風邪のウイルスは、体に侵入しても、免疫力が高ければウイルスの繁殖を阻止することができ、風邪を発症しないことがあります。つまり、ウイルスが増殖し始めると、具体的に風邪にかかったと言えるわけです。 風邪のウイルスは、最初に鼻や口、そしてのどなどに付着します。この時、ウイルスが増殖すると、のどや鼻の粘膜が損傷を受け、喉の痛みや鼻水が出始めます。さらにウイルスが気道にまで広がると、咳や痰の症状が現れます。 そして、ウイルスが繁殖するに従い、体は発熱します。ウイルスは熱に弱いので、体温
風邪と似た症状を引き起こす疾患として、肺炎、扁桃炎、溶連菌感染、副鼻腔炎などが挙げられます。これらは、喉の痛み、咳、鼻水、発熱といった症状が出ますが、風邪との違いは病原体です。これらの疾患は主にウイルスではなく、細菌が原因となっています。細菌による疾患は、抗生物質によって改善できますが、風邪の原因であるウイルスには抗生物質は効果がありません。風邪の際に抗生物質が欲しいと求める患者もいますが、無闇に抗生物質を使うと耐性菌が拡散する恐れがあります。 風邪に有効な抗ウイルス薬は現在
医師から「風邪ですね」と診断された経験は、皆さんが経験したことがあるのではないでしょうか。しかし、実際のところ、「風邪」という言葉は俗称であり、正確な病名ではありません。 「風邪」とは、喉の痛みや鼻水、咳、時には発熱などを伴い、通常は重篤な症状はなく、数日で自然に治る疾患を指します。その正式な名称は「風邪症候群」、「感冒」、「急性上気道炎」などがあります。 風邪の原因はほとんどがウイルスであり、そのウイルスの種類は約数百種類も存在します。一般的には、ライノウイルスが主な原
季節を問わず、手洗いやマスクと同様に、風邪予防のために有効な方法として挙げられるのが「うがい」です。この習慣は、実は平安時代から続く歴史があります。当時から口腔清掃の手段として行われていたのです。そして、最近ではその効果が科学的にも証明されています。実際、最近の調査では、うがいをしない人に比べて、水うがいをしていた人の風邪発症率が4割も少ないという報告もあります。うがいは、口の中を洗い流すだけでなく、のどの潤いを保つことで、ウイルスや細菌を排出する線毛の働きを助けることができ
人間の身体の表面に位置し、最も大きな臓器は何でしょうか?その答えは、皮膚です。皮膚に現れる「かゆみ」は、体の調子が崩れていることを知らせる警告のサインとなります。以前は「軽い痛み」と見なされがちだった「かゆみ」ですが、最近では痛みとは別の神経であり、時には痛みよりも不快な感覚であることが理解されるようになりました。肌が乾燥してかゆい場合は、保湿をしっかり行いましょう。顔だけでなく、全身にクリームを適切に塗布することが大切です。また、暖房器具の過剰な使用も乾燥の原因となります。
今もうすでに立冬を迎え、暦の上では冬となりました。この時期は汗をかくことも少なくなり、体を温かく保つことが重要な季節となります。そんな中、今回は特に意識して摂取したい「水」についてお話しします。水は私たちの体内でさまざまな重要な役割を果たしています。体温を一定に保つための汗、消化を助ける消化液、栄養素を運び血液中に溶かしていく役割、老廃物を排出する腎臓への支援、血液や組織液として栄養素を体全体に届ける役割など、数多くの機能を持っています。血液中には83%、脳内には76%、硬い
年末に差し控える時期は、多忙になることがよくありますね。夜遅くまで働いていると、足の靴や指輪が少し締め付けられる感じがしてきませんか?「あれ?今日一日で太ったかしら?」と不安になることもあるかもしれませんが、実際は、それが恐らく「むくみ」かもしれません。むくみとは、毛細血管から漏れ出た水分が、静脈やリンパ管に吸収されずに皮膚の下に溜まってしまう状態を指します。この状態は、デスクワークや立ち仕事などで同じ姿勢を保ち続け、脚をあまり動かさないことが主な原因です。実は、ふくらはぎに
「言わぬが花」という言葉は、古くから考えていることを口に出さずに溜め込むことが、胃に負担をかけることを意味しています。つまり、感情や思いを内に秘めたままにしておくと、胃に負担がかかるというわけです。それでは、皆様が普段感じているささいな胸焼けやもたれ、満腹感が、実は胃からのSOSサインであることをご存知でしょうか。この症状が「ディスペプシア」と呼ばれるもので、胃への血液循環が悪化し、消化機能が低下することが原因です。欧米ではすでにこの症状は医学的に疾患と認識されており、日本で
冬の到来で、室内と室外の温度差が気になる季節に差し掛かりましたね。この時期に留意したいのが、「ヒートショック」と呼ばれる現象です。例えば入浴時、寒い脱衣所で服を脱ぎ、お風呂に入るときに血圧が急上昇し、熱いお湯に浸かることで更に上昇します。ところが、全身の血流が良くなると次第に血圧が下がっていくのです。この激しい変動は、心臓や血管に負担をかけ、身体に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、脱衣所を暖かくしておきながら、お湯の温度は41℃以下に、入浴時間は10分以内に制限すること
最近、何かをつまずいたり、つまづいたりしたことはございませんでしょうか?もし繰り返し起きているようでしたら、おそらくバランス力が低下している可能性があります。人間は日常生活で歩行や走行時に常にバランスを保ちながら行動しています。転倒することは、本来人間が持つさまざまな調整機能がうまく機能していないことを意味します。また、足の筋力が不足している可能性も考えられます。身体の筋肉のうち2/3は下半身に存在し、上半身よりも衰えやすいと言われています。お尻がたるんで太ももの境目がわから
皆さんは、脳が疲れてしまう経験をしたことがありますか?以前はできた仕事がうまく進まなくなり、些細なことでイライラしてしまう…。もし当てはまる方がいらっしゃれば、ぜひ以下をご一読ください。脳疲労とは、脳が負担を感じて機能が低下した状態のこと。次の症状が現れたら要注意です。ますは「睡眠」。寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどの症状は脳疲労のサインかもしれません。そして「便通」。自律神経が乱れて腸の働きが悪くなり、便秘や下痢を引き起こします。最後に「食事」。普段よりも食欲が強くなり、
爪を過剰に切りすぎてしまうと、気持ちの良い秋の遠足が水泡に帰す可能性があります。予想外かもしれませんが、これは実際に起こり得る事柄です。一度、足元を見てみてください。爪の先の辺りが赤くなっていたり、押すと痛みを感じたりしませんか。実は、これが巻き爪の兆候なのです。巻き爪とは爪が横に巻いてしまう状態で、ひどくなると爪の辺りが皮膚に食い込んで痛みを伴うようになります。そのために、外出するのも困難になります。現時点で痛みがなくても、山登りやスポーツなどで爪に大きな負担がかかることで
寒さが厳しくなってくるこの季節、冬支度を進めていることでしょう。しかし、その中には気分がすぐれなかったり、体調不良を訴える方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、そうした症状は「気象病」と呼ばれるものかもしれません。言わば、昔から「夕方に子どもが元気だと雨が降る」というように、気象と健康は密接な関係があるとされています。季節の変化や急激な気象の変動に身体が適応できず、頭痛や関節痛、神経痛などが引き起こされることもあるのです。ちなみに、気象と病気の関係について研究する学問を
笑いは体の疾患だけでなく、心の問題に対しても効果があることがわかっています。 笑うことによって、副交感神経が活性化され、心身の安定やリラックスが促進されます。この状態でセロトニンという物質が放出されることで、幸福感が生まれ、心身のバランスが整うのです。 さらに、笑うことでストレスホルモンであるコルチゾールやクロモグラニンの分泌が抑制されることも明らかになっており、笑いはストレスの緩和や心の落ち着き、そしてうつ症状の予防にも役立つと考えられています。 また、カナダの研究で
笑いとがんの関係について、多くの研究が行われています。 一般的に、健康な人の身体では、1日に3000から5000個のがん細胞が発生しているとされています。しかし、私たちが持っている50億個のNK細胞という天然免疫細胞が、がん細胞を見つけては撃退してくれるおかげで、がんが発症せずに健康な状態を保てているのです。 さまざまな研究によると、「笑うこと」によってNK細胞が活性化され、活動レベルが向上することが分かっています。具体的には、NK細胞の活性が低かった人が笑うことで正常レ