80万トンともいわれる廃棄ソーラーパネルの2040年問題
この指摘は大変重要だと思います。
いろんな企業の方と自家消費用太陽光パネルの処分について話すのですが、皆さん楽観的で「心配しなくても将来はパネルのリサイクルが確立されると思うよ」という意見ばかりです。
とんでもない。認識が甘すぎます。
技術的には可能でもコストの問題で普及しなかった製品・サービスは歴史上いくらでもありますし、性状の伝達が正確になされなければリサイクルはできません。
室中氏のご指摘の通りです。
■
さらに、先日ある産業廃棄物処分業者さんに行った際のお話が衝撃でした。
私との会話はこんな感じです。
藤枝「今後太陽光パネルが大量に出てきたら御社も大変ですよね。処分業者さんでパネルの大量保管はできないので、PCBみたいにユーザー側で保管させられて何年も順番待ちになりませんか。」
A氏「わっはっは。我々は全く大変になりませんよ。パネルの大量処分問題は発生しません。」
藤枝「???」
A氏「彼らは逃げますから。企業さんの工場や店舗で持っているパネルや住宅のパネルは徐々に出てくるので処分可能でしょうけど、メガソーラーは山の中に置き去りにされます。つまりパネルの大量処分問題は起きないんです(笑)。」
藤枝「ええええ!?それでは土壌汚染になりませんか。」
A氏「なります。恐ろしいです。でも自治体は手を出せないでしょう。パネルの量が多すぎますし、事業者が逃げたら誰がコストを負担するのか。」
A氏「お金を積み立てて廃棄までやる真面目な事業者がバカを見ることになりますし、自治体がやるとなったら逃亡する事業者がさらに増えます(笑)。」
A氏「汚染を防ぐためとにかくどこかに集めないと。でも、誰が回収して運搬してどこに保管するのか。太陽に当たると発電するのでPCBより保管も大変です。自治体がやるということは税金になります。回収や運搬なら費用を見積もれますが、処分費用は無理です。誰もはじけない。自治体がやるとしても回収・運搬まででしょうね。それも保管場所が確保できたら、の話ですが。たぶん無理です。」
A氏「技術的にはリサイクル可能なのでおっしゃる通り、何らかの形で保管ができたらPCBのように順番待ちになる可能性はもちろんありますが、パネルのリサイクルには膨大な費用がかかります。事業者が逃げたら性状も分からないので含有物質の分析から始めることになる。どう転んでも太陽光パネルのリサイクルは回りません。技術的な問題じゃないんです。コストと保管または埋め立てる土地の問題なんです。」
A氏「リサイクルせずに全部埋める方がまだ費用負担は軽いでしょうね。すると我々の出番はありません。太陽光がエコなわけがないです。」
メガソーラーをこれ以上増やしてはいけない。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?