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年末年始のくるしさに(オススメ読書/映画/ドラマ/音楽)

三が日が明けました。
胸揺さぶられるニュースが続き、「ホッと一息」とはいかなかった方が多いのではないでしょうか。
災害や事故等のニュースが続くときは、過去のトラウマが想起されやすいときでもあります。
まずは自分の心身を大切に、そして、余った力でできることをやりましょう。 


さて、実は年末から、ひっそりオススメ本などを呟いていました。

年末年始などの国民的休暇は、家族、パートナー、親族…色んな関係が密になって、ウッと苦しくなる時期でもあります。
私(渡邉)もそんな一人です。
帰省の話題はできるだけ避けたいし、「絆」を強調するようなバラエティ番組は、そっとチャンネルを替えてしまいます。

くるしいときは、読んだり、観たり、聴いたりすることがセルフケアになります。
小さな頃から、私はずーっと創作物に助けられてきました。
今回は、そんな私(たち)にそっと寄り添うアレコレを、私の好み炸裂でご紹介します。 
X(Twitter)で呟いたオススメ作品をまとめてみました。(大人向けの作品が多いです。)


  • にがにが日記(岸政彦)新潮社

    ひとの日記を読んでいると、あっという間に時が経つ不思議。「人生はにがいのだ」という帯文に、なぜかホッとする。ままならない日々の色んなことが、じんわりケアされる一冊。眠れない夜に。

  • ケアしケアされ、生きていく(竹端寛)ちくまプラマー新書

    ケアレスな社会で、自分をなおざりにした上に成り立つ他者への過剰なケア…ケアって難しい。迷惑をかけるな!頑張れば報われる!というかけ声に毒された私たちを解毒してくれる一冊。

  • 人間関係を半分降りるー気楽なつながりの作り方(鶴見済)筑摩書房

    家族=絆、笑顔、愛…そんなキラキライメージに胸締め付けられるとき、家族幻想に押しつぶされそうなとき…「気楽」を得て、自分の人生を取り戻すためのメッセージに救われます。

音楽

  • 15の即興曲第15番 「エディット・ピアフを讃えて」(プーランク)

    寂しさや何かに焦がれる気持ち寄り添う名曲。揺れ動く気持ちを、良いも悪いも無しに、ただ受けとめたい時に。

  • 甲州街道の十二月(サニーデイ・サービス)

    ひとり夜道で空を見上げながら、イヤホンで聴く気持ちよさといったら。終わることは始まること。どこにでも行ける、そんな気持ちになれる一曲。

  • we can go(鬼束ちひろ)

    美しい比喩を用いて、恐れや不安、弱さを抱えながら自由を希求する様を歌い上げている。祈りのような「we can go」のリフレインは、つい口ずさみたくなります。

ドラマ

  • 埋もれる殺意(イギリス)

    罪と罰、善と悪、過去と現在…それでも生きていかねばならない私たちを、綺麗ごと抜きで、「希望」を見せながら描く。刑事二人のバディ感も素敵。アサーティブなチームがとても心地よい。 
    (※性暴力事件のテーマ回あり)

  • カルテット(坂元裕二脚本)

    血縁のしがらみ、「ふつう」の暴力性、選択縁の豊かさ。「同じシャンプー使ってるじゃないですか。家族じゃないけどあそこはすずめちゃんの居場所だと思うんです。」お守りになるセリフが連発です。

  • ブロードチャーチ(イギリス)

    単なる刑事ドラマでは終わらないのが英国ミステリ。加害者だけに加害の責任を背負わせず、罪の内訳を徹底して考え、地域としても罪を背負う。修復的司法の要素を含んだ成熟した対話文化に圧倒されます。 
    (※グルーミングの描写あり)

映画

  • インセプション(クリストファー・ノーラン監督)           

    複雑な階層構造と、夢と現実、潜在意識といったモチーフは、じっくり思考に浸りたいときにピッタリ。「虚無」の感覚を知っているあなたに。

  • ねじれた家(アガサ・クリスティ原作) 

    この家族、色んなことが「ねじれて」いる。犬神家のようなメンバーから、最もねじれている人物を探すことに気が逸れてしまう。ラスト、まっすぐな狂気に度肝を抜かれます。  

  • マイ・ブロークン・マリコ(タナダユキ監督)

    平庫ワカ原作漫画の実写化。生き延びてしまったシイノ。壊れて(壊されて)死んでしまったマリコ。過酷な日々の絶望を分かち合う先に小さな希望がある。一筋縄ではいかないシスターフッドが宝物のように輝いて見えます。

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