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モンハンできない
『モンスターハンターワイルズ』の発売日が近い。私も当然予約済み……かと思いきや、予約していないどころか、発売後もおそらく購入しない。なぜなら……
私は、モンハンができない人間だからだ。
ヘタクソすぎてお話にならない、ということではない。いや、ごめんなさい、ヘタクソではある。でも、「できない」とは、「討伐対象のモンスターがかわいそうになってしまい、プレイに支障をきたす」、という意味なのだ。
私が過去にプレイした唯一のモンハンシリーズ作品は、3DSで発売された『モンスターハンター3G』だった。
クエストを受けて、さあ一狩り行くぜ! と勇んで出かけたはいいものの、いざターゲットを目の前にすると、なんでこいつを狩らなきゃいけないんだと葛藤しはじめる。この子はただ、生まれたときから暮らしてきた土地で、ひたすら本能に従ってけなげに生きているだけだ。それを、やれ強い武器が欲しいだの、ビジュが神ってる鎧が欲しいだのというしょうもない理由で乗り込んでいって、一方的に命を奪っていいものか。自分がひどく見下げ果てた人間になった気持ちになる。
それでも心にフタをしてひたすら攻撃していると、手負いになったターゲットは足を引きずりながら命からがら巣へ逃げかえっていく。ハンターはそこへ追い討ちをかけて、とどめを刺さなくてはならない。
むごすぎる。
先月生まれたばかりの子どもがいるかもしれない。来週はママの誕生日で、何かおいしい餌でも獲ってこようと思っているかもしれない。ゲームの中でまで、なんでこんなに殺伐としなくてはいけないのか。この子と仲よく共存していくルートはないのか。もういい、逃してあげよう。結果、討伐失敗となる。
余計なことを考えている私が悪いのだが、考えてしまうものはどうしようもない。自分はモンハンできない人間なのだと悟った私は、3DSのフタをそっと閉じ、短いハンター人生に幕を下ろした。
以来、モンハンと名のつくものには一切手を触れずに生きている。だから今回も、どれだけPlayStationのメルマガが来ようが、ターゲット広告にしつこいほど表示されようが、徹底的に無視である。
でも、すごくおもしろそうなんだよな、次作。
楽しいんだろうな。
私もなりたいな、「モンハンできる人間」に。
……買ってしまうかもしれません。
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