スコープ3でCO2は減らせない

アゴラに寄稿しました。
前回に引き続きスコープ3の問題点について。

スコープ3はダブルカウント、実測が不可能、推計の弊害、行き着く先はビジネス縮小しかない、などなど致命的な欠陥がいくつもあり克服の目途は立っていません。マクロ分析で傾向を把握する程度に使うのはよいのですが、企業個社に適用することはできないのです。

現実のサプライチェーンCO2排出量という数値は1つしかないのですが、実測するのは極めて困難で神のみぞ知るデータです。最も得やすいであろうサプライヤーの部分から着手する企業が出始めていますが、無理に進めようとすれば優越的地位の濫用に抵触します。

このため現状では(そしておそらく今後もずっと)推計値に頼らざるを得ないのですが、CO2排出係数が20年も前のデータだったり、同じ項目のCO2排出係数でもデータベースによって数倍も違ったりするため、どう計算しても極めて不正確なデータしか出てこないのです。推計では正確なCO2排出量が分からないので削減施策が打てないばかりか、現実世界では毎年サプライヤーや電力会社や運送会社や従業員が努力したCO2削減分も測れないため、もはや何をやっているのか分かりません。

スコープ3は手段の目的化でありCO2削減にはまったく貢献しない、といったあたりを整理しました。

5分ほどお時間をいただきますが、ご笑覧ください! 



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