぶりだった。


第1話『ありがた山の寒がらす』(1月5日放送)あらすじ

明和の大火から1年半、蔦重こと蔦屋重三郎(横浜さん)は、茶屋で働くかたわら貸本業を営んでいた。ある日、松葉屋を訪れると幼なじみの花魁・花の井(小芝風花さん)から、朝顔(愛希れいかさん)に届けものを託される。

しかし蔦重が浄念河岸の二文字屋を訪れると、ひどく衰弱した朝顔の姿があった。吉原の場末である河岸見世の女郎たちの酷い惨状を見て、思い悩む蔦重。そんな中、吉原で付け火の事件が起き、町は騒然となる。

幼い頃から世話になった朝顔が衰弱したまま亡くなり、そして食事もろくに取れない女郎たちの姿を見て、蔦重は老中の田沼意次(渡辺謙さん)の元へ。運上・冥加(税金)を収めていない不逞な岡場所が増え、そのせいで吉原の末端の女郎たちは腹を満たすこともできないということを訴え、「けいどう」(町奉行が私娼窟などを取り締まること)を行ってほしいと伝える。

しかし田沼はそれはできないと答え、「吉原のためだけに国益を逃すわけにはいかない」とキッパリ。宿場が潰れれば、商いの機会が減り、それによる大幅な利益=国益を逸することになるのだと話す。

それでも食い下がる蔦重。田沼は立ち上がって蔦重に近寄り、「けいどう」を行う前に正すところがあるのではないかと言い「吉原に客が足を運ばぬのはもはや吉原が足を運ぶ値打ちもない場に成り下がっているのではないか?」と尋ねる。

蔦重が「女郎は懸命につとめております」と答えると、田沼は「では人を呼ぶ工夫が足りぬのではないか? お前は何かしているのか。客を呼ぶ工夫を」と口にした。

蔦重は、去る田沼の背中に「お言葉目が覚めるような思いがいたしやした! まことありがた山の寒がらすにございます!」と頭を下げるのだった。

蔦重のカラッとした明るさ

この話、まず、主人公の蔦重がめちゃくちゃ明るい。明るければいいというわけでもないが、日曜の夜放送のドラマで主人公が明るい性格なのはなんとなく救われる。

そして横浜さんのコロコロ変わる表情!素敵だ。横浜さんはどうしても影のある役を演じているイメージが強いのだが(もちろんそれだけでないことは知っている)、こんなにカラッとした横浜さんが1年間見られるのか!と少し感動したしワクワクした。

年末に映画『正体』を見ていたため、横浜さんの振り幅に驚きながら、テンポの良さと全体の明るさや華やかさで一気に物語に吸い込まれた。個人的に好きなのは、蔦重、ちょっと口が悪いところ。ムカつく奴がいると「鼻から屁が出る病になりゃいいんだあんなやつら」などと言っていて笑った。心の中に飼いたい系主人公である。

朝顔の亡骸の衝撃

衝撃的だったのは、蔦重が朝顔の亡骸と対面する場面。朝顔は、他の亡骸と共に真っ裸で横たわっていた。横たわっているというか、あれはもう、捨てられていた。

着物を売るために剥ぎ取られ、裸になった亡骸たち。臀部まであらわになっていて息を飲んだ。それまでの明るい雰囲気とは一変、このシーンは残虐さというか、吉原の闇のようなものを一瞬にして映し出していた。

その亡骸の前で蔦重が朝顔との思い出話を語り出すものだから、余計に胸が苦しくなった。朝顔は優しい人だった。数分の回想と、朝顔が自分の食事を他の女郎に与えていたシーンだけで十分伝わってきた。

「人を呼ぶ工夫が足りぬのではないか?」田沼意次の説得力

蔦重が会いに行った田沼意次は、幕府“新時代”を目指す改革者にして、“絶対的権力者”。渡辺謙さんの説得力がすごい。渡辺謙さんが画面に登場した瞬間に作品全体がピリッと引き締まった感じがした。田沼に正面からぶつかる蔦重、これもまたカラッとしていて気持ちがいい。

そちらの力で現状をどうにかしてくれと訴える蔦重に、田沼は言い放つ。

「人を呼ぶ工夫が足りぬのではないか? お前は何かしているのか。客を呼ぶ工夫を」。

私は過去にまったく違う職種で店長職をしており、同じような状況になったことがある。現場の不満を訴えて、上司にそれで君は何かしているのかと言われたことがある。現場の人間と、それを外から広い視野で見ている人間は、着眼点も見えている範囲も違う。

田沼の言葉を聞いた蔦重、横浜さんの表情はこれまた見事で、本当に「目からウロコ」を体現しているような表情だった。横浜さんはやっぱり瞳が素敵だ。個人的には声の出し方も魅力だと思っている。蔦重の横浜さんは腹から声を出している感じがして、明るく力強い声だ。

第2話は、蔦重がさっそく何かを思いつく模様。1時間見た後の感想がシンプルに「楽しかった~!!」だったので、来週もきっと私はワクワクテレビの前でスタンバイするのだろう。

第2話『吉原細見「嗚呼(ああ)御江戸」』(1月12日放送)

蔦重は、吉原の案内本“吉原細見”で客を呼び寄せる案を思いつく。
その序文の執筆を依頼するため、江戸の有名人・平賀源内(安田顕さん)探しに奔走する。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』公式ホームページ



これを書いたら今まで書いたすべてが薄っぺらく感じる気もするけどどうしても言いたいことがある。

横浜流星さん、男前。美しい。

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