著作物の利用する際に気を付ける8つのポイント!
著作物を利用する際に、気を付けるべきポイントをまとめてみました。
①著作物かどうか把握する。
対象物が著作物かどうか把握する必要があります。著作物であれば、注意が必要ですが、著作物でなければ、自由に利用はできます。その際、以下のポイントで判断されます。
◐思想または感情が表現されていること
思想や感情とは無関係である単なるデータは著作物から除かれます。
◐創作的に表現されていること
ありふれた表現や報道された事実の情報は著作物に含まれません。
◐「文芸、学術、美術または音楽の範囲」に属するものであること
具体的には、著作権法において、以下のものが著作物の例示として挙げられています。
・小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
・音楽の著作物
・舞踊または無言劇の著作物
・絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
・建築の著作物
・地図または学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
・映画の著作物
・写真の著作物
・プログラムの著作物
◐外部に向けて表現されたものであること
外部に表現されたものでなければ著作物にはなりません。
よって、頭の中のアイデアのように外部に表現されていないものには著作物として認められません。
②著作者の持つ権利を知る
著作権法では、著作物を創作する者を著作者とし、著作者に対して著作権等の権利を付与しています。著作物を利用する際には著作者の有する権利を把握しておくことが必要です。
・著作者の人格的利益を保護する権利(著作者人格権)
著作物を公表するかどうかや、公表の方法・時期などを決定できる権利や著作物に氏名を記したり、別の名を用いたりすることが選択できる権利、著作物の内容やタイトルを勝手に変更されない権利をいいます。
・著作物の利用を扱う権利(著作権)
複製権⇒印刷・録画などの方法で複製する権利
上演・演奏権⇒公衆に向けて上演したり、演奏したりする権利
上映権⇒公衆に向けて上映する権利
公衆送信権⇒インターネットでの送信など様々な方法で公衆に送信する権利
口述権⇒公衆に口述する権利
展示権⇒公衆に展示する権利
頒布権⇒複製物の譲渡などにより公衆に提供する権利
譲渡権⇒映画以外の著作物を原作品や複製物の譲渡により公衆に提供する権利
貸与権⇒映画以外の著作物の複製物を貸与により公衆に提供する権利
翻訳権・翻案権等⇒翻訳、編曲、変形、脚色、映画化する権利
二次的著作物の利用の権利⇒翻訳するなど二次的著作物を利用する権利
③著作者あるいは著作権者に利用許諾を受ける
著作権は、著作物が創作された時点で発生し、原則として著作者の死後70年間保護されます。
著作者は、著作物の著作権を占有することから、著作者以外の人が著作物を利用する場合、原則として著作者の許諾を受けることが必要です。
よって、許諾を受ければ、許諾の範囲内において、著作物を利用することができます。
では、許諾を受けないで利用できる場合は、どのような場合かを把握しましょう。
④著作物を無断で利用できる条件を知る
著作物を利用する場合、原則として、著作権者の許諾を受けることが必要です。ただし、例外として、以下のような場合は著作権者に無断で著作物を利用することができます。
⑤私的使用の場合
個人的など限られた範囲内で仕事以外の目的のために使用する場合は、著作権者の許諾を得ずに著作物の複製や編集などができます。ただし、映画館等で上映中の映画を録画することは、私的使用の場合であっても認められません。
⑥教育の場での使用の場合
営利を目的としない学校の授業など教育の場で著作物を複製したり、試験の問題として著作物を複製したりする場合などは必要と認められる限度において無断で利用することができます。
⑦引用
下記の事項を満たしている場合、公表された著作物を「引用」として無断で利用することができます。ただし、引用は正当な範囲内で行うことが必要です。
・他人の著作物を引用する必然性があること
・自分の著作物と引用部分とが区別されていること
・自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であり、自分の著作物が主体であること
・出所の明示がなされていること
⑧転載
行政機関が発行した資料等は、転載を禁止する旨の表示がない限り、新聞や雑誌等に転載することができます。また、新聞や雑誌に掲載された時事問題に関する論説についても、利用を禁止する旨の表示がない限り、他の新聞や雑誌に転載することができます。ただし、これらの場合も、出所を明示することが必要です。
まとめ
著作権法により保護される著作物には、あらゆるものが存在します。私的利用や引用など一部の例外を除いては著作権者の許諾を受けなければ、著作権侵害となります。
著作権について正しく理解したうえで、著作物を適切に利用することが大切だといえます。
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