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秋色を纏った彼女を探すためひとつ手前の路地を曲がると | 今月の短歌 #3

高架下で電車が通る瞬間を狙って耳打ちするような恋

醜さを塗りつぶすための醜さを見ないふりする醜いわたし

こういうの好きでしょなんて言わないでわたしは泣きたい時に泣くから

秋色を纏った彼女を探すためひとつ手前の路地を曲がると

羽織るには少し汗ばむそれさえも愛しいじゃじゃ馬みたいな秋だ

挟まれたレシート裏の「午後一時新宿駅で」を思い出せない

夕焼けを登場人物に例えて橙に染まるページをめくる

リズムよく並ぶ街頭を通る時だけ霧雨が見えて冷たい

車窓から見える灯りと水垢は似ているようだ生活がある

真夜中に高速道路を走らせて絶景とかではない場所へ行く

***

さて、今月も詠みました。

短歌をはじめて3ヶ月。自分の詠む短歌の癖みたいなのがよくわかってきて、同じような歌ばかりになっているなあと。

幅を広げたいなと、たくさんの歌を読むようにして、他の人の作風を真似てみたり、色々と試行錯誤しているところです。

そんな中で出会ったこのツイートの内容がとても腑に落ちて。

これまでわたしは、短歌もエッセイと同じようなものを形にしようとしていたきらいがあったけれど、そうではなく、別に教訓も無いような、わたしが見たものをそのまま詠むような歌をもっと作っていきたいなと思う11月です。

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けんず
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