butterfly effect
butterfly effect バタフライ効果とは、カオス理論における初期値鋭敏性の寓意的な言い換えである。
カオス理論:ほんのわずかに初期条件が変わるだけで結果に大きな差が起こる現象、予想がつかないような複雑な現象を起こす微分方程式・力学系を扱う理論。カオスは、英語で混沌、無秩序を意味する。
バタフライ効果(butterfly effect)という表現は、気象学者のエドワード・ローレンツが、1972年にアメリカ科学振興協会で行った講演のタイトル"Predictability: Does the Flap of a Butterfly's Wings in Brazil Set Off a Tornado in Texas?"(予測可能性:ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?) に由来。
Edward Norton Lorenz 1917年5月23日 - 2008年4月16日
ローレンツ自身は初期値鋭敏性の象徴として元々はカモメを使っていたが、この学会の主催者で気象学者のフィリップ・メリリースが蝶に変更したことで、この講演タイトルとなった。
バタフライ効果とは、変化や原因が、連鎖反応を重ね、大きな結果や状態を生み出すことを意味する。
例えば、ブラジルにいる蝶が羽ばたくと、アメリカのテキサスで竜巻が発生するというようなもの。
小さな変化が連鎖反応を重ねた結果、予想もつかない結果を生み出すというもの。
元々は、天気を予報するために使用されていた、言葉である。
スーパーコンピューターに完璧な計算式を打ち込んでも、不確定要素が多すぎて、完璧な推測は不可能。
なので、天気予報が100%的中することはあまりない。
例えば、自然の中で、ボールを持っていて、100%同じ場所、同じ位置に落ちるのはありえない。
重力、風、高さなど色々な要素が入り混じっている。
バタフライ効果は、我々の人生の出来事に重ね合わせると、面白い側面が見えてくる。
バタフライ効果の実例①
ある少年がオーストリアのウィーンで画家を目指し、景色の水彩画を描き売っていた。
彼は1907年、美術学校を受験し不合格。
翌年も再度、同じ美術学校を受験し不合格。
その後、スラム街で貧困生活を過ごすことになる。
それから、時がたち、軍隊へ入隊し第1次世界大戦を経験。
その後、第2次世界大戦に於いて、ナチス・ドイツを率いてヨーロッパの国々を蹂躪し、ユダヤ人の大虐殺「ホロコースト」を主導。
そう、あのアドルフ・ヒトラーの事である。
Adolf Hitler 1889年4月20日 - 1945年4月30日
もし、美術学校に入学できていたら、ナチス政権のホロコーストは、起きず、何百万人の命は奪われなかったかもしれない。
そう考えると完璧に未来が変わる。
いや、もっと酷い独裁者が出現していたかもしれない。
美術学校に入れなかったという事が、連鎖反応を起こし、その後のナチスドイツが出現するきっかけに繋がったと考えられる。
もちろん、その他の多くの要因も影響している。
バタフライ効果の実例②
ジョン・F・ケネディについても、バタフライ効果で語ることが出来る。
John Fitzgerald Kennedy 1917年5月29日 - 1963年11月22日
彼は、幼少期から体が非常に弱く、生まれつきの虚弱体質だった。
ケネディは、脊髄の発育不全のためケガをしやすく、しばしば背骨や腰は激痛に襲われる。
3歳の時、猩紅熱(しょうこうねつ)に罹り、回復が危ぶまれるほどの重症だった。
大学に入学後フットボールを行っていたが、そこで大けがに見舞われ腰痛が悪化。
その影響で、日々、腰にコルセットを付けて生活していた。
暗殺された日に、コルセットをしていなければ助かっていたかもしれない、、、
暗殺された際に2発の銃弾を受けたが、1発目が肩に命中し、撃たれた衝撃で、体が前傾するはずだが、コルセットを付けていた影響で、体を前に倒すことが出来ず座り続け、2発目の銃弾を右側頭部に受け致命傷となった。
1発目は致命傷ではなく、2発目が致命傷であるが、コルセットを付けていなければ、体をかがめることができ、2発目は打てなかったであろうと専門家も見解を示している。
彼は、大学時代にフットボールをせず、体の事をケアしていれば、コルセットを付けることもなく、助かっていたかもしれない。
そもそも、大統領になっていなかったかもしれない。
彼は、宇宙人を公表しようとした事で、殺されたと都市伝説では、いわれていて、彼が暗殺されていなければ、面白い未来になっていたかもしれない。
このように世の中は複雑すぎて、未来の事を予測する事はできない。
考え方を変えれば、アドバンテージとして使うことが可能。
普段、小さなことで、めんどくさい事は多くある。
例えば、アナタが毎日乗ってる電車でたまたまクシャミをする。
目の前の人Aに鼻水がかかる。Aは、ものすごく怒鳴ってくる。
別の乗客Bが止めに入る。しかし、短気なAは間に入ってきたBの胸ぐらを掴む。
電車内で喧嘩が勃発。社内トラブルで電車が遅延。
別の時間帯の電車に乗っていた斎藤君。電車遅延証明書を貰えるので、
大学に行く前に寄り道をする。
就職活動に疲れた斎藤君は、寄り道に公園を散歩中、財布を拾う
財布を最寄りの警察に届けようとすると、そこにはちょうど落とし主がいた。
財布の落とし主は、とある会社の経営者C。
Cは、斎藤君に感謝し、今度、高いご飯をご馳走する約束をし、後日、Cと食事した斎藤君。
斎藤君が就職活動生だと知ると、Cはウチで働かないかと誘い、斎藤君の就職が決定。
「電車内でのクシャミ」という小さな変化が、小さい誤差の連鎖反応を起こした。
その結果、アナタと全く関係のない斎藤君の人生を左右する出来事に繋がった。
そこでバタフライ効果を思い出すと、どうでもいい事と思っていたことを違う見方ができ、全力で取り組むことができる。
小さなことでも世の中や、結果、自分の未来に大きな影響を与えている事に気づくと、日常に転がっている小さなチャンスに気づいたり、チャンスを捕まえる事にもなる。
日々、意識的に行動しようと考える事になる。
それを日々紡いでいく事で、自己肯定感や、人生の幸福感の向上につながる。
幸せや、成功までの決断は、たった一つの小さな行動だったりする。
信じて行動し続ける事が重要なのではないか。
なかなか、やりたいことがあっても、行動にうつせない事があるかもしれない。
しかし、思い立った時に行動にうつす事で、今の自分がどれだけ成長していたのかと考える事もできる。
過去を振り返ると、現在との面白い連鎖反応に気づけるかもしれない。
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