![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110221335/rectangle_large_type_2_cfc551e93a6ed17caf882d2c6d553a3b.jpeg?width=1200)
膝痛予防
【膝痛はなぜ起こる】
膝痛というのは膝関節の痛みです。この小さな関節に体重の負荷がかかります。つるつるしている軟骨が摩擦をやわらげたり、靭帯や筋肉のサポートをして衝撃を和らげています。しかし、加齢による骨の新陳代謝の低下や軟骨へのストレスで膝痛が起きていきます。軟骨へのストレスとは冷えや肥満、過去のけが、O脚やX脚、運動や仕事による膝への負担、筋力の低下などです。とくに脚の内側の筋肉が弱くなってくると、膝関節が不安定になり、膝痛の原因になります。軟骨は、骨の両端を覆い、骨同士がぶつからないようにクッションのような役目をしているものです。
【膝痛放置で歩けなくなる!?】
「立ち上がるときに痛い」「階段の下りが痛い」「歩き出しのときに痛い」という膝痛のほとんどは「変形性膝関節症」です。膝の内側の軟骨がすり減って、骨同士が接触しやすくなることにより、炎症を起こしたり、骨の位置がズレたりします。中高年の膝痛の9割以上が、この変形性膝関節症だといわれています。
また、変形性膝関節症は、男性より女性に多いのが特徴です。もともと女性は男性より
・筋肉量が少ない
・加齢とともに基礎代謝が低下して太りやすくなり、関節にかかる負荷が大きくなる
・閉経とともにホルモンの分泌が減少し、骨が弱くなる
などがあげられ、進行すると、激しい膝の痛みで歩けなくなり、関節の変形につながります。痛みを感じないときから、膝痛予防をしましょう。
【変形性膝関節症の進行】
■初期
痛みの強さ通常の生活ができるが、歩き出そうとすると、少し痛みがある。ただし、痛みはすぐに消える。関節の変形関節軟骨が少しずつ減少し、軟骨に亀裂が入る。O脚の程度膝と膝の間が少しあく程度。
膝に出る症状
・立ち上がり、階段の上り下りのときに膝が重い。
・朝起きたときに膝がこわばる。
■中期
痛みの強さ自分の身の回りのことは何とかできるが、痛みが強い、または痛みが続く。 痛くて正座ができない。関節の変形関節軟骨がすり減って、骨と骨の間が狭くなる。O脚の程度O脚になり、立ったときに膝が外側に向く。
膝に出る症状
・膝がまっすぐに伸びない。
・膝に腫れがあり、水がたまる。
■後期
痛みの強さ自分の身の回りのことがほとんどできない。非常に強い痛みで普通に歩けない状態。関節の変形関節軟骨のほとんどが消滅して、骨と骨とがぶつかる。O脚の程度O脚が進行し、膝全体が節くれだったようになる。
膝に出る症状
・膝関節がグラグラし、膝全体が大きくなる。
【膝痛予防1:正しい歩き方の習慣】
正しい歩き方をすると、膝痛予防に大切な大臀筋と内転筋が鍛えられます。 正しい歩き方とは前に脚をだしたときに膝が伸びていること。膝を曲げたまま歩いていると、ある一定の部分だけに負荷がかかり、膝の皿(膝蓋骨)が不安定になって膝痛を起こします。
反対に、悪い歩き方とは、歩幅が狭く、膝を曲げた歩き方です。時々、ショーウィンドーなどを見て、自分の歩き方をチェックしてみましょう。
前足はかかとからついて、後ろ足は母趾でしっかり蹴りだします。
かかとからついて重心を移動させると、膝が自然と伸びます。
【膝痛予防2:筋肉トレーニング】
足のすべての筋力の低下が膝痛に影響します。中でもお尻の筋肉である大臀筋と、広い範囲で脚をサポートする内転筋、膝関節の衝撃から膝を守る大腿四頭筋の筋力の低下が関係しています。
どれも1分ほどの短時間でできるトレーニングです。毎日の習慣にしましょう。痛みの初期段階で行うのが効果的ですが、痛みをまだ感じていない人も予防としておすすめします。
■大臀筋のトレーニング
仰向けに寝て、片足は床につけ、もう片方は膝を伸ばしてまっすぐ上げたまま、お尻を持ち上げて3秒キープ。これを3回、左右の脚で行う。
■内転筋のトレーニング
まっすぐ立った姿勢にして、脚を開き、膝頭のあたりで硬めの枕やクッション、2つ折りにした座布団などをはさんで、内ももに力を入れて3秒間キープ。これを3~5回繰り返す。
■大腿四頭筋のトレーニング
立った姿勢でゆっくり膝の曲げ伸ばしをする。5回くらい繰り返す。
※注意:膝の痛みの強いときは行わないでください。
■外出先でできる大臀筋トレーニング
外出先ではエレベーターやエスカレーターを使わず、階段歩行をしましょう。また、電車・バスを待っているとき、信号待ちのときには「片足立ち」を心がけると、大臀筋トレーニングになります。 お尻の筋力アップだけではなく、体全体のバランスをよくしてくれます。
片足で立つことを数十秒、両足交互に行いましょう。