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変身/カフカを読んで
お疲れ様です!
H川です。
『変身』を読むのは何回目かわかりません笑
※短編なので読みやすいのもあります。
私は不条理な物語が好きでして、毎回少し違った読後感に浸っております。
今回は、最近自分自身が不条理を多く味わったため、久しぶりに読んでみようと思いました。
本作は相変わらずの不条理っぷりと、周辺の家族の対応です。
そりゃ、家族が朝起きてこないと思ったら、いきなり蟲になってたりすると通常は錯乱しますよね・・
本作では徐々に蟲化するわけではなく、突然蟲になるのですが、家族が異形に感じられる瞬間って結構あると思ってます。
そのような場合、衝撃⇒錯乱(混乱)⇒諦めからの放置(無関心)の流れになるのかなと。
主人公の蟲化しても、会社や仕事を想い、自分自身の蟲化を近眼的(現在)にしか考えることができないところにリアリティを感じます。
主人公は「蟲になってしまったのはしょうがない!どうやってこの人生(蟲生)を生きていこうか!」みたいな気持ちの切り替え&未来思考にはならないわけです。
私は本作を何度も読んでいるので、結末は当然知っていたのですが今回は今までとは少し違った解釈ができました。
本作の物語的にいろいろありましたが、結果的に主人公の家族は、彼が蟲化したことをきっかけに今よりも生活が良くなるのです。
逆に彼が蟲化しなければ、ずっと今の生活のままだったと推察されます。
不条理という外的要因があり、右往左往しながらも人間は時を進め、歴史を創っていくのだ。と感じました。
将来的な計画は立てますが、基本的に人生は不条理であることを心得ておけば、うまくいかなかった時の立ち直り力の支えになります。
不条理を克服することはできませんが、不条理を受け入れようとする心構えは持つことができるかもしれません。
いや、どうでしょう笑
なるべく不条理な事は少ない方がありがたいです。
おしまい。