[すこし詩的なものとして]0143 月暈
冷たい布団に足をつっこむ
それがなんとなくの幸せで
窓を開けると
花の香りがするだとか
背中にあわせた頬が
どうしても幸せだと
思わせたい
古くなった革袋
仕舞い込んだ奥の方から引っ張り出してみる
ホコリは空を舞い
夜空に散らばる
あなたの幸せを祈りながら
空は打ち上げられた
水しぶき
日暈は眩しさを
残さない
目をつむって
探すのは
わずかなバランスを保つ
レシプロで
誰かがなくした
特別で
夜になると
疼き出す
タオルケットの感触は
帳の外の虫の声
月の瞬きは
私の心の月暈となる
その余白に残る
余韻から
私はあなたを想うだろう
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眠れない夜に考えることは、なぜか心を締めつけることばかり。そうやって自傷しながら生きている。
雨が遠ざかる太陽の日差しは、光の矢のように体を刺す。夏が今年もやってきた。