脱炭素教信者の行政官たち

脱炭素教信者となった役人たちのコメント。目眩がします。

米大統領選挙
トランプ氏返り咲きも、脱炭素の潮流変わらず

 5日に投開票された米大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の当選が確実になった。トランプ氏の返り咲きによって、200カ国近い国連気候変動枠組み条約締約国で温室効果ガス(GHG)排出削減を進める「パリ協定」からの再脱退は、確実視されている。複数の政府関係者は今後の動向を注視するとしつつも、トランプ政権が発足するからといって、「脱炭素に向かう世界の潮流は変わらないのでは」とみる。

いや注視するまでもなく脱・脱炭素に向けてすぐに動き出さないと。

トランプ政権が再びスタートしても、カリフォルニアなど地球温暖化対策を推進する各州やグローバル企業などの取り組みは「止まらないだろう」と環境省幹部は言う。

カリフォルニアはずっと脱炭素をやり続ける州です。今回の大統領選で反ESGを掲げる共和党の州が大勝したことをどうお考えなのでしょうか。
そして企業の脱炭素宣言はどんどん撤回されます。

 「二酸化炭素(CO2)を大量に排出する企業に、投資が集まらない世界に既に転換している。脱炭素に向かうビジネス全体の流れは変わらない」(同幹部)との見方だ。経済産業省・資源エネルギー庁幹部も「大統領が誰になろうと、米国の大企業と金融はカーボンニュートラルに向かう」と、同じ見解を示す。

大統領選でトランプさんが勝ってたったの一週間でこれだけ世界が劇的に変わろうとしているのに、全く現実を見ようとしない行政官たち。頭が良い人たちなのに、ここまで脱炭素教に侵されてしまっているのかと絶句します。 

そもそもESG投資なんて2021年がピークで現在は終焉にむかっています。役人なら当然データを持っているはずなのに。

 別の政府関係者は、米国がパリ協定から再脱退しても4年後に復帰する可能性があることから「パリ協定が空中分解するとみるのは早計」と話す。

なんだか米国が4年後パリ協定に復帰することを望んでいるかのようなコメント。そんな確率1/2の未来に期待してどうするのか。国益を考え京都議定書第二約束期間を骨抜きにした当時の気骨ある行政官はいなくなったのでしょうか。

一方、石破茂政権下で原子力政策の停滞も見込まれる中、トランプ氏の勝利によって「例えばカーボンニュートラル目標の前倒しなど、非現実的な米国のスタンドプレーに付き合う必要はなさそうだ」とプラスの影響を見て取る。

 経済省幹部が警戒するのは、米インフレ抑制法(IRA)の行方だ。経産省はバイデン政権下で、例えば米国で作った水素を日本で受け入れるなど、GX(グリーントランスフォーメーション)推進戦略とIRAの連携について協議を進めてきた。トランプ氏がIRAを見直せば「案件によっては影響が生じるかもしれない」と懸念の声が上がる。

水素なんかより、どんどんシェールガス、シェールオイルを買えと言われますよ。よっぽどお互いの国益にかなう取り組みです。

役所の皆さん4年前まではマトモな人の方が多数派でしたよ。現実的な低炭素社会こそ日本が世界に貢献できる道筋であって、一部の狂人が騒いでいる脱炭素なんて産業も国民生活も破壊してしまうと話す役人はたくさんいました。人事を握られるとここまで変わってしまうのが役所なのだなと、改めて感じます。

でもそうであれば、この4年でまた軌道修正できる可能性もあるはずだと信じたい。

今年の3月、複数の政府関係者や省庁の行政官たちと丸一日じっくりと話す機会がありました。本音では筋悪だと分かっていても、表向き脱炭素に取りまなければならないんだという雰囲気を滲ませる方もたくさんおられました。

そんな中、この日初めてお会いした環境省のある課長さんと私の会話。

私「2020年のカーボンニュートラル宣言以降、産業界はおかしなこと、グリーンウォッシュだらけになりました。早く現実的で国益にかなう低炭素政策に戻すべきです。」

課長「何言ってるんですか。我々がこの30年脱炭素脱炭素と言ってきたのに、産業界が乗ってこなくて日本は完全に欧米から取り残されてしまった。日本の失われた30年は脱炭素の遅れが原因です。早くこの遅れを取り戻すために脱炭素を進めてくれないと。」

カッチーン!と頭にきて
「はぁ!?そんなわけないでしょ。30年間増税ばかりで国内景気を冷やし続けて、ようやくデフレから抜けようとしたところで今度は脱炭素なんてやるからますます産業界は競争力を失って国民生活も〜〜〜」
と言ったところで周囲に止められました。

本当に、目眩がします。でもこれが今の日本政府の現状なのです。

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