その「冷え」自律神経が関係してるかも
手足が冷たく感じることがあり、特に寝るときに足が冷えて眠れません。このような冷えは、女性にはよく見られる悩みですが、温めてもなかなか改善されない冷えは、自律神経に深く関係している場合があります。冷えは、さまざまな病気の原因となることがあり、自覚症状のない冷えを抱える人や、いくつかの症状の背後に冷えが隠れていることもあります。
【増える「ストレスの冷え」】
部屋が暖かいと、皆さんの手や足はすぐに暖かくなりますか、それともなかなか温まりませんか?
手や足の末梢の血流は、自律神経の働きによって調節されます。ストレスがかかると、交感神経が緊張し、末梢血管が収縮して血行が悪くなります。手や足がなかなか温まらない人は、自律神経の働きが乱れているため、血流の調節がうまくいっていない可能性があります。「ストレスによる冷え」かもしれないのです。
また、ストレスによる冷えの他にも、冷えを感じるにもかかわらず冷えがない人や、逆に足が氷のように冷えているのに自覚症状がない人など、冷えを認識する感覚にずれが生じている場合もあります。
【冷えの研究から判明したのは】
冷え症とは、寒い感じを自覚的に感じる症状です。しかし、この症状は客観的にも評価されています。例えば、冷え症の人が寒さを感じる部分では、血流量が減少し、実際に皮膚の温度が下がるという報告があります。また、手足の冷えを訴える人では、寒冷刺激を受けた後の皮膚の温度回復が遅くなることがあります。ラットを使った実験では、メスの方がオスよりも血管拡張の反応が遅いという結果も報告されており、一般的に女性が冷え症になりやすいと言われています。
【女性ホルモンや病気による冷えもある】
女性の冷えは、たいてい女性ホルモンのバランスが乱れることから自律神経に影響を及ぼし、その結果、冷えの症状が現れることがあります。また、このような状況では、冷えだけでなく、のぼせの症状も出てくることがあります。さらに、甲状腺がうまく機能しない場合や貧血、低血圧、膠原病などの疾患がある場合も、冷えが問題として現れる可能性があります。これらは、病気によって引き起こされる冷えであり、病因への適切な治療が重要です。
【便利な生活や高齢化も原因のひとつ】
他にも、肩こりや頭痛、腰痛、不眠症、むくみ、疲労感、やる気や元気がない状態、肌のくすみやしみ、乾燥なども、実は体が冷えていることによって引き起こされることがあります。不調を訴えて医師に診察を受けても自分の体が冷えているということに気付いていない人は多く存在し、注意が必要です。
このような生活習慣が身についていないでしょうか。
・朝食は抜くことが多い
・冷たい飲み物や食べ物を年中食べている
・運動不足である
・夜更かしや昼夜逆転の生活をしている
・入浴はシャワーのみ
これらはすべて体の温度を低下させる効果があります。朝食を食べないと、体温を上昇させる仕組みが機能せず、筋肉量が不足すると熱を生み出せません。また、昼夜のリズムが逆転すると、日中に体温が上がりにくい人もいます。便利な生活は、逆に冷えを増長させる可能性があるかもしれません。
漢方では、体は加齢とともに新陳代謝が低下した「陰」の状態に変わっていくと考えられます。そのため、以前は冷えと無縁だった男性でも冷えやすくなることがあります。
強いストレスによって自律神経の働きが乱れると、体温調節がうまく機能しなくなり、冷えやすくなる可能性があります。また、便利な生活や加齢によって、誰もが冷える可能性があります。冷えが放置されると、身体や精神の様々な症状や美容面にも影響を与えることがあります。冷えを改善するだけでなく、生活全般を見直して、冷えの原因にも注意しましょう。
【鍼灸治療では】
からだ全体の不均衡さをなくし、バランスを整える治療を行うため、自律神経の働きを正常にしていくとともに、免疫力をあげていくことができます。特に家庭で手軽にできるお灸は、効果を期待できます。
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