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オリジナル曲「Sakura Trip」について


構想

以前から「ゼロカラコンピ」というコンピレーションアルバム企画に参加しているのですが、次回のテーマが「春」なので春らしい曲を作ろうと思いました。

また、そろそろKawaii系のジャンルをまた作ってみたいと思い、そういえばKawaii Future Bassって全般的に春っぽいイメージじゃないか?と感じたのと、春→桜→和風という連想で和風っぽいKawaii Future Bassで行くことにしました。

インプットのためにKawaii EDM系の曲を聴きまくった結果、以下の曲をリファレンス曲にしました。

リファレンス曲を聴いて春の小旅行というイメージが湧いたので、曲名は早い段階で決まりました。

Kawaii Future Bassは久々に作るので改めてHow to動画を色々観てみましたが、今回は以下の動画が参考になりました。

しかし実際に作り始めてみると、和風とKawaiiを両立させるのって難しくないか?一方を突き詰めるともう一方がおろそかになるんじゃないか?と悩みました。

どちらを優先させるか考えた結果、ジャンルの前提としてそもそも可愛くないと成立しないでしょ!となったので、和風要素はペンタトニックスケールでのメロディ作成と和楽器を音色のレイヤーに使うことに留めて、あくまでフレーバー程度にすることにしました。

また、Kawaiiとは結局何なのか?を自分なりに考えてみましたが、音色とリズムがキモかなと思ったので、出来るだけ意識してみました。


コード進行

キーはDメジャーでBPMは160です。

完成した後にCメロのメロディがちょっと高過ぎると感じたので色々キーを変えてみましたが、そうすると今度は他のパートが暗く感じてしまうので結局当初のままにしました。

Aメロ
( GM7 - A7 - F#m7 - Bm7 ) × 3
Em7 - A7 - Bm7 - A#m7 - Am7 - Daug/G#

Bメロ
( Gm7 - F#m7 - Bm7 - Am7 - D7 ) × 3
Gm7 - F#m7 - Bm7 - A#m7 - Am7 - Daug/G#

Cメロ
GM7 - A7 - F#m7 - Bm7


音源・プラグイン

メロディについては、
①NEXUS4の「Bit-Lead」
②Vitalの有料プリセット「Aice room Kawaii Future Bass Kit vol.1」の「LD_Sine Basic」
③Xpand!2の「020 Ethnic」-「Koto+」
④Xpand!2の「020 Ethnic」-「Shamisen+」
⑤UVI Orchestral Suiteの 「Piched Percussions」 - 「Xylophone」
で、

Aメロ:①・③・⑤
Bメロ:②・③・⑤
Cメロ:①・④・⑤
とレイヤーしています。

プラグインについて、
①はSonnox Oxford InflatorでEFFECT74%くらいにして音圧を少し出して、
EQで~400Hzをローカット、キンキンする1.2kHz・2.4kHz・4.8kHzを-2dB、
Waves Renaissance Compressorでアタック0.5、レシオ2にして3dBリダクション、
Waves CLA-2Aで3dBリダクションでかけています。

②はEQで~400Hzをローカット、キンキンする1.6kHz・4.4kHzを-2dB、
センドでValhalla VintageVerbの「A Plate」を薄くかけています。

③はパンをR30に振って、
Saturation Knobを0.5、
EQで~180Hzをローカット、キンキンする1.5kHzを-2dB、
Waves Renaissance Compressorでアタック2.0、レシオ2にして3dBリダクション、
Valhalla VintageVerbの「Vocal Plate」をMIX14%でかけています。

④はパンをR30に振って、
Saturation Knobを0.3、
EQで~200Hzをローカット、
Valhalla VintageVerbの「Vocal Plate」をMIX18%でかけています。

⑤はパンをL60に振って、
Sonnox Oxford InflatorでEFFECT74%くらいにして音圧を少し出して、
Waves Renaissance AXXでアタック0.00でリダクション2dB、
Valhalla VintageVerbの「A Plate」をMIX18%でかけています。

また、①~⑤をまとめたBUSトラックを作成し、
The Glueをアタック30、レシオ4、リリース.1、MIX90%でリダクション2dB前後で入れています。


コードについては、
⑥Spireの有料プリセット「Nhato Spire Essentials」の「LD SUPER SAW ARMADA」
⑦Vitalの有料プリセット「MK/Shadw Vital Soundset」の「LD Super Saw」
⑧Vitalの有料プリセット「Aice room Kawaii Future Bass Kit vol.1」の「PAD Future Brass 2」
⑨Addictive Keysの「Intense Keys」
をレイヤーしています。

プラグインについて、
⑥はEQで~550Hzでローカットのみです。

⑦はEQで~200Hzでローカット、8.5kHzでハイカットしています。

⑧は~220Hzでローカットのみです。

⑨は~90Hzをローカット、メロディ③と被る500HzをダイナミックEQで-2dB削っています。

また、⑥~⑨ををまとめたBUSトラックを作成し、
EQでメロディ①・②と被る900Hz・1.2kHzをダイナミックEQで-2dB、
Waves CenterでMidを-0.5、
Kickstart2でキックをトリガーにサイドチェインを入れて、
Wavesfactory CASSETTE TRANSPORTでBメロ終わりにテープストップを入れています。


ベースについては、
⑩Vitalの有料プリセット「MK/Shadw Vital Soundset」の「BA Noise Fat」(ステレオ感とノイズ感)
⑪Vitalの有料プリセット「Aice room Kawaii Future Bass Kit vol.1」の「BS Hyper bob」(ミッドベース)
⑫Vitalの有料プリセット「MK/Shadw Vital Soundset」の「BA Super Sub」(サブベース)
をレイヤーしています。

プラグインについて、
⑩はEQで~200Hzローカット、600Hzを-3dB、14kHzをハイカットしています。

⑪はSaturation Knobを1.0、
EQで~100Hzローカット、540Hzを-2dBしています。

⑫はEQで~20Hzをローカット、100Hz~をハイカットしています。

また、⑩~⑫をまとめたBUSトラックを作成し、
CamelCrusherの「British Clean」を入れ、
EQで声ネタと被る500HzをダイナミックEQで-2dB、
The Glueをアタック30、レシオ4、リリース.1、MIX90%でリダクション2dB前後にして、
Kickstart2でキックをトリガーにサイドチェインを入れて、
Wavesfactory CASSETTE TRANSPORTでBメロ終わりにテープストップを入れています。


キックについては、
⑬Vengeance Essential Clubsounds Vol.4(以下「VEC4」)の「Trance Kicks 60」
⑭Sounds of KSHMR Vol.3(以下「KSHMR Vol.~」)の「KSHMR_Top_Kick_01」
をレイヤーしています。

プラグインは、
EQで~20Hzをローカット、重みを足すために60Hzを+3dB、抜けを良くするために120Hzを-2dB、500Hzを-2dB、17kHzをハイカット、
MAutoAlignでクラップと同グループにしています。

スネアについては、
⑮KSHMR Vol.3の「KSHMR_Hard_Snare_02_C#」(ピッチ+1)
⑯Nhato Sample Packの「Oneshots_Snare_16」(ピッチ+1)
をレイヤーしています。

プラグインは、
EQで~90Hzをローカット、抜けを良くするために550Hzを-2dB、アタック感を強めるために1.7kHzを+3dB、17kHzをハイカット、
⑮と⑯をMAutoAlignで同グループにしています。

ハイハットについては、
AメロとCメロではVEC4のVEC4 Hihat Percussion Loopsの102のループ素材、
BメロではKSHMR Vol.3の「KSHMR_Closed_Hat_01_Clean」
を鳴らしています。
プラグインはループ素材のみPanCake 2の「Left to Right」でパンを8分間隔で左右に動かしています。

クラップはNhato Sample Packの「Oneshots_Clap_01」(ピッチ+1)です。
プラグインは、
Saturation Knobを1.5、
Renaissance AXXでアタック7.00でリダクション3dB、
Valhalla VintageVerbの「Lively Snare Room」をMIX30%、
MAutoAlignでキックと同グループにしています。

スナップ(指パッチン)はKSHMR Vol.3の「KSHMR_Snap_04」
で、プラグインは入れていません。

また、ドラムをまとめたBUSトラックを作成し、
The Glueをアタック30、レシオ4、リリース.1、MIX90%、HP70Hzでリダクション2dB前後になるように入れています。


効果音については以下のとおりです。

Aメロ頭のキラキラはXpand!2の「004 Percussive」-「Windchimes」

ライザーはRankin Audioの「JERSEY CLUB」の「JC_FX_Sweep_2_135bpm」

カウベルはNEXUS4の「Rhythm 2」

水滴音はKSHMR Vol.2の「KSHMR Water Drop 04 - (D)」

Bメロでパン右側でキコキコ鳴っているのはRankin Audioの「JERSEY CLUB」の「JC_BedSqueak_Loop_1_135bpm」

声ネタは「N!lo's Voice Sample Pack」「N!lo's Voice Sample Pack 2」

声ネタのプラグインについて、馴染みを良くするためにValhalla VintageVerbの「A Plate」をMIX14%で入れています。

Bメロ・Cメロで左右にパンを動かして鳴っているキラキラしたアルペジオはSylenth1で、波形をPulse、アルペジエーターをUp/Down2でOCTAVEを2、DELAYとREVERBを深めにかけたものです。


マスタリングについて、
Shadow Hills Mastering Compressor Class AでOPTICAL、DISCRETE(レシオ2:1、アタック30、リリース.25)ともに0.5~1dBくらいになるようにかけて、
リファレンス曲をターゲットにしてOzone11のマスターアシスタントを入れています。

マキシマイザーの音圧は、リダクションがかかるかかからないかの-10LUFSにして、Soft ClipをM10%、Output Levelを-1.00にしてTrue Peakをオンにしています。


動画化

桜の観光地っぽいイメージを出すために色々試行錯誤しましたが、「bridge」をプロンプトに入れると上手くいきました。

また、「open arms」を入れると両手を広げる構図になります。

モデルはAnything V5で、プロンプトは以下のとおりです。

プロンプト
(masterpiece,best quality:1.2), 1 girl, open arms, (a face in joy:1.2), bridge, Cherry tree, white blouse, Black Corset, short hair, highres

ネガティブプロンプト
ribbon, pointing, (negative_hand-neg), (worst quality), (low quality), (multiple arms:1.2), (multiple legs), watermark, username, artist name, bushy eyebrows


最後に

今回は最初から方向性が明確だったおかげですんなり作ることが出来ました。
完成度も満足のいくものになりました。

EDMは型がハッキリしているので型通りに作れば割と形になりますが、Kawaii Future Bassは特にその傾向が強いように思うので(リズムパターン、可愛い音色、丸サ進行等)、やることが明確で作りやすいと個人的に思います。

何より声ネタを選んでいる時が一番楽しいので、これからもちょくちょく作りたいと思います。

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